ヘビーウェット対決となった全日本ジムカーナ選手権 第3戦、各クラスで波乱の展開に
2024年5月17日
3月中旬に栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎでダブルヘッダーとして行われた全日本ジムカーナ選手権 第1戦&第2戦から約2か月のインターバルを経て、第3戦「MAZDA SPIRIT RACING CUP IN TAMADA」が、5月11日~12日に広島県広島市北部のスポーツランドTAMADAで開催された。
2024年JAF全日本ジムカーナ選手権 第3戦「MAZDA SPIRIT RACING CUP IN TAMADA」
開催日:2024年5月11~12日
開催地:スポーツランドTAMADA(広島県広島市)
主催:SLT.C、TEAM INDY
全日本ジムカーナ選手権の第3戦には併催クラスを含めて142台がエントリー。大会前には広島市内でジムカーナ車両でのパレードランを行うなどのPR活動を行い、会場は多くのギャラリーで賑わいを見せた。
公開練習が行われた11日は天候に恵まれて気温も上昇したが、決勝日の12日は朝から雨。気温も終日18~19度に留まるといった状況に加え、午後から雨が強く降る予報もあり、ほとんどの選手が第1ヒート勝負と目論んでいた。
実際のところ第2ヒートはコース上にいくつかの水たまりができるコンディションとなったが、その中でタイムアップを果たす選手も現れたほか、クラスによってはシリーズの上位選手が下位に沈むなど波乱に満ちた展開となった。
コースレイアウトは、ターンセクションがフィニッシュ前の180度ターンのみという島周りを中心とした設定に。第1戦&第2戦のパイロンコースとは大きく変わったコースが設定された。
PE1クラス
PE1クラスは「ドライコンディションだった金曜日、土曜日から、ウェットコンディションを想定したセットアップを進めてきました」という山野哲也選手(アルピーヌ・A110R)が、両ヒートを制する走りで開幕3連勝を達成する。
「第1ヒートはミスコースしかけてしまいました」という段上泰之選手(アルピーヌ・A110S)が、第1ヒート5番手から大きくポジションを上げて2位を獲得。3位には「第2ヒートは全体的にスピードレンジが低かった」という大橋政哉選手(アルピーヌ・A110S)が入賞した。
PE2クラス
第1ヒートトップの下村渉選手(トヨタ・GR86)が、第2ヒートでもベストタイムを0.523秒更新して今季2勝目を獲得したPE2クラス。第2ヒートの中間で下村選手を0.043秒上回った髙屋隆一選手(スバル・BRZ)が、後半セクションでわずかに遅れて2位入賞。3位はマツダ・ロードスターRFの河本晃一選手が、第1ヒート4番手からポジションをひとつ上げて表彰台の一角を獲得した。
PN1クラス
PN1クラスは、「ウェット路面の場合は第2ヒートで何が起きるのか予想が難しいので、第1ヒートでしっかりタイムを残すことが大事」という斉藤邦夫選手(トヨタ・ヤリス)が、その言葉どおり第1ヒートのタイムで逃げ切り今季初優勝。
2位には第1ヒート3番手からポジションをひとつ上げた朝山崇選手(トヨタ・ヤリス)が入賞、3位は第1ヒート2番手につけたベテランの小田雅史選手(トヨタ・ヤリス)が、「あのコンディションでタイムを上げてきた朝山選手はすごい」と表彰台の一角をつかんだ。
PN2クラス
「第1ヒートをスタートした時点から、タイヤが路面にマッチしていると感じました」というPN2クラスの松尾遙選手(マツダ・ロードスター)が、第1ヒートのタイムで逃げ切り、全日本デビューウィンを果たした。
0.366秒差の2位は、TAMADAをホームコースとする小林規敏選手(マツダ・ロードスター)が獲得。3位には小林選手と同じく地元の宮川弘基選手(マツダ・ロードスター)が、全日本参戦2戦目で初の表彰台を獲得した。
PN3クラス
開幕大会のダブルヘッダーを制した大多和健人選手(マツダ・ロードスターRF)が7番手、3年連続チャンピオンのユウ選手(マツダ・ロードスターRF)が13番手、昨年のPN2クラスを制した川北忠選手(マツダ・ロードスターRF)が4番手と、波乱に満ちた展開となったPN3クラス。
「確かにFFは雨に有利なんですが、僕自身が雨嫌いなんですよ(笑)。いつもTAMADAを走ってる感覚を大事にして、しっかり走りました」という地元の池澤亮太選手(スズキ・スイフトスポーツ)が、第1ヒートのタイムで逃げ切り全日本初優勝を獲得。
2位には、第1ヒート7番手に沈んだ大多和選手が第2ヒートで追い上げて入賞を果たす。3位は「ウェットコンディションにうまくセッティングを合わせることができました」という山口克之選手(トヨタ・GR86)が獲得した。
PN4クラス
PN4クラスは、このラウンドにトヨタ・GRヤリスGRMNを投入した奥井優介選手が、第1ヒートのタイムで逃げ切り今季初優勝。第1ヒート3番手の津川信次選手(トヨタ・GRヤリス)が、ヘビーウェットの第2ヒートで追い上げ、奥井選手と0.260秒差の2位。3位には「GRヤリスGRMNのウェットセッティングがまったくできていなかった」という松本敏選手(トヨタ・GRヤリスGRMN)がそれぞれ入賞した。
BC1クラス
全日本ジムカーナ選手権と全日本ダートトライアル選手権の二刀流で活躍するBC1クラスの細木智矢選手(スズキ・スイフトスポーツ)が、「全日本ジムカーナで初優勝して以来、ここ1年低迷していたんですけど、チームの仲間と一緒に続けてきたことが、結果に結びついたと思います」と、第1ヒートのタイムで逃げ切り、全日本ジムカーナ2勝目を獲得。
2位には、2022年チャンピオンの田中康一選手(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞。3位は細木選手と同じく全日本ジムカーナと全日本ダートトライアルを戦う志村雅紀選手(スズキ・スイフトスポーツ)が獲得した。
BC2クラス
BC2クラスは、ヘビーウェットコンディションの第2ヒートで若手の飯野哲平選手(マツダ・RX-7)がベストタイムを更新してトップに浮上してくるが、第1ヒート2番手の若林拳人選手(ロータス・エキシージ)が飯野選手のタイムを更新。
「第2ヒートは攻めすぎてミスしないよう、我慢しながらタイムを削りました」と逆転劇で若林選手が開幕3連勝を達成した。2位には「負けたのは悔しいけど、今後の自信にもつながりました」という飯野選手が入賞。3位は第1ヒートトップの梅村伸一郎選手(ロータス・エキシージ)が獲得した。
BC3クラス
第2ヒートでタイヤバリアに突っ込みリタイアとなりながらも、第1ヒートのタイムで逃げ切った一色健太郎選手(トヨタ・GRヤリス)が、今季初優勝を遂げたBC3クラス。2位は「ドライバーのやる気が足らんかった。前半でけっこう失敗しよった」というベテランの菱井将文選手(トヨタ・GRヤリス)が獲得。3位には「タイヤが思ったより路面を食わなくて、丁寧に走りすぎた」という大橋渡選手(スバル・インプレッサ)が入賞した。
SLWクラス/箱Dクラス
その他、併催クラスのSLWクラスは、下川和大選手(ケータハム・スーパー7)が優勝。箱Dクラスは、両ヒートを制した川脇一晃選手(ニッサン・サニー)が優勝を飾った。
フォト/CINQ レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部
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