野中誠太選手が2勝を挙げポイントリーダーに。第5戦では小出峻選手が優勝

レポート レース

2024年5月24日

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)の2024年シリーズは、5月17~19日にオートポリスにて開催された第2大会(第4~6戦)で事実上の開幕を迎えた。第4戦と第6戦を野中誠太選手(TOM’S)が、第5戦を小出峻選手(B-MAX RACING TEAM)が制した。またマスタークラスでは今田信宏選手(JMS RACING TEAM)が3連勝を挙げた。

2024年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第4戦/第5戦/第6戦
開催日:2024年5月17~19日
開催地:オートポリス(大分県日田市)
主催:APC、株式会社オートポリス

 SFLは当初、4月26~28日にモビリティリゾートもてぎで開幕する予定だったが、事前に車両パーツにクラックが入ることが確認され、開催が延期となっていた。今季はエンジンがTOM’S製TGE33(3気筒1.6リッターターボ)のワンメイクとなり、コントロールタイヤもクムホに変更され、より各車両のイコールコンディション化が進んだ。

 今大会には6チームからマスタークラスの3台を含む11台がエントリー。18日に行われた公式予選、ベストタイムで争われた第4戦は小林利徠斗選手(TOM’S)がポールポジションを獲得し、野中選手、スポット参戦の荒川麟選手(TEAM DRAGON)、古谷悠河選手(TOM’S)、小出選手、日本での四輪レースデビューとなる荒尾創大選手(TODA RACING)が続いた。セカンドベストで争われた第5戦は小出選手がポールポジションを獲得し、小林選手、中村仁選手(TOM’S)、古谷選手、荒川選手、野中選手と続いた。

第4戦のポールポジションは小林利徠斗選手(TOM’S)、第5戦は小出峻選手(B-MAX RACING TEAM)。

第4戦

 この時期としては暑い晴天の18日15時33分、第4戦の決勝レースが今大会最長の21周レースとしてスタート。フォーメーションラップのスタートでエンジンがストールしかけたのか、ポールポジションの小林選手が出遅れたが、決勝では無事にスタート。小林選手と野中選手のフロントロー2台が競り合う中、5番手争いを展開していた中村選手がコースオフしてクラッシュ。3番手争いの小出選手と古谷選手もわずかにコースオフしたが無事コースに戻った。

 しかし、中村選手の車両回収のためにセーフティカー(SC)が導入され、バトルは一旦ストップする。2周完了の時点でレースはリスタート。3周目の第2ヘアピンで野中選手が小林選手のインを突いてトップを奪うと、あとはその差をじわじわと広げていった。

 レースの半分近くを消化した10周の時点でトップは野中選手。3秒ほど後方に小林選手と荒川選手が続き、その後方では2020年英国F3チャンピオンであり昨年までFIA F3選手権を戦って来たケイレン・フレデリック選手(B-MAX RACING TEAM)、小出選手、古谷選手、荒尾選手が4番手争いを展開していた。

 だがレースはこう着状態が続き、そのままの順位で21周のチェッカー。SFL参戦4年目となる野中選手は、2022年開幕戦以来2年ぶりの勝利で、かつファステストラップもマークした。マスタークラスは、今田選手がDRAGON選手(TEAM DRAGON)を後半引き離して開幕戦を制した。

第4戦優勝は野中誠太選手(TOM’S)。
2位は小林選手(TOM’S)、3位は荒川麟選手(TEAM DRAGON)。
第4戦の表彰式。左から2位の小林選手、1位の野中選手、3位の荒川選手、マスタークラス1位の今田信宏選手(JMS RACING TEAM)。

第5戦

 第5戦は19日の9時3分に14周レースとしてスタート。しかしフロントローの小林選手がエンジンをストールして大きく出遅れることになった。ここで抜群のスタートを見せたのが前日優勝した6番グリッドの野中選手で、一気に2番手へ順位を上げることに成功。1周目を終えて小出選手を先頭に、野中選手、中村選手、こちらも4つ順位を挙げたフレデリック選手、古谷選手、荒川選手、荒尾選手が次々にコントロールラインを通過した。

 しかし2周目に入ると、フレッシュタイヤを温存していた小出選手がこのレースのファステストラップをマークして、2番手争いの野中選手と中村選手を一気に2.5秒差まで広げ、独走状態に持ち込み始めた。このため4番手争いの集団ができる。そして、7周目の1コーナーで中村選手が野中選手をかわして2番手へ順位を上げた。しかし、8周目の最終コーナー手前でマスタークラスの清水康弘選手(GNSY RACING)がコースアウトしてストップ。これでSC導入となった。

 小出選手は2番手に4秒以上のリードを広げていたが、SCランによってそのマージンを吐き出すことに。11周完了でレースはリスタートとなったが、小出選手はトップを守りきって自身5回目のトップチェッカー。2位は中村選手で初表彰台を獲得。3位は野中選手。表彰台は逃したが、フレデリック選手、古谷選手、荒川選手がポイントを獲得した。

第5戦優勝は小出選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は中村仁選手(TOM’S)、3位は野中選手(TOM’S)。
第5戦の表彰式。左から2位の中村選手、1位の小出選手、3位の野中選手、マスタークラス1位の今田選手。

第6戦

 第6戦(14周)のグリッドは第4戦の決勝順に決まり、野中選手がポールポジションで、小林選手、荒川選手、フレデリック選手、小出選手、古谷選手の順。スーパーフォーミュラ決勝前の、12時38分にスタートが切られた。

 抜群のスタートだったのがフレデリック選手で、1コーナーまでに2番手へ順位を上げて、さらにトップの野中選手に迫った。これに小林選手、6番手スタートから2つポジションアップの古谷選手が続く。3番グリッドスタートの荒川選手はスタート直後の動きが鈍く5番手へ順位を下げた。

 トップの野中選手を追うフレデリック選手は、2周目の1コーナー、2コーナーとチャンスをうかがうも第1ヘアピンの進入でタイヤをロック。ここでタイヤを傷めたのか徐々に野中選手との距離は離れていった。

 このフレデリック選手に迫ったのが小林選手で、背後でチャンスを狙ったがなかなか抜くタイミングがこない。終盤には古谷選手、荒川選手も小林選手に迫り、2番手争いは4台に。11周目には最後尾スタートだった中村選手が小出選手をかわしてポイント獲得圏となる6番手へ順位を上げた。

 結果レースは野中選手の独走となり、10秒以上のリードを保ちトップチェッカーで今季2勝目。2位は最後の最後まで順位を守ったフレデリック選手でSFL初表彰台を獲得した。3位は小林選手で、4~6位は古谷選手、荒川選手、中村選手の順でポイントを獲得した。マスタークラスは今田選手がDRAGON選手を抑えて開幕3連勝を飾った。

第6戦優勝は野中選手(TOM’S)。
2位はケイレン・フレデリック選手(B-MAX RACING TEAM)、3位は小林選手(TOM’S)。
第6戦の表彰式。左から2位のフレデリック選手、1位の野中選手、3位の小林選手、マスタークラス1位の今田選手。

フォト/遠藤樹弥、吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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