チーム制となる2024年の全日本カート選手権EV部門でドライバーオーディションを実施

レポート カート

2024年5月10日

2022年に初開催された全日本カート選手権EV部門も3年目となり、今年は都市型サーキット・シティサーキット東京ベイでの開催が実現する。昨年は女性初の全日本チャンピオンが誕生するなど話題に尽きないこの選手権も、いよいよ2024シーズンが始動した。新フォーマットを採用して進化を続けるEV部門、まずはそのドライバーを決めるオーディションが行われた。

 4月下旬から5月上旬にかけての初夏を感じられる陽気の中、東京都江東区にあるシティサーキット東京ベイでは、全日本カート選手権のEV部門に参戦するドライバーを選考するオーディションが実施された。これはEVサプライヤー兼共同オーガナイザーとして同選手権に参加する株式会社トムスが主催するもので、一次選考の書類審査と二次選考の実技審査で2024シーズンのドライバーラインアップが決まるものだ。

 このEV部門は、昨年よりオーディションによってドライバーが選出されている。すでに行われてきた全日本カート選手権の開催会場での、EVカートの走行を目の当たりにしたドライバーたちの興味を引いたことが大きく影響し、今年はドライバー募集告知の期間が短かったにも関わらず、一次選考には47名の応募があったようだ。

 一方で、2024年で3年目を迎える全日本カート選手権EV部門は、今シーズンより大会フォーマットを刷新したことが大きなトピックとして挙げられる。ひとつめはEVの特性(静音、排出ガスなし、デジタル制御)を活かした都市型サーキットのシティサーキット東京ベイを開催地に含めた点、ふたつめはチーム制が導入されて1チーム2台体制となり、計6チーム12台で争われる点だ。

 参戦予定チームには、鈴木亜久里チーム代表率いる「AGURI EV Kart Racing Team」、近藤真彦チーム代表率いる「KONDO EV Kart Racing Team」、ANEST IWATA Racing母体の「ANEST IWATA EV Kart Racing Team」、TVアニメとコラボした「ハイスピードエトワール EV Kart レーシング」、KYOJO CUPなどに参戦する「KNC EV Kart Racing Team」、そして舘信秀チーム代表率いる「TOM'S EV Kart Racing Team」のチーム名が発表されている。

 国内モータースポーツにおいてメジャーなチームが名乗りを上げたことで、これから始まる選手権の成績如何によっては、若きカーターたちの将来を決定づける大きなアピールの場になることは間違いない。それゆえに、全日本/ジュニアカート選手権で腕を磨いた上昇志向の強いドライバーたちの応募が多かったのが特徴で、一次選考を経た19名がサーキットに集った。

オーディションの舞台となったのは東京都江東区にあるシティサーキット東京ベイ。2023年にパレットタウンの跡地にオープンした、東京23区内唯一の都市型サーキットだ。
一次選考を通過したドライバーたち。4月29日と5月6日の2日に分かれて二次選考のオーディションが行われた。

 オーディション当日はトムスの谷本勲代表取締役社長がブリーフィング冒頭で挨拶。「国内のトップカテゴリーにも参戦しているチームの育成枠になりますので、四輪を目指している皆さんのステップアップになるような新しい道筋をつくっていきたいと思います。伸びしろがある皆さんなので、思い切って走ってください」とドライバーを鼓舞した。

 まずは抽選でA/B/Cの3グループに分けての二次選考が始まる。EVカートのポジション調整から始まり、10分間のコース走行、そして10分程度の面接のスケジュール。ほぼ全員がEVカート初乗車であり、シティサーキット東京ベイ初走行という条件下、実力をアピールするためのタイムアタックが行われた。

 4月29日のAグループでは白石樹望選手と松井沙麗選手の女性ドライバーが勢いを見せて26.1秒台をマークし、グループ1番手と2番手のタイムをたたき出す。続くBグループは32歳のベテラン三村壮太郎選手が25.2秒台という驚異のタイムで他を圧倒。若手注目株が揃ったCグループは鈴木悠太選手が25.4秒台、鈴木恵武選手が25.6秒台の記録を残した。

 5月6日はチームオーナーが訪れ、4月29日とは違った雰囲気に包まれた。Aグループは酒井龍太郎選手が中盤からペースを上げて25.5秒台で暫定トップ。Bグループは中井陽斗選手が早い周回で酒井選手を0.002秒上回るトップタイムを刻むもコースバリアに接触してしまう。最後のCグループは村田悠磨選手と諏訪百翔選手が26秒台前半で伸び悩む中、柳沼光太選手が25.9秒台でフィニッシュ。

 走行が終わると各グループ1名ずつの面接が行われた。慣れない面接に緊張の面持ちを見せながら、オーディション応募の志望動機や自己PR、EVカートでコースを走ってみた感想、そして自身の将来の夢などを熱く語っていく。なお4月29日は面接に出席できなかったチームオーナーに向けて撮影動画が行われ、カメラに向かって自身の意気込みを伝えていた。

ブリーフィングではオーディションのスケジュールや注意点の説明がなされ、トムスの谷本勲社長が挨拶。
ヘルメットやグローブなどの装備品を持って重量測定が行われ、マシンのウェイト調整に反映された。
メカニックと相談しながらステアリング、ペダル、シートなど、時間をかけてポジションの調整。万全の体制でオーディションに臨んだ。
1グループ10分の走行時間が与えられ、序盤はマシンとコースの様子を見つつ、中盤からタイムを意識して果敢に攻め、それぞれ20周前後の周回をこなしていた。
走行後に行われた面接には、TOM'Sの舘信秀氏、KYOJOの子安英樹氏、KONDO Racingの近藤真彦氏、ARTAの鈴木亜久里氏らチームオーナーが同席(5月6日のみ)し、自身を売り込むドライバーの話を熱心に聞いていた。

 ゴールデンウィーク中に2回にわたって実施されたオーディションはこれで終了となり、これから各チームオーナーがドライバーを具体的に選考していくフェーズに入っていく。最終的には5月下旬にドラフト会議が行われ、自チームで走らせたいドライバーが指名されるとのこと。果たしてどのようなチーム体制でEV部門が開幕するのか、興味が尽きない。

5月6日はオーディション終了後にサプライズでチームオーナー自らがEVカートのステアリングを握って体験走行した。

フォト/長谷川拓司、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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