全日本ジムカーナ選手権 第9戦SUGO2連戦最終日、4クラスでチャンピオンが確定!

レポート ジムカーナ

2024年9月3日

全日本ジムカーナ選手権 第9戦「SUGO ALL JAPAN GYMKHANA」が、第8戦を終えた翌日の8月18日に、第8戦と同じ宮城県村田町のスポーツランドSUGOで開催された。2日間にわたり2連戦で行われたこの第9戦には、第8戦と同じく全クラス合わせて128名がエントリーリストに名を連ねた。

2024年JAF全日本ジムカーナ選手権 第9戦「SUGO ALL JAPAN GYMKHANA」
開催日:2024年8月18日
開催地:スポーツランドSUGO 国際西コース(宮城県村田町)
主催:SRSC

 全日本ジムカーナ選手権 第9戦の前半区間は前日の第8戦と逆方向、後半区間は前日と同じ方向に設定された。特別規則書により、タイヤは第8戦で装着したタイヤを第9戦でも装着。2戦にわたるタイヤマネージメントが、勝敗に影響することとなった。

 天候は、スタート前は上空に暑い雲が覆い今にも雨が降り出しそうな天候だったが、第1ヒートがスタートすると一気に回復。高温の中であっても、クラスによっては第2ヒートでタイムアップを果たす選手も多く、各クラスで激戦が展開された。

雨に降られた前日第8戦と異なり、第9戦では天候が回復。第2ヒート時には路面温度が50度を超える過酷なコンディションとなった。
第8戦と同じ場所に3カ所のターンセクションを設定。中間区間のショートカットシケインでの脱輪やパイロンペナルティに涙を飲む選手も少なくなかった。

PN2クラス

 PN2クラスは、シリーズランキングトップのSHUN選手(マツダ・ロードスター)が、第1ヒートは脱輪ペナルティで下位に沈んだものの、第2ヒートは前半と後半の区間ともにトップタイムをマークして逆転優勝。今シーズン4勝目を挙げ、自身初となる全日本チャンピオンを優勝で確定させた。

 0.023秒差の2位には、第8戦優勝の箕輪雄介選手(マツダ・ロードスター)が入賞。トップから0.166秒差の3位には、SHUN選手とタイトルを争った小林規敏選手が入った。

PN2クラス優勝はSHUN選手(BS XPL ロードスター)。
SHUN選手は第2ヒートでトップタイムをたたき出し、第1ヒートのペナルティを挽回して優勝。競技後、2位の箕輪雄介選手から祝福を受けていた。
2位は箕輪選手(DLペトロナスXPロードスター)、3位は小林規敏選手(BS☆XPL☆EXロードスター)。
PN2クラスの表彰式。左から4位の小野圭一選手、2位の箕輪選手、1位のSHUN選手、3位の小林選手、5位の若林隼人選手、6位の中田匠選手。
最終戦を待たずに全日本初チャンピオンを確定させたSHUN選手。

PN3クラス

 PN3クラスは、「今回、第9戦の第1ヒートに合わせてタイヤをマネージメントしました」という大多和健人選手(マツダ・ロードスターRF)が、その言葉通りに第1ヒートでトップタイムをマーク。第1ヒートは大多和選手から0.477秒差の2番手タイムをマークしたユウ選手(マツダ・ロードスターRF)は、第2ヒートで0.03秒のタイムアップを果たしたものの大多和選手には届かず。大多和選手が今シーズン5勝目を獲得して、自身初となる全日本チャンピオンを確定させた。2位にユウ選手、3位には第8戦では2位だった川北忠選手(マツダ・ロードスターRF)が入賞した。

PN3クラス優勝は大多和健人選手(熊王TMW身延牧速ロードスター)。
大多和選手が第1ヒートでマークしたタイムで優勝を飾った。
2位はユウ選手(BS DRONE☆ロードスター)、3位は川北忠選手(ORC AD DLロードスター)。
PN3クラスの表彰式。左から4位の野島孝宏選手、2位のユウ選手、1位の大多和選手、3位の川北選手、5位の西野洋平選手、6位の黒水泰峻選手。
ユウ選手の猛追を振り切り、初の全日本チャンピオンを確定させた大多和選手。

BC1クラス

 BC1クラスは、前日の第8戦を制した神里義嗣選手(ホンダ・CR-X)と小武拓矢選手(スズキ・スイフトスポーツ)、第8戦2位の牧田祐輔選手(スズキ・スイフトスポーツ)が、第1ヒートで0.1秒の中に並ぶという激戦を展開するが、第2ヒートで小武選手がベストタイムを一気に更新。2021年の第2戦以来となる全日本優勝を獲得した。2位には神里選手、3位には牧田選手が入り、両者とも2戦連続の表彰台を獲得した。

 また、第8戦を終えてシリーズランキングトップの西井将宏選手(ホンダ・インテグラ)が8位に入賞し、橋本克紀選手(ホンダ・シビック)が16位に終わってシリーズポイントを加算できなかったことにより、最終戦を待たずして西井選手のBC1連覇が確定した。

BC1クラス優勝は小武拓矢選手(シンシアYH和光スイフトS+)。
小武選手はコンマ秒差での接戦を制しての優勝。
2位は神里義嗣選手(DLMotys渦RACCR-X)、3位は牧田祐輔選手(協和整美S+YHマキタスイフト)。
BC1クラスの表彰式。左から4位の清水翔太選手、2位の神里選手、1位の小武選手、3位の牧田選手、5位の志村雅紀選手(代理)、6位の山越義昌選手。
西井将宏選手が2022シーズン以来2回目となる全日本チャンピオンを確定させた。

BC2クラス

 BC2クラスは、第8戦を制した広瀬献選手が1分6秒台のタイムをたたき出し、第8戦に続き2連勝を飾った。だが、この第9戦で3位以上に入賞すれば今シーズンのタイトルが確定する若林拳人選手(ロータス・エキシージ)もしっかりと2位に入賞し、今シーズンのチャンピオンを確定させた。また、3位には地元・東北出身の若手、飯野哲平選手(マツダ・RX-7)が入った。

BC2クラス優勝は広瀬献選手(WMマロヤBS林歯科S二千亜舎)。
広瀬選手が両ヒートでクラス唯一となる1分6秒台をマークして優勝。
2位は若林拳人選手(BS若自速心コ犬ZRエキシージ)、3位は飯野哲平選手(DLクスコWMコサリRX-7F)。
BC2クラスの表彰式。左から4位の藤井雅裕選手、2位の若林拳人選手、1位の広瀬選手、3位の飯野選手、5位の渡辺公選手。
若林拳人選手が2021シーズン以来3回目となる全日本チャンピオンを確定させた。

PE1クラス

 PE1クラスは、前日の第8戦を制した山野哲也選手(アルピーヌ・A110R)が、この日も両ヒートを制する走りで今シーズン8勝目を獲得。2位は前日の第8戦と同じく大橋政哉選手(アルピーヌ・A110S)が入賞、3位には第8戦をクラス5位で終えた牧野タイソン選手(アルピーヌ・A110S)がポジションを上げ、表彰台を獲得した。

PE1クラス優勝は山野哲也選手(EXEDY71RS A110R)。
すでに今シーズンのチャンピオンを確定させた山野選手だが、第5戦スナガワからの連勝記録を伸ばすことになった。
2位は大橋政哉選手(DLμG-LFWA110S)、3位は牧野タイソン選手(DL★Rz速心A110S)。
PE1クラスの表彰式。左から4位の古田孝一選手、2位の大橋選手、1位の山野選手、3位の牧野選手。

PE2クラス

 PE2クラスは、第8戦を2位で終えた下村渉瀬手(トヨタ・GR86)が逆襲。第1ヒートはスタート直後にフェイルセーフ制御が作動し、エンジンが吹け上がらず3番手に終わるが、路面温度が上昇した第2ヒートでトップの河本晃一選手(スバル・BRZ)のタイムを0.152秒更新し、逆転優勝を飾った。

 2位に河本選手、3位には第8戦優勝の高屋隆一選手(スバル・BRZ)が入賞した。この結果、ポイントランキングは下村選手がトップに浮上。高屋選手が3点差の2位となり、最終戦は下村選手と高屋選手でタイトルを争うこととなった。

PE2クラス優勝は下村渉選手(DLαACWPリジットGR86)。
下村選手が第8戦での雪辱を果たして優勝。高屋隆一選手とのチャンピオン争いは最終戦に持ち越された。
2位は河本晃一選手(CP2オーリンズBRZ71RS)、3位は高屋選手(BSぢっぷすNT☆CP2BRZ)。
PE2クラス表彰の各選手。

PN1クラス

 PN1クラスは、第1ヒートで小林伸人選手(トヨタ・ヤリス)がトップに立つ。路面温度が50度を超えて、タイムアップが難しいと思われた第2ヒートで、第8戦を制した斉藤邦夫選手(トヨタ・ヤリス)が小林選手のタイムを更新した。

 これで勝負ありかと思われたが、第1ヒートはパイロンペナルティに終わったクラス最終走者の朝山崇選手(トヨタ・ヤリス)が、斉藤選手のタイムを0.188秒更新。第2ヒートで「逆転の朝山」の異名通り、ここ一番の勝負で本領を発揮して今シーズン5勝目を獲得した。2位に斉藤選手、3位には「第1ヒートは、これまでの成果の集大成となる走りができたと思います」という第1ヒートトップの小林選手が入賞した。

PN1クラス優勝は朝山崇選手(DLETP・BPFヤリスITO)。
逆転優勝した朝山選手は、シリーズランキングで再び単独トップとなった。
2位は斉藤邦夫選手(ネッツ群馬ジースパイス ヤリス)、3位は小林伸人選手(S+スエマツダITOヤリス)。
PN1クラスの表彰式。左から4位の矢島融選手、2位の斉藤選手、1位の朝山選手、3位の小林選手、5位の井上賢二選手、6位の中根卓也選手。

PN4クラス

 PN4クラスは、第1ヒートで勝負を決めた奥井優介選手(トヨタ・GRヤリスGRMN)が、有効ポイントで満点となる今シーズン7勝目を獲得。2位は、第1ヒートのパイロンペナルティを第2ヒートでリカバリーした津川信次選手(トヨタ・GRヤリス)が入賞。3位には、「ブレーキを見直し、以前よりもコーナーに突っ込めるようになりました」という折茂紀彦選手(トヨタ・GRヤリスGRMN)が今シーズン初表彰台を獲得した。

PN4クラス優勝は奥井優介選手(DLATSRSK茨トヨヤリス犬)。
第8戦ですでにシリーズチャンピオンを確定させている奥井選手が優勝した。
2位は津川信次選手(DL☆BRIDE☆URGヤリス)、3位は折茂紀彦選手(DL速心ATS協和商工ヤリス犬)。
PN4クラスの表彰式。左から4位の島田直樹選手、2位の津川選手、1位の奥井選手、3位の折茂選手、5位の松本敏選手。

BC3クラス

 BC3クラスは、両ヒートでベストタイムをマークした菱井将文選手(トヨタ・GRヤリス)が優勝。タイトルを争う大橋渡選手(スバル・インプレッサ)は2位となり、シリーズランキングは5点差で菱井選手がトップに復活し、タイトル決定は最終戦に持ち越された。3位には、第8戦で優勝した一色健太郎選手(トヨタ・GRヤリス)が入賞した。

BC3クラス優勝は菱井将文選手(BS・クスコGRヤリス)。
菱井選手が今シーズン4勝目を獲得した。3勝を挙げている大橋渡選手とのチャンピオン争いは最終戦へもつれ込んだ。
2位は大橋渡選手(DLプレジャーインプレッサ)、3位は一色健太郎選手(ATSWmDLRSKヤリス)。
BC3クラスの表彰式。左から4位の茅野成樹選手、2位の大橋選手、1位の菱井選手、3位の一色選手、5位の飯坂忠司選手。

フォト/CINQ、遠藤樹弥、JAFスポーツ編集部 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部

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