白熱の地方選手権 新潟シリーズは菅原伸選手が負けなしで3連勝!

レポート カート

2024年10月23日

地方カート選手権の中で唯一のFP-3部門で争われる新潟シリーズは、新潟県胎内市のスピードパーク新潟を舞台に、昨年から開催されて2年目を迎えた。シリーズも折り返しとなる第4戦が10月13日に行われ、開幕から2連勝を挙げている菅原伸選手が3勝目を手にした。

2024年JAF地方カート選手権 新潟シリーズ 第4戦
(2024 2&4 SPN SERIES Rd.4内)

開催日:2024年10月13日
開催地:スピードパーク新潟(新潟県胎内市)
主催:SPN

 10月中旬は清秋の候とは言ったものだが、朝晩は季節相応の涼しさを感じるものの、日中はまだ残暑と言っても過言ではない陽気が顔を覗かせている。10月13日、地方カート選手権の新潟シリーズが開催されたスピードパーク新潟(SPN)も例に漏れず、Tシャツ1枚でも十分過ごせる汗ばむ気温となり、絶好のレース日和に恵まれた。

 地方選手権と同時開催されるSPNシリーズは、大会名に“2&4”と銘打っているように、ミニバイクを中心とした「ライディングスポーツカップ」と、レーシングカートの「SLカートミーティング」と「SPNカートシリーズ」で構成されており、それぞれレースが行われる。当日は二輪が8クラス53台、四輪が4クラス37台と、大賑わいを見せていた。

スピードパーク新潟の2&4 SPNシリーズは、二輪のミニバイクと四輪のレーシングカートのレースが同日に行われるユニークな大会だ。

地方カート選手権 新潟シリーズ 第4戦

 2024年の新潟シリーズは全4戦だが、7月21日に予定されていた第2戦が11月3日に延期となったことで、今回の第4戦は実質3戦目にあたる。昨年のチャンピオンである小林留魁選手がレギュラー参戦する中、もてぎカートレースのYAMAHAスーパーSSクラスに参戦している菅原選手がここまで2勝を挙げ、ポイントリーダーとしてシリーズを牽引している状況だ。

 9時34分から始まったタイムトライアルでは、その菅原選手と小林選手が早々から好調な滑り出しを見せ、ベストラップを刻んで他選手を突き放していく。ともに52.6秒台のタイムながら、菅原選手が0.009秒差をつけて小林選手を従えていた。

 続く予選では小林選手が奮起。ポールスタートの菅原選手を1周目で捕えてトップに立ち、つかず離れずで周回をこなしていく。6周目でピタリ背後に迫られると7周目で菅原選手にオーバーテイクを許してしまったが、小林選手は冷静に抜き返して再びトップを奪取。結果、菅原選手に0.144秒差をつけてポールポジションを獲得した。

 迎えた決勝、好スタートを決めた小林選手は順調にトップを快走。一方の菅原選手は序盤で激しい2番手争いに巻き込まれる苦しい展開となった。小林選手がペース良く逃げの体制を採り始め、車列は徐々に縦長になっていく。そんな中、トップに迫ってきたのは菅原選手で、5周目に小林選手に少しずつ詰め寄ると、7周目にテールを捕え、8周目でついに逆転に成功。

 その後は菅原選手の独壇場で、以降は小林選手の猛追を許さず先頭のまま15周を走り切ってトップチェッカー。これでシリーズ3連勝となり、タイトル争いを優位に進めた。2位はフロントフェアリングの脱落により5秒加算されたが、小林選手が獲得。そして8秒以上の差をつけられたものの青木諒太選手が3位入賞を果たした。

FP-3部門優勝は菅原伸選手(HRT with TEAM 蓮)。
「若い選手とか高い頻度で練習していると思うので、逆に練習できない自分としてはできることを発揮するだけでした」と日々、体力づくりとイメトレをしながら臨んだという菅原選手。序盤の展開について「冷静にコンマ1ずつ縮めて、後半で巻き返せるように頑張りました」と振り返り、苦しい状況を打破して勝利した。「お世話になっているHRTのチーム代表のおかげです」と感謝の言葉で締めた。
2位は小林留魁選手(アルビレックス-ユース開志国際)、3位は青木諒太選手(Sons of Rio racing team)。
FP-3部門表彰の各選手。

MZ200スプリント

 小気味良い独特なサウンドを響かせながら疾走する、4サイクルエンジンを搭載したMZ200クラスには10台がエントリー。序盤から激しいバトルが各所で繰り広げられ、ポールの平野達雄選手が2周目でまさかのスピン。波乱展開のレースの中、3番手スタートの横内充秀選手がその混乱を巧みに避けながらトップを奪い、その後はペースを上げてトップチェッカー。2番手には賞典外参加のXX選手が入り、2位は神田和徳選手、3位は遠藤雅昭選手となった。

MZ200スプリント優勝は横内充秀選手(胎内☆星を見る会R)。
ここまでシリーズ4連勝の横内選手は「タイム自体良くなかったので、今日のレースはできすぎです」と謙遜しながら笑顔を見せた。「レース中、背後でXX選手に張りつかれていたところはキツかったですね。抜かれたら仕方ないと思っていましたが、最後の周だけしっかり締めました」と語っていた。
2位は神田和徳選手(ショアカートクラブ)、3位は遠藤雅昭選手(アルキレックスRTwith星の宮音楽ホール)。
MZ200スプリント表彰の各選手。

SLカートミーティング YAMAHA SS/YAMAHA スーパーSS

 YAMAHA SSとYAMAHA スーパーSSは混走でのレースとなった。タイムトライアル、予選、決勝と、すべてのセッションでトップの座を譲らずパーフェクトウィンを達成したのはYAMAHA SSの髙井翼選手で、圧倒的な速さを見せつけた。遅れること4.6秒差での2位は齋藤瑠哉選手で、FP-3部門とダブルエントリーの小林選手がYAMAHA SSの3位を獲得している。

 YAMAHA スーパーSSはオーバーオール3位となった泉田茂和選手が、最終ラップで見事な大逆転を果たして今シーズン初優勝。それまでトップ集団でレースを引っ張っていた田中豊選手は悔しい2位となった。そして3位には坂井和彦選手が入賞している。

YAMAHA SS優勝は髙井翼選手(HMC-racing)。
「自分の力だけではなく、いろんな方に支えてもらえているおかげで上位争いができています」とは髙井選手のコメント。中盤までは齋藤選手とのタイム差を気にしつつ、自分の走りを維持してチェッカーまで走り抜けることを意識していたそうだ。「最終戦も勝ってチャンピオンを獲りたいなと思います」と意気込みを語った。
2位は齋藤瑠哉選手(SuperRacingJunkie!)、3位は小林選手(アルビレックス-ユース開志国際)。
YAMAHA SS表彰の各選手。
YAMAHA スーパーSS優勝は泉田茂和選手(プティ レーシング)。
「今日までずっと不運続きだったんです。たまにはラッキーが起きてくれないと困ると思っていたら……」と運を味方につけての勝利だったと泉田選手。「最終ラップで田中選手を抜くことだけを狙っていました」と、長年一緒にレースをやっている仲間のクセをしっかり読み切って逆転、念願の優勝を手にした。
2位は田中豊選手(チーム ハマツ)、3位は坂井和彦選手(プティ レーシング)。
YAMAHA スーパーSS表彰の各選手。

フォト/今村壮希、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部

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