最終戦までもつれ込んだ東北2WD-2クラスは武蔵真生人選手が2連覇!
2024年10月4日
第7戦終了から一夜明けた9月22日、2024年の最終戦となる、東北ダートトライアル選手権の第8戦が、前日と同じく福島県二本松市のエビスサーキット新南コーススライドパークで開催された。
2024年JAF東北ダートトライアル選手権 第8戦
2024年JMRC東北ダートトライアルシリーズ第8戦
SiF ダートトライアル 2024
開催日:2024年9月21~22日
開催地:エビスサーキット新南コース スライドパーク
主催:SiF
前日の第7戦終了時点で、全5クラス中4クラスのシリーズチャンピオンが確定し、残すは2WD-2クラスのみとなった。
コース設定は前日から大幅に変更され、「エビス新南コースを満喫できるコース」という趣旨で検討され、上段の島回りを中心に、全コーナーを存分に攻めるレイアウトとなった。
天候は、前日に続き朝から雨模様。第1ヒートの中盤から雨足はどんどん強くなり、後半クラスのコースはヘビーウェットの「川」状態。さらにヒート間の慣熟歩行時は視界もなくなるほどの豪雨となってしまう。この状況に、雨雲レーダーの予報から、第2ヒートの開始時刻を30分遅らせる措置がとられ、これが功を奏し、雨が止んだタイミングで競技がスタート。コースコンディションもかなり回復し、各クラス大幅なタイムアップでシーズン最後の戦いが繰り広げられた。
FRクラス
連勝を狙うみっちー選手と、リベンジに燃える加藤琢選手の戦いが注目されたFRクラス。しかし第1ヒート、両選手ともにフリーターン不通過の判定でミスコース。タイムを残したのは市川公司選手ただ一人という波乱の展開となった。
そして第2ヒート。今度は確実にフリーターンを決めたみっちー選手が、市川選手のタイムを大幅に上回りトップに立つ。次ゼッケンの加藤選手は、このタイムを知ることが出来ずにスタートするが、前日の結果が響いたか、上段からの下りで土手にヒット、あわや転倒というクラッシュでリタイヤとなってしまい、みっちー選手が第8戦も優勝となった。
「1本目のフリーターンは狙い過ぎました(笑)。2本目は路面のグリップも良くなってましたが、上段の同じところで2回ともラインを外してしまったことが悔やまれます」と、ミッチー選手。若干ミスはあったようだが、デモランで走った全日本ドライバー竹本幸広選手にも迫るタイムで勝利。そして「これからもライバルとして戦っていけるよう、頑張ります」と笑顔でコメントした。
一方、2連敗を喫してしまった加藤選手は「転倒しなくて良かった。今回はタイヤと路面のフィーリングが合わなくで、それをコントロールできなかったのがこういう結果(クラッシュ)になってしまいました。でも、ゴールできたとしても、勝てなかったと思います。完敗ですね」と加藤選手。
FRクラス最終戦は、レディースドライバーみっちー選手の完全勝利で幕を閉じた。
2WD-1クラス
前日の第7戦を欠場したチャンピオン工藤清美選手が最終戦に参戦。やはり、圧倒的な速さを見せつけての優勝となった。
「フリーターンの向きは、立ち上がりのラインを重視して決めました」と、1回目のフリーターンはほとんどの選手が左ターンを選択するなか、工藤選手は右ターンを選択。「エビスはあまり慣れてないのですが、今回のコースは所々キツいシケインがあって、そういったところを攻め過ぎてしまうとタイムが出ないんじゃないかな」と分析。貫禄の今季7勝目を上げた。
また、シリーズ2番手以下の順位の変動もあり、前日欠場して4番手に落ちた高田正栄選手は今回3位のポイントでシリーズ3番手に返り咲き、早坂多門選手は5番手から4番手へポジションアップとなった。
2WD-2クラス
最終戦までタイトル争いが持ち越された2WD-2クラス。ポイントリーダー武蔵真生人選手と古川雄貴選手の対決となった同クラスの第1ヒート。トップタイムを刻んだのは越川善正選手で、古川選手が2番手、武蔵選手が3番手となる。この順位のままいくと古川選手と武蔵選手は同ポイントとなり、優勝回数が多い古川選手のチャンピオンとなるが、勝負は第2ヒート。
第1ヒートで7番手の中山祐太郎選手が1分49秒台を叩き出しトップに躍り出ると、後続ゼッケンは中山選手のタイムを更新することができず競技が進行。武蔵選手も中山選手には及ばなかったが暫定2番手タイムでゴール。そして次ゼッケン古川選手の出走となる。中山選手に届かなくても第1ヒートと同じ順位まで返り咲けばタイトル獲得となるものの、タイムは大きく遅れて6番手。この結果、優勝は中山選手となり、シリーズチャンピオンは武蔵選手が確定となった。
優勝の中山選手は「タイヤの選択に悩んでいたのですが、クラブ員の勧めで88Rが良いとのことで急遽交換したら、自分の乗り方に合ってたようで、クルマも思ったように動いてくれて良い結果が出せました」と、勝因を語った中山選手は地区戦初優勝。
そしてシリーズチャンピオンが確定となった武蔵選手は「昨日も今日も、自分と古川選手の間に入って援護射撃をしてくれる選手がいてくれたので、運が良かったという感じですね。走りは決して悪くなかったと思いますが、優勝ができなかったので(笑)、タイヤの選択などはこれから色々と検証していきたいと思います」と、チャンピオン争いを振り返った武蔵選手は、昨年に続き2連覇を達成。
惜しくもチャンピオンを逃してしまった古川選手。「精神的にキツかったですね。天候が雨というのも、ウェットの経験が少なく、どう走ったら良いのか悩みました。今年は全日本も出場したのですが、緊張してしまって、全く自分の走りができなかったので、これから経験を積んで、チャンピオン争いや大きな試合でも、力が出せるように頑張ります」と語った古川選手は24歳の大学院生。今後の活躍に期待したい。
4WD-1クラス
前日の第7戦で今季初優勝を果たした林健一選手が第1ヒートをトップで折り返した4WD-1クラス。2連勝を狙いたいところだが、第2ヒートでトップタイムを刻んだのは増村淳選手。「この2日間、タイヤ選択をはじめ、新南コースのウェットの走らせ方を色々試しましたが、課題がたくさん見つかったので、参加して良かったです」と、収穫を得た増村選手が逆転優勝。2位は林選手、前日チャンピオンを決めた伊藤久選手は3位となった。
4WD-2クラス
4WD-2クラスは第1ヒート、トップタイムを刻んだのは前日に続いて四戸岳也選手。今日こそは勝ちたいところだが、続く第2ヒート。クラスファーストゼッケンの善方広太選手がトップタイムを更新し、競技は第2ヒート勝負となる。
その後クラス中盤の大泉剛選手がトップタイムを更新。そして後半ゼッケンの四戸選手の出走となるが、四戸選手は痛恨のタイムダウンを喫してしまいトップ奪回ならず。大泉選手がトップを保持してラスト3へと進行するが、ここで柿本拓自選手がベストタイムを更新してトップが入れ替わる。
そしてラス前、遠藤誠選手は中間計測で柿本選手に約0.7秒、さらに後半区間でも0.4秒ほど遅れて2番手タイム。ラストゼッケン、第1ヒートは2番手に着けていた金田一聡選手だが、中盤でミスをしてしまい大幅なタイムダウンとなり、柿本選手が最終戦で今季初優勝を飾った。
「昨日(第7戦)が全然ダメだったので、今日もあまり気がのらなかったのですが(笑)。タイヤも昨日でだいぶ減って、今日もダメかなと思ってたのですが、砂利がちょうど良い感じになったのか分からないのですが、結果的にタイムが出たという感じですね」と柿本選手。2位の遠藤選手は「今シーズンは噛み合ないことが多くて、なかなか上位にいけなかったのですが、(会場に来ていた)大西選手にアドバイスを頂き、気持ちよく走れました」とコメント。そして3位の大泉選手は表彰式で「20年ぶりのメダルです」と笑顔でコメントを残した。
クローズドクラス
クローズドクラス1は、第7戦1位の進藤意織選手が第1ヒートでトップタイムを刻むも、第2ヒートは転倒リタイヤとなってしまい、菅生大介選手が大幅なタイムアップを果たして勝利。
クローズドクラス2は、今回は第1ヒートで久保勝選手がトップで折り返すが、第2ヒートで菊田真弥選手が逆転し、2連勝となった。
フォト/友田宏之 レポート/友田宏之、JAFスポーツ編集部



