RALLY HOKKAIDOでJN1新井大輝選手、JN5松倉拓郎/山田真記子組のチャンピオンが確定!
2024年9月17日
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2024年JAF全日本ラリー選手権 第7戦「RALLY HOKKAIDO」が、9月6~8日に北海道十勝地方を舞台に開催された。国際格式のFIAインターナショナルラリーとの併催で開催されたRALLY HOKKAIDOは、選手権外クラスにクロスカントリー車両やSUVが出場する「2024年XCRスプリントカップ北海道 第4戦」も組み込まれ、総勢79台が出場した。
2024年FIA International Rally
2024年JAF全日本ラリー選手権 第7戦
2024年XCRスプリントカップ北海道 第4戦
「RALLY HOKKAIDO」
開催日:2023年9月6~8日
開催地:北海道帯広市、陸別町、足寄町、池田町、音更町周辺
主催:AG.MSC北海道
帯広市郊外の北愛国交流広場を拠点とするラリーは、6日の夕方に帯広駅の駅前多目的広場や平原通りでラリーショー&セレモニアルスタートが行われた。続く7日から8日にかけて、足寄町、陸別町、音更町、池田町に2日間合わせて12SS(103.54km)を設定。今大会最長となる23.49kmの林道ステージや、平均スピードが時速100kmを超えるハイスピードステージ、ターマックとグラベル林道、オフロードコースがミックスされた観戦ステージ、旧野球場に設定された特設ステージ、路面に深い轍が刻まれ、比較的距離が短いながらもこれまでに数々のドラマを生んできた林道ステージなど、それぞれ個性豊かなSSが設定された。
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JN1クラス
2023年オーストラリア・ラリー選手権チャンピオンのハリー・ベイツ/コーラル・テイラー組(トヨタ・GRヤリスラリー2)が出場したJN1クラスは、ベイツ/テイラー組がSS1でベストタイムをマーク。だが、SS2で2番手タイムをマークした新井大輝/松尾俊亮組(シュコダ・ファビアR5)が、ベイツ/テイラー組を逆転。その後、新井大輝/松尾組は、SS4でベストタイムを奪取。午後のサービスを終えたSS6とSS7で連続ベストタイムを重ね、SS4以降、ブースト圧を制御するポップオフバルブに不調を抱えたベイツ/テイラー組に51.6秒の差をつけ初日を終えた。
6.12kmの林道ステージ2本と、0.5kmの特設ステージ2本というコンパクトな設定で行われたラリー最終日は、ベイツ/テイラー組が4SS中3本のSSでベストタイムを奪い新井大輝/松尾組を追いかけるものの、初日のマージンを活かした新井大輝/松尾組がしっかりと首位の座をキープしてフィニッシュ。今季5勝目とともに、シリーズチャンピオンを争う勝田範彦/木村裕介組(トヨタ・GRヤリスラリー2)がリタイアに終わったため、新井大輝選手が2020年以来4年ぶりとなるJN1クラスのドライバー部門チャンピオンを確定させた。初めて参戦する日本のラリーを最後まで走り切ったベイツ/テイラー組は2位。3位には、SSベストは1本ながらもコンスタントに上位タイムを刻んだ奴田原文雄/東駿吾組(トヨタ・GRヤリスラリー2)が入賞した。
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JN5クラス
JN5クラスは、松倉拓郎/山田真記子組(マツダ・デミオ)が、ラリー序盤で2速ギヤを失いながらも、それを感じさせない速さで第6戦カムイに続き連勝。チャンピオンを争う大倉聡/豊田耕司組(トヨタ・GRヤリス)が2位に入賞するものの、レグ得点2点を加算した松倉選手がJN5クラスのドライバー部門で2年連続、山田選手が2012年、旧JN1クラスでの初チャンピオン以来12年ぶりとなるコ・ドライバー部門のチャンピオン獲得を確定させた。3位には九州のベテランドライバーの三苫和義選手と、コ・ドライバーの遠藤彰選手のクルー(ホンダ・フィット)が入賞した。
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JN2クラス
JN2クラスは、ランキングトップの三枝聖弥/船木一祥組(スバル・WRX STI)がSS2でクラッシュしリタイア。そして、第6戦を制してこの第7戦でもSS6まで首位の座を守っていた松岡孝典/北田稔組(トヨタ・GRカローラ)がSS6を走り終えた時点でブレーキにトラブルを抱えレグ離脱と、波乱の展開となった。その松岡/北田組とSS6まで0.1秒を争う激戦を繰り広げていた石川昌平/大倉瞳組(トヨタ・GRヤリス)がレグ1をトップで折り返す。
レグ1で後続に1分以上のマージンを築き上げた石川/大倉組は、レグ2も首位をキープしてフィニッシュ。JN2クラスでは初めての優勝を獲得した。2位には「運よくノートラブルというか、大きなトラブルもなく走り切ることができました」という堀田信/河西晴雄組(トヨタ・GRヤリス)が入賞。3位には、ラリー序盤からミッションにマイナートラブルを抱えながらも、労り続けて最後まで走り切った関根正人/松川萌子組(トヨタ・GRヤリス)が入賞した。
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JN3クラス
JN3クラスは、「第6戦のカムイから少しインターバルがあったので、サスペンションを中心にしっかりセットアップしてきました」という山本悠太/立久井和子組(トヨタ・GR86)が快走。初日の8SSすべてでベストタイムをマークし、2日目はSS10で曽根崇仁/竹原静香組(トヨタ・GR86)がベストを奪うが、車両火災により救済タイムが与えられたSS12以外では10SSでベストを重ねた山本/立久井組が今季3勝目を挙げるとともに、ポイントランキングもトップに浮上。2年連続のチャンピオン確定に王手をかけた。2位には、初日はTCでのペナルティが加算されクラス4番手だった曽根/竹原組が、2日目のSS10で一気に追い上げ入賞。「グラベルに対して、まだまだクルマもドライバーも詰め切れていない」という長﨑雅志/大矢啓太組(トヨタ・GR86)が3位に入賞した。
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JN4クラス
JN4クラスは、第6戦カムイを制した内藤学武/大高徹也組(スズキ・スイフトスポーツ)がこの第7戦でも後続を大きく引き離し快勝。最終戦ハイランドマスターズに逆転チャンピオン獲得の可能性を残した。2位には、「ラリー北海道はいつも厳しくてリタイア続きだったけど、2日目を走ることができるのは久しぶり(笑)」というベテランの小倉雅俊/平山真理組(ホンダ・シビック)が入賞。3位には高橋悟志/箕作裕子組(スズキ・スイフトスポーツ)が入賞し、シリーズランキングでは首位に浮上。9年ぶりのタイトル獲得に王手をかけた。
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JN6クラス
JN6クラスは、すでに2024年のチャンピオン獲得を確定させている天野智之/井上裕紀子組(トヨタ・アクア)が、このラリーでもライバルを寄せ付けず、今季6勝目を挙げた。2位には、タイヤやブレーキにトラブルを抱えながらも、最後まで2位のポジションを守り切った海老原孝敬/原田晃一組(ホンダ・フィット)が入賞、3位には「グラベルラリーは、第6戦のカムイを含め精神的に攻め切れず、思うように踏み切れていない」と語るベテランの中西昌人/山村浩三組(ホンダ・CR-Z)が入賞した。
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国際クラス
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2024年XCRスプリントカップ北海道第4戦 XC-1クラス/XC-2クラス/XC-3クラス
XCRの第4戦は、直列6気筒エンジンを搭載したトヨタ・ランドクルーザーを駆る惣田政樹/猿川仁組がXC-1クラス優勝。9台が出場したXC-2クラスは、2023年の大会で2位に甘んじた番場彬/梅本まどか組(トヨタ・ハイラックス)が、2位の寺川和紘選手/石川美代子選手(マツダ・CX-5)に27.8秒差をつけ優勝し、リベンジを果たした。
7台が出場したXC-3クラスは、シリーズランキングトップの塙郁夫/佐竹尚子組(トヨタ・ライズ)がSS1で突然エンジンがストップし、大きくタイムロス。このタイムロスが最後まで響き、ラリーには初出場ながらもスズキ・ジムニーでサーキットトライアルに出場するなど、ジムニー界では「サーキット最速」とも呼ばれている奈良裕/花田圭一組(スズキ・ジムニー)が優勝を飾った。
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OP-1クラス
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フォト/CINQ、遠藤樹弥、大野洋介、山口貴利 レポート/CINQ、JAFスポーツ編集部
※一部誤りがございましたので、修正を施して再公開いたしました。
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