武藤雅奈選手がOK部門で初優勝&連勝の快挙!

レポート カート

2024年9月18日

全日本カート選手権 OK部門 第7戦/第8戦が9月7~8日、静岡県小山町のオートパラダイス御殿場で開催。15歳のルーキー武藤雅奈選手が圧倒的な速さを見せ、同部門の初優勝と2連勝を獲得した。

2024年JAF全日本カート選手権 OK部門 第7戦/第8戦
2024年JAFジュニアカート選手権 ジュニア部門/ジュニアカデット部門 第7戦/第8戦(ラウンドシリーズ1)
2024 AUTOBACS GPR KARTING SERIES

開催日:2024年9月7~8日
開催地:オートパラダイス御殿場(静岡県小山町)
主催:APG、GPR

 APGことオートパラダイス御殿場は、富士スピードウェイのほど近くに位置するカートコース。晴れた日には富士山の雄大な姿がコースの向こうに姿を現す。ここで全日本カート選手権が開催されるのは2022年以来。2種類あるコースレイアウトのうち、今大会で使用されるのは全長1006mのハイスピードコースだ。

 GPR KARTING SERIESとして開催される中、APGのパドックは大きなホスピタリティテントや表彰台を兼ねたデジタルサイネージ、多数のスポンサー企業のバナーなどで飾られ、国内カートレースの最高峰にふさわしい華やかな雰囲気に包まれていた。

 OK部門は5大会/全10戦のシリーズの終盤戦に入り、チャンピオン争いもいよいよ大詰めを迎えている。エントリーは初参戦の2名を含めた28台。うち1台が出走を取り止め、レースは27台で行われることになった。中でも注目を集めたのはロニー・クインタレッリ選手。四輪レースのトップカテゴリーでベテランの域に達した今も、自らの出発点であるカートに情熱を注ぎ続けている。今回最年長の45歳でいよいよ全日本に初参戦だ。

 決勝日は快晴。昼ごろからの降雨を告げていた天気予報は外れ、サーキット上空には終日青空が広がっていた。9月に入り1週間を過ぎても、夏のままのような厳しい暑さだ。

高低差があるハイスピードなコースレイアウトのオートパラダイス御殿場。2022年10月の全日本カート選手権以来、約2年ぶりの開催となる。
タイトル争いも佳境を迎える第7戦と第8戦。ここで良い結果を残してポイントを積み重ね、最終戦へとつなげていきたいところだ。

全日本カート選手権OK部門 第7戦/第8戦

 全参加者をA/Bふたつのグループに分けてタイムトライアル形式で行われた予選は、意外な結果になった。Aグループでは暫定ランキング22番手の岸風児選手がトップタイムをマークし、全日本初レースの光山勇正選手が4番手となってスーパーポールに進出。Bグループでは暫定ランキング20番手の武藤選手がベストタイム抹消のペナルティを受けながら全車中最速の38秒034を記録してトップに立ち、ここまでノーポイントの中野駿太選手が2番手につけたのだ。

 予選の各グループ4名ずつが1周のタイムアタックを行うスーパーポールでも武藤選手の速さは際立ち、「いっぱいミスをしてこれはダメかと思った」というアタックながら最速タイムを叩き出し、第7戦のポールポジションを獲得した。0.01秒差の2番手は中野選手。3番手、4番手には三村壮太郎選手と皆木駿輔選手のベテラン勢が続いた。

タイムトライアル(予選)上位8台で争われるスーパーポールを制したのは武藤雅奈選手(YAMAHA MOTOR Formula Blue)。

 第7戦は22周。そのスタートでは中野選手がトップを奪い、ポールの武藤選手は2番手に下がった。だが、絶好調の武藤選手はすぐに中野選手のテールを捕えると、3周目にこれを抜き返した。トップに戻った武藤選手は、さっそくライバルたちを置き去りにする。2番手とのギャップは5周目には0.5秒、8周目には1秒へと拡大。

 そのリードはじわじわと、だが毎周着実に広がっていった。最終的に3秒以上のリードを築いた武藤選手は、最終ラップの最終コーナーを立ち上がると何度も右拳を振りかざしてチェッカーをくぐった。2024シリーズ6人目のウィナーの誕生だ。15歳の武藤選手は、これがOK部門のみならず全日本での初優勝。日本カート選手権では、2021年のジュニア選手権FP-Jr部門・西地域第5戦以来の勝利だった。

 同じくルーキーの16歳、中野選手は単独走行できっちりマシンをゴールへと運び2位でフィニッシュ。これまでの最上位だった19位を大幅に更新して初の表彰台に立った。33歳の三村選手は追いすがる後続を振り切り、3位獲得で第1戦以来の表彰台に登壇。序盤で7番手に後退した皆木選手が、中盤戦から順位を取り戻してグリッドどおりの4位に。5位フィニッシュの佐藤佑月樹選手に続き、岸選手が自己最上位の6位に入った。

OK部門 第7戦優勝は武藤選手(YAMAHA MOTOR Formula Blue)。
「レースウィークはあんまり安定していなかったんです」とやや伸び悩んでいた武藤選手。つけ加えてAPGのコースも自信がない状態だったそうだ。「それが今日になってから急に安定し始めて、すごく速いマシンに仕上げてもらって、それで勝てたんだと思います」と勝因を語った。「御殿場が得意になったかなって感じがします。第8戦でもライバルたちの動きに気をつけながら、スタートをちゃんと決めて勝ちたいと思います」
2位は中野駿太選手(GLEATEQ Motorsports GEN)、3位は三村壮太郎選手(AP SPEED with SOVLA)。
OK部門 第7戦の表彰式、左から2位の中野選手、1位のYAMAHA MOTOR Formula Blueのチーム代表と武藤選手、3位の三村選手。
第7戦決勝でファステストラップをマークした選手に贈られるチャンネル700賞は、37秒955を記録した武藤選手が獲得。

 第8戦は26周。第7戦のベストラップで決まるスターティンググリッドは、今回も武藤選手がポール、中野選手が2番グリッドとなった。3番グリッドは皆木選手。4番グリッドは、予選でトラブルのためまともなアタックができず、第7戦で26番グリッドから10位まで追い上げた酒井龍太郎選手だ。

 第8戦は26周の長丁場。ポールの武藤選手は、今回はしっかりポジションをキープしてスタートを切った。一方、スタート直後の激しい攻防で2~4番グリッドの中野選手、皆木選手、酒井龍太郎選手がポジションダウン。代わって5番グリッドの酒井涼選手が一気に2番手へ上がってきた。2周目、酒井仁選手が三村選手をパスして3番手に浮上する。

 仕上がり抜群のマシンに気を良くする武藤選手は、2周で早くも0.7秒のリードを築いて独走態勢に入るかと思われた。だが、ここで武藤選手に試練が降りかかる。4コーナーで発生した多重クラッシュによってニュートラリゼーションが発動。コース全域でイエローフラッグが振られ、せっかく築いた武藤選手のリードは無に帰したのだ。

 イエローフラッグは5周目に振動から静止に変わり、6周目から戦闘再開。武藤選手は無事に先頭の座をキープして再スタートを切った。勝利への壁をひとつ乗り越えた武藤選手は、今度もじわじわと後続を引き離してワンサイドゲームへと突き進んでいく。11周目に酒井涼選手と酒井仁選手のバトルで2番手が入れ替わると、武藤選手のリードはほぼ安全圏内の0.8秒に広がった。

 2番手を0.1秒弱も上回るファステストラップを記録しながら疾走を続けた武藤選手の快進撃を阻む者は、もういなかった。歓喜のガッツポーズで2連勝を達成した武藤選手は、暫定ポイントランキングも一気に6番手へ浮上だ。

 2位には酒井涼選手を引き離した酒井仁選手が入り、3度目の表彰台へ。酒井涼選手の背後には、第7戦の追い上げで酷使したタイヤにムチを入れてスタートの出遅れを挽回してきた酒井龍太郎選手が迫ったが、ここは酒井涼選手が逃げ切って3位を手に入れ、第5戦に続く兄弟同時の表彰台登壇を果たした。

OK部門 第8戦優勝は武藤選手(YAMAHA MOTOR Formula Blue)。
武藤選手が2連勝でAPG大会を制覇。「第7戦と比べて路面が急に変わって、リアがすごく滑っちゃうので、それを抑えるのが難しかったです。2連勝しましたが、まだちょっとスタートに自信を持てないというか、いいスタートができなかったので、これから改善できたらと思います」とコメント。鈴鹿は自信があって好きなコースということで「次の鈴鹿大会でも調子をだんだん上げていけたらいいと思います」と意気込みを語った。
2位は酒井仁選手(Vitec Racing)、3位は酒井涼選手(TEAM EMATY)。
OK部門 第8戦の表彰式。左から2位の酒井仁選手、1位のYAMAHA MOTOR Formula Blueのチーム代表と武藤選手、3位の酒井涼選手。
第8戦決勝でファステストラップをマークした選手に贈られるチャンネル700賞は、38秒155を記録した武藤選手が獲得。

 APG大会を終え、残すは鈴鹿サーキット南コースでの第9戦/第10戦のみ。ポイントリーダーの座は121点の酒井涼選手がキープしている。それに続くのは109点の皆木選手、105点の酒井仁選手、102点の三村選手。大会のたびにヒーローが入れ替わった2024シリーズはポイントレースも大混戦の様相を呈しており、暫定ランキングの上位9名がチャンピオンの可能性を持って鈴鹿での最終決戦に挑むこととなった。

ロニー・クインタレッリ選手がOK部門にスポット参戦!

 7月に開催された第5戦/第6戦にて、Shifterクラスにスポット参戦をした松田次生選手から、余談としてこんな話題が飛び出した。「ロニーさんは8月中旬の御殿場のGPR合同テストに参加するみたいで、そこで10番以内に入ったらレースに出ようって言ってましたよ」と。

 そして8月20~21日、APGで実施された合同テストのOK部門にはクインタレッリ選手の姿があった。初日の最初のセッションで38秒035のタイムをたたき出して3番手を獲得してみせたのだ。結果としてデイ1で6番手、デイ2は下位に沈んでしまったものの、2日間総合では11番手のタイムを刻んでいた。

 スーパーGTの現役ドライバーながらクインタレッリ選手は現在45歳。それでも血気盛んな10~20代のカーターが切磋琢磨している国内最高峰のOK部門でこの順位に食い込んだ。当初はOK部門への参戦にあたりテストで10番手以内を目標に掲げていたが、レースでも十分に通用する実力を発揮できたことで参戦への気持ちが高まったようだ。

 迎えたAPG大会、エントリーリストにはクインタレッリ選手の名前が記載され、金曜の有料走行から走り込みをしていた。普段からトレーニングの一環としてカートでの走行を採り入れているとはいえ、残暑厳しい9月に1大会2レースというハードなフォーマットをこなしたクインタレッリ選手に、OK部門参戦の感想を聞いてみた。

「全日本は今まで出たことがなかったんですけど、レースをネットで観たりしてレベルの高さは知っていて、ハードルの高いチャレンジになることは分かっていました。APGはホームコースというか、よくトレーニングで走っているコースなんで、いつも一緒になっているショップのみなさんと『やってみよう』ということになりました」

「速さ自体は練習走行までそんなに悪くなかったんで、それは予想以上だったんですが、レースが始まったら路面に対するシャシーの調整の問題もあったし、あの真ん中あたりのグリッドからスタートするとかなり激しかったです。たくさんカートレースに出ていないとそういうマネジメントは簡単じゃないですね」

「レース1はトラブルがあって本領発揮とはいかなかったけれど、いいトレーニングになりました。目的としては、若手と走って新たな刺激を受けて、スーパーGTでさらに良いパフォーマンスを発揮することだったんで、こういう高いレベルのレースで若い皆さんと一緒に走ることができて、本当に良かったと思います」

「体力は問題なかったけど、GPRのマシンやタイヤを含めて、このマシンはかなり跳ねが激しくて、アバラがギリギリでした。いつも乗っているKFやKZのマシンは、もうちょっと体に優しいです。OKはマシンが軽いので、コーナリングスピードが高い分、跳ねもけっこうあって。前日も80周くらい走ったら、アバラが限界でした」

「3日連続で(カートで)走ったのは20年ぶりかな。路面コンディションとセッティングが合ったときはトップとコンマ2秒くらいの差までいけて、速さは悪くなかったと思うけれど、レースのときの路面変化への対応はまだまだです。一発の速さは想像以上だったけれど、レースは予想外だったかな」

「僕は日本に来てから20年くらい経ってるんですけど、(プロドライバーたちは)みんなKFとかカートのトップカテゴリーで走ってきている。今回、生で(全日本のトップカテゴリーを)見てみて、速さだけじゃなくてレースの運び方もみんなすごく上手で、ここで活躍している人たちは四輪に来ても間違いなく大活躍できると思います」

 クインタレッリ選手は、第7戦ではマシントラブルのためリタイア、第8戦ではアクシデントの末のヒート失格と結果を残すことはできなかったのだが、練習走行などの各セッションでは中段に位置するタイムをマークして国内トップレベルのカートドライバーたちの間に割って入り、さすがの腕前を見せつけた。

「カートが大好きな僕としては、カートが盛り上がることはとってもうれしいことです」と笑顔で語るクインタレッリ選手。心の底からカートを愛している様子が伝わってきた。

ジュニアカート選手権ジュニア部門 第7戦/第8戦(ラウンドシリーズ1)

 同時開催のジュニアカート選手権ラウンドシリーズ1のジュニア部門には15台が出走した。18周の第7戦がスタートすると、ポールの横山輝翔選手は大きくポジションを下げ、代わってセカンドグリッドの楠本心真選手がトップに立ち、前田蒼介選手が2番手につけた。

 レースは中盤に入っても5台が一列に連なる接戦状態。そんな中、3番グリッドからのスタートで6番手に落ちた小島聖来選手が順位を上げてくる。今回がデビュー戦の女性ドライバー小島選手は13周目、いよいよ2番手に浮上。そんな背後の状況に惑わされることなく周回を続けた楠本選手は、トップのままゴールまで走り切った。第5戦からこのシリーズに参戦を始めた楠本選手は、大躍進の初優勝だ。

 その背後では、最終ラップの最終コーナーで前田選手が小島選手のインを急襲する。2台は横並びで最終コーナーを回った結果、小島選手がサイドウォールにヒット。2位は前田選手のものになり、3位には関口瞬選手が入賞。小島選手はかろうじてフィニッシュするも13位に終わった。

ジュニア部門 第7戦優勝は楠本心真選手(ERS with SACCESS)。
初優勝を遂げた楠本選手は「フロントローだったんで、これは勝てるかもしれないと思いました」と予選から手ごたえを感じていたようだ。「序盤は不安もあったんですが、ペースがないわけではなかったんで、残り2周くらいで『これはいけるな』と思っていました」と確信に変わった様子。「優勝できて非常にうれしいです」
2位は前田蒼介選手(Team REGOLITH)、3位は関口瞬選手(DragoCORSE)。
ジュニア部門 第7戦の表彰式。左から2位の前田選手、1位のERS with SACCESSのチーム代表と楠本選手、3位の関口選手。

 22周の第8戦では、2番グリッドからスタートした小島選手がポールの横山選手を序盤でかわしてトップに立ち、じわじわとリードを広げいった。しかし、殊勲の勝利をつかみ取るかに思われた小島選手は、14周目の終わりに突如ピットロードへ入りレースを終えた。無念のブレーキトラブルだった。

 その結果、独走となった横山選手は第6戦に続く2勝目を獲得。2位には7番グリッドから5ポジションアップの楠本選手が入り、大集団の接近戦を制した澤田龍征選手が3位フィニッシュを遂げた。

ジュニア部門 第8戦優勝は横山輝翔選手(PONOS HIROTEX RACING)。
シリーズ2勝目を挙げた横山選手。この日は弟の誕生日ということで、レースライブ配信のカメラに向かって優勝の報告とともに「おめでとう」と弟に祝いの言葉を述べた。いよいよタイトル争いも佳境となり、鈴鹿大会への意気込みを聞いてみると「残り2戦の鈴鹿は得意なコースなので、勝とうと思います」と力強く語った。
2位は楠本選手(ERS with SACCESS)、3位は澤田龍征選手(PONOS HIROTEX RACING)。
ジュニア部門 第8戦の表彰式。左から2位の楠本選手、1位のPONOS HIROTEX RACINGのチーム代表と横山選手、3位の澤田選手。

ジュニアカート選手権ジュニアカデット部門 第7戦/第8戦(ラウンドシリーズ1)

 20台が出走したジュニアカデット部門。第7戦では阿部瑠緯選手と飯田一仁選手が二転三転のトップ争いを繰り広げたのだが、2台は最終ラップの最終コーナーで接触。阿部選手が真っ先にゴールし、飯田選手は姿勢を乱し3番手に下がった。しかし、阿部選手にはプッシングのペナルティが下り、レースは2番手でチェッカーを受けた藤原迪永選手の3勝目で決着した。飯田選手は2位に。3位には新橋武選手が入った。

ジュニアカデット部門 第7戦優勝は藤原迪永選手(SD-STYLE)。
「自分としてはそんなにうれしくありません」と藤原選手は繰り上がり優勝にやや不満な表情を見せた。「エンジンがちょっと調子悪くて、前がどんどんと離れていってダメでした」と2番手チェカーのレースを振り返る。第8戦は「エンジンをもっと調子良くしてトップに上がりたいです」とリベンジを誓っていた。
2位は飯田一仁選手(TAKAGI PLANNING)、3位は新橋武選手(Sigma Racing)。
ジュニアカデット部門 第7戦の表彰式。左から2位の飯田選手、1位の藤原選手とSD-STYLEのチーム代表、3位の新橋選手。

 続く第8戦では、飯田選手がポールから大差のリードを築いたのだが、そこに7番グリッドから浮上してきた今村昴星選手が急接近して逆転。ここから始まった4台一丸のトップ争いを勝ち抜いた今村選手が初勝利を遂げた。2位に入ったのは4ポジションアップの林樹生選手。3位は新橋選手だった。

ジュニアカデット部門 第8戦優勝は今村昴星選手(HIGUCHI RACING TEAM)。
今村選手はうれしい初勝利を挙げ、「ここまでずっと表彰台に乗れなかったし、APGはあまり好きなコースじゃないんですけど、1位を獲れたことで自信がつきました」と笑顔を見せた。「ちゃんと考えてオーバーテイクができたんで、それが優勝できた理由だと思います。鈴鹿も優勝するので、みんな見ていてください」
2位は林樹生選手(AP SPEED with SOVLA)、3位は新橋選手(Sigma Racing)。
ジュニアカデット部門 第8戦の表彰式。左から2位の林選手、1位のHIGUCHI RACING TEAMのチーム代表と今村選手、3位の新橋選手。

Rok CUP JAPAN RokSHIFTER 第7戦/第8戦

 GPRのレースとして併催されたShifter第7戦/第8戦では、鈴木悠太選手が両レースとも独走でポール・トゥ・ウィンを飾った。鈴木選手は前大会までOK部門とのダブルエントリーを続けていたのだが、今回は必勝を期してShifterのみに参戦。その強い決意が実ったレースだった。2位には2レースとも松下信治選手が入賞。50歳の島弘光選手が熱いバトルを演じて場内を沸かせ、2戦連続で3位を獲得してみせた。

Shifter 第7戦優勝は鈴木悠太選手(brioly racing)。
「最高です! それに尽きます」とは、OK部門とのダブルエントリーを回避してShifterで勝利した鈴木選手の言葉だ。「今回はチャンピオンもかかっているんでこちらに集中することにしました。第7戦のレースはちょっとスタートが良くなかったので、スタートを見直して、ポール・トゥ・ウィンしたいです」
2位は松下信治選手(Tony Kart R.T.J.)、3位は島弘光選手(KP BUZZ)。
Shifter 第7戦の表彰式。左から2位の松下選手、1位の鈴木選手とbrioly racingのチーム代表、3位の島選手。
Shifter 第8戦優勝は鈴木選手(brioly racing)。
2連勝の鈴木選手は「もう最高です! Shifter一本に集中して、ポール・トゥ・ウィンができたんで、うれしいです」とコメント。(2番手からのプレッシャーは)もちろんあったんですけど、今まで自分がやってきた準備とか気持ちがそれに勝って、ミスもほとんどなかったですし、いいタイムで走れたんでうれしいですね」
2位は松下信治選手(Tony Kart R.T.J.)、3位は島弘光選手(KP BUZZ)。
Shifter 第8戦の表彰式。左から2位の松下選手、1位の鈴木選手とbrioly racingのチーム代表、3位の島選手。

 また今大会では、各部門のワンメイクエンジンのメーカーが開催する世界大会に派遣される日本代表ドライバーが決まり、第8戦終了後の表彰式でそのセレモニーが実施された。ジュニア部門では澤田選手がIAME WORRIERS FINAL 2024(11月4~9日/スペイン・バレンシア)の、ShifterではROK SHIFTERクラスの松下選手とMASTERクラスの島選手がROK Cup Superfinal 2024(10月15~19日/イタリア・サウスガルダ)の招待チケットを受け取った。ただし、残念ながら松下選手はスケジュールの都合で参戦を見送る模様だ。

フォト/JAPANKART、今村壮希、JAFスポーツ編集部 レポート/水谷一夫、JAFスポーツ編集部

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