SFL鈴鹿は野中誠太選手が3レース中2勝で今季5勝目、タイトル争いは最終ラウンドもてぎへ

レポート レース

2024年11月18日

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)の2024年シリーズ第6大会(第16~18戦)は、第5大会の岡山から約2か月のインターバルを置いた11月8~10日、鈴鹿サーキットにおいて開催。9日午後に行われた第16戦は野中誠太選手(TOM’S)が僅差で逃げ切り、ポール・トゥ・ウィンの4勝目を挙げた。10日朝の第17戦は混乱のレースとなり、小林利徠斗選手(TOM’S)が2勝目。そして第18戦では野中選手が今季5勝目を挙げた。この結果、タイトル争いは11月30日~12月1日の最終ラウンド(延期となっている第1大会)もてぎへ持ち越しとなった。

2024年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第16戦/第17戦/第18戦
開催日:2024年11月8~10日
開催地:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
主催:NRC、SMSC、ホンダモビリティランド株式会社

 今大会は7チームからマスタークラスの4台を含む12台がエントリー。9日の午前中に第16戦と第17戦の公式予選が10分のインターバルを挟んで10分間ずつ行われた。

 第16戦の予選では、野中選手が2番手の荒尾創大選手(TODA RACING)を0.062秒という僅差で上回り、SFL初のポールポジションを獲得。3番手以下は中村仁選手(TOM’S)、ポイントリーダーの小出峻選手(B-MAX RACING TEAM)、小林選手、ケイレン・フレデリック選手(B-MAX RACING TEAM)と続いた。古谷悠河選手(TOM’S)は走路外走行でベストタイムが抹消となり最後尾スタート。マスタークラスは清水康弘選手(GNSY RACING)が獲得した。

 第17戦の予選では僅差大激戦のアタック合戦となり、0.155秒差に6台がひしめき合う結果となった。ポールを奪ったのは中村選手で2回目。わずか0.02秒差の2番手に小出選手、さらにそこから0.025秒差で野中選手、続いて小林選手、荒尾選手、古谷選手となった。マスタークラスは3戦連続で清水選手が獲得した。

第16戦のポールポジションは野中誠太選手(TOM’S)、第17戦は中村仁選手(TOM’S)。

第16戦

 鈴鹿大会の中で最も長い17周で争われる第16戦は、晴れ/ドライの9日12時38分にスタートが切られた。野中選手はトップを守り、荒尾選手もこれに続いたが、1コーナーで3番手に順位を上げたのは5番手スタートの小林選手。そして中村選手、フレデリック選手、小出選手の順でオープニングラップを戻ってきた。2周目に野中選手がファステストラップを叩き出し、2番手以下を引き離しにかかった。

 序盤は小林選手と中村選手による3番手争い、フレデリック選手と小出選手を最後尾から追い上げてきた古谷選手による5番手争いが熾烈になった。中盤に入ると2番手の荒尾選手がトップの野中選手を追い上げ、その差は1秒を切るほどに。終盤も荒尾選手が野中選手に迫るが、0.411秒差で野中選手が逃げ切り今季4勝目を挙げた。

 3位は小林選手で、4位以下は中村選手、フレデリック選手、小出選手、古谷選手という結果だった。マスタークラスはスタートでDRAGON選手(TEAM DRAGON)が前に出るも、清水選手が2周目にトップを奪い返して初優勝となった。

第16戦優勝は野中選手(TOM'S)。
2位は荒尾創大選手(TODA RACING)、3位は小林利徠斗選手(TOM'S)。
第16戦の表彰式。左から2位の荒尾選手、1位の野中選手、3位の小林選手、マスタークラス1位の清水康弘選手(GNSY RACING)。

第17戦

 10日朝は曇天。12周で争われる第17戦は8時24分にスタートした。フロントローの2台が出遅れる中、セカンドローの野中選手がトップ、小林選手が2番手へポジションアップ。そして中村選手、小出選手、古谷選手、荒尾選手と続いた。野中選手は2周目にファステストラップを刻むが、5周目に反則スタートを取られ、レース結果に10秒加算されることとなった。

 5周目に古谷選手が小出選手をかわすとTOM’S勢が上位4番手までを占めることになった。5番手は小出選手と荒尾選手の間で争われたが、終盤11周目の1コーナーで荒尾選手が前に出た。野中選手はトップチェッカーを受けたが、レース後に10秒を加算され4位へ。優勝は小林選手で今季2勝目。中村選手、古谷選手も続きTOM’S勢が表彰台を独占した。マスタークラスは4周目にトップを奪った今田信宏選手(JMS RACING TEAM)が久々の今季5勝目を飾った。

第17戦優勝は小林選手(TOM’S)。
2位は中村選手(TOM’S)、3位は古谷悠河選手(TOM'S)。
第17戦の表彰式。左から2位の中村選手、1位の小林選手、3位の古谷選手、マスタークラス1位の今田信宏選手(JMS RACING TEAM)。

第18戦

 12周で争われる第18戦は10日12時29分にスタート。第16戦で優勝した野中選手がポールポジションからトップを守って1コーナーに。これを荒尾選手がしっかりマークしてオーバーテイクのチャンスをうかがった。しかし野中選手は3周目にファステストラップをマークして引き離しにかかる。それでも荒尾選手は野中選手から引き離されることなく、この2台で3番手以下を引き離していった。

 その3番手は中村選手、フレデリック選手、小林選手の3台による争いとなったが、フレデリック選手には反則スタートによりレース結果に5秒加算とされてしまった。レース終盤、野中選手は荒尾選手を徐々に引き離し今季5勝目。2位は荒尾選手、3位は中村選手で、小林選手が4位、そして小出選手は5位。この結果、ポイントリーダーの小出選手と2位の野中選手の差は29ポイント差から一気に9ポイント差に縮まり、タイトル争いの決着は最終ラウンドへ持ち越しとなった。

 なお、チャンピオン獲得の権利があるのは、小出選手(85ポイント)、野中選手(76ポイント)、小林選手(62ポイント)、中村選手(62ポイント)の4名。最終ラウンドの3レースで最大32ポイントが獲得できるだけに、小出選手と野中選手のどちらがタイトルを奪うのか、小林選手や中村選手が大逆転を果たすのか、もてぎラウンドには注目が集まる週末となる。

 マスタークラスは4台によるバトルが演じられ、終盤に藤原選手(TEAM DRAGON)が今田選手をかわしてトップチェッカーを受けたが、反則スタートにより結果に5秒加算で4位へ。今田選手の連勝となった。こちらもタイトルは確定せず最終ラウンドに持ち越しとなった。

第18戦優勝は野中選手(TOM'S)。
2位は荒尾選手(TODA RACING)、3位は中村選手(TOM’S)。
第18戦表彰式。左から2位の荒尾選手、1位の野中選手、3位の中村選手、マスタークラス1位の今田選手。

フォト/吉見幸夫 レポート/皆越和也、JAFスポーツ編集部

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