ST-XクラスはCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3が2勝目、ST-Zクラスでは埼玉GB GR Supra GT4が連覇達成

レポート レース JAFWIM

2024年11月6日

岡山国際サーキットで10月25~27日に開催されたスーパー耐久シリーズ第6戦「スーパー耐久レース in 岡山」は、ふたつのグループに分かれてそれぞれ3時間のレースが行われ、各クラスの随所で接戦が繰り広げられた。

ENEOS スーパー耐久シリーズ 2024 Empowered by BRIDGESTONE 第6戦「スーパー耐久レース in 岡山」
開催日:2024年10月25~27日
開催地:岡山国際サーキット(岡山県美作市)
主催:株式会社岡山国際サーキット、AC

グループ2・ST-3クラス

 8時33分、気温18度、路面温度22度の曇りのコンディションでスタートしたグループ2。ST-3クラス(全4台)は、岡部自動車Z34(前島秀司/長島正明/銘苅翼/元嶋成弥組)の前島選手が序盤からトップを守り、ピットインのタイミングでレクサスに一旦リードを許したものの、昨年開幕戦鈴鹿ラウンド以来の優勝を遂げた。

ST-3クラス優勝は#15 OKABEJIDOSHA motorsportの岡部自動車Z34(前島秀司/長島正明/銘苅翼/元嶋成弥組)。
2位は#38 TRACYSPORTS with DELTAのTRACYSPORTS with DELTA RC350 TWS、3位は#39 TRACYSPORTS with DELTAのエアバスター WINMAX RC350 TWS。
ST-3クラス表彰の各選手。

グループ2・ST-4クラス

 ST-4クラス(全7台)は、odula TONE MOTUL ROADSTER RF(猪俣京介/徳升広平/大野尊久/伊藤裕仁組)が初優勝。ND型ロードスターはST-4クラス参戦2年目にして初優勝となる。トヨタ・GR86に対して排気量で400cc少ないものの、軽量な点を活かしての勝利だった。

 2位争いは終盤残り10分でエアバスターWINMAX GR86 EXEDY(石井宏尚/冨林勇佑/尾崎俊介組)の冨林選手と、ENDLESS GR86(坂裕之/菅波冬悟/小河諒組)の菅波選手との間で繰り広げられた。菅波選手に追いついた冨林選手が何度も仕掛け、接触をしながらバトルを演じたが、冨林選手が2位、菅波選手が3位でゴール。この結果、ランキング同ポイントだったエアバスターWINMAX GR86 EXEDYが、点差を広げてポイントリーダーとして最終戦に臨むこととなった。

ST-4クラス優勝は#66 OVER DRIVEのodula TONE MOTUL ROADSTER RF(猪股京介/徳升広平/大野尊久/伊藤裕仁組)。
2位は#41 TRACY SPORTS with DELTAのエアバスターWINMAX GR86 EXEDY、3位は#3 ENDLESS SPORTSのENDLESS GR86。
ST-4クラス表彰の各選手。

グループ2・ST-5クラス

 S耐の最激戦区であるST-5クラス(全14台)は、こちらも残り10分近くになって村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/岡本大地/有岡綾平/吉田綜一郎組)の岡本選手と、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(本多永一/箕輪卓也/織田祥平組)の箕輪選手による超接近バトルが演じられたが、村上モータースMAZDAロードスターが0.344秒差で逃げ切って今季3勝目を挙げ、ポイントリーダーに立った。

ST-5クラス優勝は#88 村上モータースの村上モータースMAZDAロードスター(村上博幸/岡本大地/有岡綾平/吉田綜一郎組)。
2位は#120 倶楽部 MAZDA SPIRIT RACINGのMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER、3位は#27 メイプル広島レーシングチームのメイプル広島レーシングMAZDAロードスター。
ST-5クラス表彰の各選手。

グループ1・ST-Xクラス

 グループ1は気温22度、路面温度28度という曇りのコンディションで13時33分にスタートした。ST-Xクラス(全6台)でグループ総合のポールシッターであるCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3(チェン・ディーン/太田格之進/オジェイダ・ジェイデン組)は、Aドライバーにジェントルマンドライバー資格のないドライバーを起用したことでドライブスルーのペナルティを受け、オープニングラップを終えてピットイン。ペナルティをを消化したことでクラス最後尾(6番手)にドロップすることとなった。

 しかしそこから追い上げてオジェイダ選手からチェン選手へつなぎ、レース折り返し点の手前でそれまでトップだったDENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀組)がドライバー交代を済ませた直後の1コーナーでトップを奪回。降り出した弱い雨の中でもスリックタイヤのままで走り続け、最後は太田選手がしっかりトップを守り今季2勝目を挙げた。2位は中升 ROOKIE AMG GT3(鵜飼龍太/ジュリアーノ・アレジ/蒲生尚弥組)、3位はDENSO LEXUS RC F GT3だった。

 この結果、Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3は、今回4位でポイントリーダーを守ったTKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴組)に13点差に迫るランキング2番手へ浮上した。

ST-Xクラス優勝は#33 Craft-Bamboo RacingのCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3(チェン・ディーン/太田格之進/オジェイダ・ジェイデン組)。
2位は#1 中升 ROOKIE Racingの中升 ROOKIE AMG GT3、3位は#31 aprのDENSO LEXUS RC F GT3。
ST-Xクラス表彰の各選手。

グループ1・ST-Zクラス

 ST-Zクラス(全11台)は、70kgのウェイトハンデを搭載する埼玉GB GR Supra GT4(山﨑学/吉田広樹/服部尚貴/野中誠太組)がポールポジションを獲得。しかし決勝では軽量なTECHNO FIRST R8 LMS GT4(加納政樹/平安山良馬/安田裕信/大草りき組)が序盤にトップを奪取。中盤にはHitotsuyama Mercedes AMG GT4(山脇大輔/ショーン・ウォーキンショー/ジェームス・ブル/川端伸太朗組)がトップに立ったが、終盤にTECHNO FIRST R8 LMS GT4が再逆転して今季初優勝を挙げた。

 戴冠を確定させた埼玉GB GR Supra GT4だったが、最終盤に3番手のREVISION AMG GT4(徳藤一真/たしろじゅん/永田郷組)を追い詰めて表彰台を狙った。残り2分を切った104周目の1コーナーでREVISION AMG GT4はオルタネーターのベルトが切れ、ステアリングが取られてコースオフ。その隙に埼玉GB GR Supra GT4が3番手へ順位を上げてチェッカーを受けた。

 しかし再車検の結果、暫定2位のHitotsuyama Mercedes AMG GT4が車両規定違反で失格となり、埼玉GB GR Supra GT4は2位へ、NANIWA DENSO TEAM IMPUL Z(田中優暉/大木一輝/平峰一貴組)も3位へ順位が繰り上がった。

ST-Zクラス優勝は#34 TECHNO FIRSTのTECHNO FIRST R8 LMS GT4(加納政樹/平安山良馬/安田裕信/大草りき組)。
2位は#52 埼玉Green Braveの埼玉 GB GR Supra GT4、3位は#20 TEAM IMPULのNANIWA DENSO TEAM IMPUL Z。
ST-Zクラスの表彰式。左から暫定2位の#21 Hitotsuyama Racingは失格、1位の#34 TECHNO FIRST、暫定3位の#52 埼玉Green Braveが2位。また3位は#20 TEAM IMPULが繰り上がった。

グループ1・ST-TCRクラス

 全4台で争われたST-TCRクラスは、HYUNDAI ELANTRA N TCRがHYUNDAI(CHOI JEONG WEON/加藤正将組)として初参戦し、3位でゴールした。元々100リッターの燃料タンクを搭載しており、クイックチャージャー(給油口)への交換だけでS耐へコンバートできたという。優勝はRacer ホンダカーズ桶川 CIVIC(遠藤光博/中野信治/辻本始温組)で、オートポリス以来の2勝目を飾った。

ST-TCRクラス優勝は#97 M&K RacingのRacer ホンダカーズ桶川 CIVIC(遠藤光博/中野信治/辻本始温組)。
2位は#98 M&K RacingのRacer ホンダカーズ桶川 CIVIC、3位は#24 KMSA MOTORSPORT NのHYUNDAI。
ST-TCRクラス表彰の各選手。

グループ1・ST-1クラス

 ST-1クラス(全1台)はシンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹組)が完走で6連勝を飾った。

ST-1クラス優勝は#2 Ksフロンティア KTMカーズのシンティアム アップル KTM(井田太陽/加藤寛規/高橋一穂/吉本大樹組)。

グループ1・ST-2クラス

 ST-2クラス(全8台)は残り9分となった終盤97周目の2コーナーからモスSにかけて、新菱オートDXL夢住まい館EVO10(冨枡朋広/菊地靖/大橋正澄組)が、KTMS GR YARIS(一條拳吾/奥本隼士/小林利徠斗組)をかわして逆転。昨年第3戦SUGOラウンド以来の優勝を果たした。

ST-2クラス優勝は#6 シンリョウレーシングチームの新菱オートDXL夢住まい館EVO10(冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組)。
2位は#225 KTMSのKTMS GR YARIS、3位は#743 Honda R&D ChallengeのHonda R&D Challenge FL5。
ST-2クラス表彰の各選手。

ST-Qクラス

 またST-Qクラス(各グループ2台の全4台)は、各車とも細かいバージョンアップを施しての参戦となり、ORC ROOKIE GR Yaris DAT concept(MORIZO/豊田大輔/佐々木雅弘/小倉康宏組)、Honda CIVIC TYPE R CNF-R(大津弘樹/佐藤蓮組)、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept(川田浩史/堤優威/阪口良平組)、SUBARU HighPerformanceX Future Concept(伊藤和広/山内英輝/井口卓人/花沢雅史組)が完走を果たした。

グループ1は#32 ORC ROOKIE RacingのORC ROOKIE GR Yaris DAT concept(MORIZO/豊田大輔/佐々木雅弘/小倉康宏組)がクラストップチェッカー。
グループ2は#12 MAZDA SPIRIT RACINGのMAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept(川田浩史/堤優威/阪口良平組)がクラストップチェッカー。

フォト/吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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