富士で2勝を挙げた小出峻選手がポイントリーダーに浮上。小林利徠斗選手もSFL初優勝!

レポート レース

2024年7月29日

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)の2024年シリーズ第4大会(第10~12戦)は、7月19~21日に富士スピードウェイにおいて開催。20日朝に行われた第10戦はスタートを決めた小出峻選手(B-MAX RACING TEAM)が3勝目を挙げてポイントリーダーに立つ。20日 午後の第11戦は、小林利徠斗選手(TOM'S)がSFL初優勝をポール・トゥ・フィニッシュで飾った。そして21日第12戦は小出選手が今季4勝目を挙げた。

2024年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第10戦/第11戦/第12戦
開催日:2024年7月19~21日
開催地:富士スピードウェイ(静岡県小山町)
主催:富士スピードウェイ株式会社、FISCO-C

 今大会にも6チームからマスタークラスの4台を含む12台がエントリーした。タイトなスケジュールの都合で、予選は金曜日の19日午後、曇天のもと行われた。15時50分から第10戦の予選が10分間行われ、最後のラップで中村仁選手(TOM'S)が1分33秒030でトップを奪い、自身初のポールポジションを獲得した。これに小林選手、小出選手が続き、4番手に荒川選手。さらに古谷悠河選手(TOM'S)、ポイントリーダーの野中誠太選手(TOM’S)が続き、専有走行全体で一時トップタイムをマークしていた荒尾創大選手(TODA RACING)は7番手に沈んだ。マスタークラスでは今季からSFLに参戦する清水康弘選手(GNSY RACING)が初のクラスポールを獲得した。

 10分間のインターバルを挟み16時10分から第11戦の予選が10分間で争われた。ここでは小林選手が1分33秒055でトップとなり、オートポリスでの第4戦以来2回目のポールポジションを獲得、野中選手、中村選手と続きTOM’S勢がトップ3を占めた。これに荒尾選手、小出選手、荒川選手、古谷選手、ケイレン・フレデリック選手(B-MAX RACING TEAM)が続いた。マスタークラスではポイントリーダーの今田信宏選手(JMS RACING TEAM)がクラスポールを獲得した。

第10戦のポールポジションは中村仁選手(TOM'S)、第11戦は小林利徠斗選手(TOM'S)。

第10戦

 第10戦は20日の朝、曇りで気温25度と涼しい8時23分にスタートした。同一イベント内の決勝では最初のレースの距離が長く設定されるが、今回は2レース目の第11戦が21周と長く、この第10戦は15周となっている。次の第11戦でポールを獲得し新品タイヤでスタートしたい小林選手を除く上位陣は、このレースで新品タイヤを投入。ここでホールショットを奪ったのは2列目スタートの小出選手で、これにスポット参戦の荒川選手、古谷選手と続き、出遅れたポールスタートの中村選手は4番手、2番グリッドスタートの小林選手は6番手まで順位を下げてしまった。

 小出選手はオープニングラップで、2番手の荒川選手に1秒の差をつけ、4~8番手はダンゴ状態。小出選手は2周目にファステストラップを叩き出し徐々に後続との差を引き離して行った。そしてそのまま2番手とのギャップを5秒近くまで広げて今季3勝目。2番手争いは荒川選手と古谷選手が1秒以内の距離で争ったが、荒川選手が逃げきり2位表彰台を獲得した。4位以下は荒尾選手、中村選手、小林選手、野中選手、フレデリック選手の順でチェッカー。これで小出選手がポイントリーダーに躍り出た。

 マスタークラスは、オープニングラップ後にDRAGON選手(TEAM DRAGON)がクラストップに立ったが、6周目の1コーナーで昨年のFIA-F4インディペンデントクラスチャンピオンである藤原誠選手(TEAM DRAGON)がトップを奪い、その後は後続を引き離してクラス初優勝を飾った。DRAGON選手と今田選手の2番手争いは、10周目の1コーナーで今田選手が2番手に順位を上げたが、13コーナー出口の縁石に乗ってスピンを喫し順位を落とし、DRAGON選手が2位、清水選手が3位でゴールした。

第10戦優勝は小出峻選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は荒川麟選手(B-MAX RACING TEAM)、3位は古谷悠河選手(TOM'S)。
第10戦の表彰式。左から2位の荒川選手、1位の小出選手、3位の古谷選手、マスタークラス1位の藤原誠選手。

第11戦

 第11戦は気温30度の20日15時13分に21周レースとしてスタートした。ポールシッターでニュータイヤを履いた小林選手がスタートを決めたのに対し、フロントローの野中選手はホイールスピンを喫して出遅れ、1周で7番手にまで順位を下げてしまった。代わりに2番手に順位を上げたのは第10戦でスタートをミスした中村選手だった。3番手には荒尾選手、そして4番手には荒川選手が順位を上げ、小出選手がこの2台を追う形に。またマスタークラスの今田選手と清水選手がスタートできず、大きく遅れることとなった。

 小林選手は2周目にファステストラップを叩き出し後続を引き離しにかかったが、中村選手も1.5秒ほどの差を守り2番手を走行。そこから2秒ほどを置いて荒尾選手、荒川選手、小出選手の3台が3番手争いを続けた。レースが1/3を消化したころ、野中選手と激しい6番手争いを展開していたフレデリック選手に対しスタート手順(グリッド位置)違反という判定が出された。グリッドの枠より前からスタートしたということで、タイムペナルティ5秒が加算されることになったのだ。

 10周目の1コーナーで野中選手はフレデリック選手をかわして6番手へ。さらに4番手争いへ加わり、14周目のダンロップコーナーでアウト側から小出選手を、さらに17周目のダンロップコーナーで今度はイン側から荒川選手をパスして4番手まで順位を戻した。しかし野中選手の追い上げもここまで。小林選手は2位の中村選手に5秒の差をつけてうれしいSFL初優勝をポール・トゥ・フィニッシュで飾った。3位は荒尾選手だった。

 マスタークラスは、スタートでトップに立った藤原選手が2位のDRAGON選手に8秒近い差をつけて連勝。3位は今田選手だった。

第11戦優勝は小林選手(TOM'S)。
2位は中村選手(TOM'S)、3位は荒尾創大(TODA RACING)。
第11戦の表彰式。左から2位の中村選手、1位の小林選手、3位の荒尾選手、マスタークラス1位の藤原選手。

第12戦

 富士大会の最後のレースとなる第12戦は、前日朝に行われた第10戦の結果でグリッドが決まり、小出選手がポールポジションを得た。これに荒川選手、古谷選手、荒尾選手、中村選手、小林選手、野中選手、フレデリック選手の順でグリッドについた。8時23分に15周のレースはスタート。気温28度で蒸し暑い朝だったが、小出選手がトップを守りTGRコーナーへ。2番手争いは古谷選手が前に出たが、2周目の1コーナーで荒川選手が2番手を奪い返した。4番手争いは荒尾選手と中村選手が接触して中村選手はスピンを喫し、最後尾まで順位を落としてしまった。

 小出選手は2周目にファステストラップをマークして後続を引き離していった。レース中盤にパッシングを見せたのが7番手スタートの野中選手で、3周目までに小林選手、フレデリック選手をかわし5番手へ順位を上げると、9周目のTGRコーナーで荒尾選手、13周目のTGRコーナーで古谷選手をかわし3番手へ順位を上げた。

 トップの小出選手は後続を7秒以上引き離してこの大会2勝目、今季4勝目をマークした。野中選手は終盤2番手の荒川選手の背後まで迫ったが、荒川選手が0.361秒差で逃げ切り2位フィニッシュを果たした。4~6位は古谷選手、小林選手、荒尾選手の順でゴールした。

 マスタークラスは、クラストップを走行していた藤原選手がファイナルラップのTGRコーナー立ち上がりでまさかのスピン。これでDRAGON選手と今田選手が順位を上げ、コントロールラインでは2台が並びゴール。なんと0.001秒差でDRAGON選手がコントロールラインを通過して、今季3勝目を挙げることとなった。

第12戦優勝は小出選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は荒川選手(B-MAX RACING TEAM)、3位は野中誠太選手(TOM'S)。
第12戦の表彰式。左から2位の荒川選手、1位の小出選手、3位の野中選手、マスタークラス1位のDRAGON選手。

フォト/石原康、大野洋介 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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