コンディションの異なるSUGO大会は小出峻選手、中村仁選手、野中誠太選手が優勝

レポート レース

2024年7月1日

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)の2024年シリーズ第3大会(第7〜9戦)が、6月21〜23日にスポーツランドSUGOにおいて開催された。22日、ドライ路面の第7戦は小出峻選手(B-MAX RACING TEAM)が2勝目を挙げ、ウェット路面となった23日の第8戦は中村仁選手(TOM’S)が初優勝。続く第9戦は野中誠太選手(TOM’S)が3勝目を挙げた。マスタークラスでは今田信宏選手(JMS RACING TEAM)が1勝、DRAGON選手(TEAM DRAGON)が2勝を挙げた。

2024年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第7戦/第8戦/第9戦
開催日:2024年6月21~23日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:株式会社菅生、SSC

 今大会には6チームからマスタークラスの4台を含む12台がエントリーした。曇天ながら気温30度近い22日昼前に行われた公式予選は、まずベストタイムで争われた第7戦が小出選手のポールポジションとなり、ケイレン・フレデリック選手(B-MAX RACING TEAM)、スポット参戦の荒川麟選手(B-MAX RACING TEAM)と、トップ3をB-MAX RACING TEAMが独占した。

 そしてそこに中村選手、古谷悠河選手(TOM’S)、小林利徠斗選手(TOM’S)のTOM’S勢が続いて、荒尾創大選手(TODA RACING)を挟んで、第2大会オートポリスで2勝した野中選手は8番手に沈んだ。

 セカンドベストで争われた第8戦のグリッドは、フレデリック選手が自身初のポールポジションを獲得。そこに中村選手、荒尾選手、小出選手、小林選手、荒川選手、古谷選手、野中選手の順で続いた。

第7戦のポールポジションは小出峻選手(B-MAX RACING TEAM)、第8戦はケイレン・フレデリック選手(B-MAX RACING TEAM)が獲得。

第7戦

 26周の周回数となった第7戦は22日の15時37分、気温31度という暑さの中でスタートした。フロントローの2台はスムーズにスタートを切ったが、3番手スタートの荒川選手が出遅れ、4番グリッドの中村選手が3番手にポジションアップを果たした。さらに2周目の3コーナーで、8番手スタートから順位を上げていた野中選手が、古谷選手をかわして5番手まで順位を押し上げてくる。

 この2周目に小出選手がファステストラップを刻み、フレデリック選手との差をわずかに広げた。後方7番手を争っていた荒尾選手と小林選手のバトルは、8周目の1コーナーで小林選手がコースオフを喫することに。

 レース中盤、ペースの上がらないフレデリック選手を先頭に7台が縦一列となった。そして、15周終了のコントロールラインで中村選手がフレデリック選手に並び、1コーナーで2番手へポジションアップ。フレデリック選手はタイヤにトラブルを抱えていたようで、17周目の1コーナーでは荒川選手と野中選手にもかわされ、さらに大きく順位を落とし21周目にピットイン。左リアタイヤのトラブルでレースを終えることになった。

 トップの小出選手は後続との差を守り、2位に4.094秒差をつけて第5戦に続き今季2勝目を挙げた。2位は中村選手、3位は荒川選手で、野中選手、古谷選手、荒尾選手までがポイントを獲得した。マスタークラスは今田信宏選手(JMS RACING TEAM)が独走で開幕から4連勝を遂げた。

第7戦優勝は小出選手。(B-MAX RACING TEAM)
2位は中村仁選手(TOM’S)、3位は荒川麟選手(B-MAX RACING TEAM)。
第7戦の表彰式。左から2位の中村選手、1位の小出選手、3位の荒川選手、マスタークラス1位の今田信宏選手。

第8戦

 第8戦は、前日とは天気が大きく変わりウェットコンディションとなった。23日の9時ちょうどに、セーフティカー(SC)先導で19周のレースがスタート。当初3周完了でSCが隊列から外れる予定だったが、マスタークラスの1台が馬の背でコースオフを喫し、6周完了でバトルがスタートする。ポールスタートのフレデリック選手はトップを守って1コーナーへ。しかし3コーナーでややコースを外れた隙に中村選手がトップを奪った。

 トップに立った中村選手は後続を徐々に引き離していき、フレデリック選手、荒尾選手、小出選手による2番手争いのバトルが熾烈になっていった。16周目の馬の背で荒尾選手がバランスを崩した際に小出選手が前に出ることに成功。

 SCの先導時間が長かったこともあり、19周を予定していたレースは30分のタイムレースとなり、18周でチェッカーと短縮されることになった。そのファイナルラップの馬の背で、小出選手とフレデリック選手が接触。小出選手はコースオフ、そしてフレデリック選手はペースが鈍った。その隙を突き荒尾選手が2番手に。

 レースは、17周目にファステストラップを叩き出した中村選手がガッツポーズで初優勝を飾り、荒尾選手、フレデリック選手、小林選手、荒川選手の順でチェッカーを受けた。しかしフレデリック選手に対し、「危険なドライブ(コース外への押し出し)」ということで決勝結果に5秒が加算され、5位へ降格となった。小出選手はコースに戻ったものの8位となりノーポイントに終わった。

 マスタークラスは8周目の1コーナーでDRAGON選手が今田選手を抜き、その順位を守ってトップチェッカー。今田選手の5連勝を阻止して今季初優勝を飾った。

第8戦優勝は中村選手(TOM’S)。
2位は荒尾創大選手(TODA RACING)、3位は小林利徠斗選手(TOM’S)。
第8戦の表彰式。左から2位の荒尾選手、1位の中村選手、3位の小林選手、マスタークラス1位のDRAGON選手。

第9戦

 第9戦のグリッドは第7戦の順位で決まり、小出選手、中村選手、荒川選手、野中選手、古谷選手、荒尾選手の順でグリッドに並んだ。ウェットコンディションながらスタンディングスタートで12時37分にレースが始まった。

 ここで中村選手が出遅れ、その後方から野中選手がアウト側にマシンを振って1コーナーでトップを奪った。中村選手は5番手まで順位を落とすことになる。さらに3コーナーでは3番手に順位を上げた古谷選手がアウト側に滑り、その隙に中村選手が3番手を奪った。

 トップの野中選手に小出選手が迫り、6周目には中村選手がファステストラップをマークしてトップの2台を追っていたが、7周目に霧による視界不良のためにSCが導入されることとなった。SCランはしばらく続き、レーススタートから30分を経過した16周でチェッカー。レース後半は順位変動のないレースとなったが、これで野中選手は今季3勝目。ランキングでもトップを守った。

 マスタークラスはオープニングラップにトップを奪ったDRAGON選手がそのままの順位で2勝目を飾った。なお、延期となっていたモビリティリゾートもてぎでの第1大会(第1〜3戦)だが、12月6〜8日に同じもてぎで開催されることが発表された。

第9戦優勝は野中誠太選手(TOM’S)。
第2位は小出選手(B-MAX RACING TEAM)、第3位は中村選手(TOM’S)。
第9戦の表彰式。左から2位の小出選手、1位の野中選手、3位の中村選手、マスタークラス1位のDRAGON選手。

フォト/石原康、大野洋介 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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