2024シーズンの近畿モータースポーツ表彰式が古都・京都を舞台に賑やかに開催!

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2025年1月28日

2023シーズンまでは大阪府内の会場で開催されてきた「JAF近畿地方選手権 JMRC近畿シリーズ モータースポーツ表彰式」。2024シーズンの同式典の会場は隣の古都、京都府に移された。京都市に建つ「京都市勧業館みやこめっせ」が新たな舞台に選ばれ、2024シーズンの激戦を戦い抜いた、近畿モータースポーツ各シリーズの上位入賞者たちが参集した。

JAF近畿地方選手権 JMRC近畿シリーズ2024モータースポーツ表彰式
開催日:2025年1月19日
開催地:京都市勧業館みやこめっせ(京都府京都市)
主催:JAF関西本部、JMRC近畿

 新会場のみやこめっせは京都市の東、岡崎公園を挟んで平安神宮の西に建つ。複数の展示室を持ち、京都伝統産業ミュージアムと日図デザイン博物館も併設する。表彰式のようなイベントや展示会、会議や個展など幅広いニーズに対応できる、京都を代表するMICE施設、と謳っている。

 式典の会場は地下1階の第1展示場。A-FLOORにて表彰式が開催され、式典が終了すると出席者たちは隣のB-FLOORに移動。ビュッフェ形式で料理もふるまわれた、「JAF近畿地方選手権 JMRC近畿シリーズ2024モータースポーツ懇親会」が開かれた。

「JAF近畿地方選手権 JMRC近畿シリーズ2024モータースポーツ表彰式」は、京都府京都市に建つ「京都市勧業館みやこめっせ」を新たな会場に開催された。みやこめっせは大小さまざまな規模の催しに対応できるイベントホールで、式典当日もフリーマーケットをはじめ、複数のイベントが開催されていた。

 先立って行われた表彰式はJAF本部モータースポーツ部の村田浩一部長に代わり、大野光一モータースポーツ振興・業務推進プロジェクトチームマネージャーによる代読、JMRC近畿の梅津祐実運営委員長による主催者挨拶によって始まった。

 賞典はレース、カート、ダートトライアル、ラリー、ジムカーナの順で、ダートラとラリー、ジムカーナはJAF地方選手権の後にJMRCシリーズの授与が行われた。

 JAFツーリングカー選手権ロードスター・パーティレースIIIジャパンツアーシリーズとJAFジュニアカート選手権は大野マネージャー、JAF近畿ジムカーナ選手権とJAF近畿ダートトライアル選手権はJAF関西本部の池田義則事務局長が賞典を授与するプレゼンターを務めた。JMRC近畿シリーズ ダートトライアル部門はJMRC近畿の田岡一浩ダートトライアル部会長が、JMRC近畿シリーズ ラリー部門はJMRC近畿の船越潤ラリー部会長、JMRC近畿シリーズ ジムカーナ部門はJMRC近畿の吉川寛志ジムカーナ部会長がプレゼンターを務め、各クラスの受賞者たちに賞典が手渡された。

主催者挨拶ではJAF本部モータースポーツ部モータースポーツ振興・業務推進プロジェクトチームの大野光一マネージャーが登壇。村田浩一モータースポーツ部長に代わって祝辞を代読した。
大野マネージャーに続き、JMRC近畿の梅津祐実運営委員長が登壇。近畿モータースポーツの2024シーズンを盛り上げた受賞者のみなさまの健闘を称えて、受賞を祝った。
新たな舞台となったみやこめっせでも2023シーズンの表彰式と同じく、受賞者たちは会場中央に設けられたランウェイを歩み、壇上に向かった。そして、受賞者たちは賞典を受け取った喜びや2024シーズンの振り返り、新たなシーズンの抱負なども述べた。
司会は2023シーズンからひき続き、木嶋弘子氏が表彰式から懇親会まで大役を務めた。2024シーズンの式典でも変わらず、スムーズに進行をリードした。

 全シリーズの受賞者の活躍が讃えられて表彰式が閉会すると、参加者たちは一旦退場。暫し準備のための間がおかれて隣の会場に移動し、懇親会が行われた。前回復活した、立食ビュッフェ形式は今回も継続。参加者たちはテーブルに並べられた色とりどりの料理を吟味し、味わいながら交流を深めていた。

 日頃は機会が少ない、異なるカテゴリーの選手同士による“異文化交流”も見られて盛り上がる中、梅津運営委員長が再び登壇して一本締めを行い、2024シーズンの近畿モータースポーツを締めくくった。受賞者たちは3月頭から続々と開幕を迎える2025シーズンでの活躍を期して、家路へと向かった。

表彰式から会場を移して行われた懇親会は、JAF関西本部の池田義則事務局長が受賞した選手たちを称える開会の挨拶からスタートした。
レースをはじめとした競技会場でダンロップのウェアに身を包み、同ブランドのタイヤユーザーをサポートしている、住友ゴム工業株式会社モータースポーツ部モータースポーツ企画グループの白石貴司氏が来賓として登壇し、祝辞を述べた。
JMRC近畿の円実司副運営委員長が壇上に上がり、乾杯の音頭をとると、会場の中央に用意されていた料理が“解禁”された。全国有数の清酒の産地である京都市で定められている、清酒の普及の促進に関する条例により、日本酒での乾杯となった。
厳かな雰囲気の中行われた表彰式から一転、懇親会は箸が進む料理もふるまわれ、和やかな雰囲気に包まれた。シーズン中はライバルであったり、異なるカテゴリーで戦う選手たちが闊達に交流していた。
懇親会の中頃ではラリー、そしてジムカーナとダートトライアル各クラスのチャンピオンたちが表彰式に続き一言を発する、マイクリレーが行われた。
梅津運営委員長による一本締めで懇親会が閉会するともに、近畿モータースポーツの2024シーズンが締めくくられた。

2024年JAFツーリングカー選手権
ロードスター・パーティレースIIIジャパンツアーシリーズ

パーティレースIIIジャパンツアーシリーズは左から、5位の勝木崇文選手と6位の三宅陽大選手が表彰された。

2024年JAFジュニアカート選手権

ジュニアカート選手権は左から、ジュニア部門ラウンドシリーズ1で3位の横山輝翔選手、ラウンドシリーズ2で2位の中野貴介選手、ジュニアカデット部門ラウンドシリーズ1で4位の島津舞央選手が表彰された。ジュニア部門ラウンドシリーズ1チャンピオンの前田蒼介選手と5位の中西凛音選手、ラウンドシリーズ2チャンピオンの元田心絆選手、ジュニアカデット部門ラウンドシリーズ5位の飯田一仁選手は欠席。

2024年JAF近畿ダートトライアル選手権

AE・PNクラスは左から、チャンピオンの坂田智選手と2位の眞砂徳亮選手、6位の平原祐一郎選手が表彰を受けた。3位の入谷有星選手と4位の原真司選手、5位の岩田直也選手は欠席。
RWDクラスは左から、チャンピオンの山口順平選手、2位の杉田聡選手、3位の前田蔵人選手、5位のイデブロック選手、6位の松岡剛志選手が表彰された。
Nクラスは左から、チャンピオンの清水孝憲選手、2位の藤嶋義孝選手、3位の木村剛士選手、4位の山本浩司選手、5位の成田正喜選手、6位の福田貴一選手が表彰された。
S1クラスは左から、チャンピオンの倉持陣之介選手と2位の宮西怜選手が表彰を受けた。3位の執行信児選手と4位の一宮悠人選手、5位の今村太亮選手と6位の瀧岡琉選手は欠席。
S2クラスは左から、チャンピオンの藤本隆選手、5位の久保川裕行選手と6位の上土井康朗選手が表彰された。2位の松原実選手と3位の寺岡知展選手、4位の三浦陸選手は欠席。
Dクラスは左から、チャンピオンの金井宏文選手、2位の絹川雅之選手、3位の山口幸男選手、4位の小川浩幸選手、5位の山平実選手が表彰を受けた。

2024 JMRC近畿シリーズ ダートトライアル部門
チャンピオンシリーズ

AE・PNクラスで表彰された、左からチャンピオンの坂田選手と2位の眞砂選手、6位の平原選手。3位の入谷選手と4位の原選手、5位の岩田選手は欠席。
RWDクラスで表彰された、左からチャンピオンの杉田選手、2位の松岡選手、3位の千賀達也選手、5位の仲村柊太選手。4位の福田剛選手と6位の須川裕三選手は欠席。
Nクラスの表彰を受けたのは、左からチャンピオンの清水選手と2位の藤嶋選手、3位の木村選手。
S1クラスで表彰された、チャンピオンの倉持選手と2位の宮西選手。3位の執行選手と4位の一宮選手、5位の今村選手と6位の瀧岡選手は欠席。
S2クラスで表彰された、左からチャンピオンの藤本選手と4位の久保川選手、5位の上土井選手と6位の石田佑輝選手。2位の松原選手と3位の寺岡選手は欠席。
Dクラスで表彰を受けた、左からチャンピオンの金井選手と2位の絹川選手。

2024 JMRC近畿シリーズ ダートトライアル部門
ジュニアシリーズ

JPN1+クラスは左から、チャンピオンの島田正樹選手と2位の加藤輝選手が表彰を受けた。3位の近藤大介選手は欠席。
J1クラスは左から、チャンピオンの本田柊太選手、2位の北井悠樹選手、3位の塩道永悟選手、4位の香林祥隆選手、5位の川合朝陽選手が表彰された。
J2クラスは左から、チャンピオンの星住祐弥選手と2位の近藤俊之選手、3位の田中均選手が表彰を受けた。

2024 JMRC近畿シリーズ ラリー部門
SSラリーシリーズ

DE-1クラスのドライバーは、チャンピオンの八瀬誠選手が表彰を受けた。コ・ドライバーチャンピオンの廣嶋真選手は欠席。
DE-2クラスは左から、ドライバー2位の大西史朗選手とコ・ドライバーチャンピオンの谷内壽隆選手が表彰された。ドライバーチャンピオンの松村智選手と3位の中野敬太選手、コ・ドライバー2位の森井庸貴選手は欠席。
DE-5クラスは左から、ドライバー2位の窪﨑智選手とチャンピオンの中澤康介選手、コ・ドライバーチャンピオンの馬瀬耕平選手と2位の伊東圭洋選手、3位の吉村昂大選手が表彰された。
DE-6クラスはチャンピオンの田中裕二/仲野篤組が表彰を受けた。

2024 JMRC近畿シリーズ ラリー部門
アベレージラリーシリーズ

左から、ドライバー2位の谷内選手と3位の長谷川秀夫選手、コ・ドライバー2位の大田一彦選手と3位の吉廣雅人選手が表彰を受けた(上)。チャンピオンの松浦秀勝/小川博史組は公共交通機関の遅延により到着が遅れてしまったが、賞典を受け取ることができた(下)。

2024年JAF近畿ジムカーナ選手権

2PDクラスは左から、チャンピオンの段上泰之選手と3位の浜本清治選手、5位の大川裕選手が表彰された。2位のMOTOHIRO選手と4位の日置尚宏選手、6位の樋口智哉選手は欠席。
BR1クラスは左から、チャンピオンの土手啓二朗選手、2位のよこ山弘之選手、3位の大倉拓真選手、4位の太田雅喜選手、5位の川那辺学選手、6位の福尾成泰選手が表彰された。
BR2クラスは左から、チャンピオンの寺谷正樹選手と2位の稲上佳彦選手、4位の松村直人選手が表彰を受けた。3位の土井祥司選手、5位の古川雅崇選手と6位の道下貴広選手は欠席。
BR3クラスは左から、チャンピオンの間瀬戸勇樹選手と2位の朝原崇選手が表彰を受けた。3位の中村寛選手、4位の焼野悠太選手、5位の石垣宏仁選手、6位の松川周平選手は欠席。
BR4クラスは左から、2位の出口森雄選手と3位の日野良一選手、6位の鈴木敏之選手が表彰された。チャンピオンの大田健太郎選手、4位の北村健選手と5位の福本真隆選手は欠席。
Lクラスは左から、チャンピオンのかつこ選手、3位の武田ともこ選手、5位のみさき選手、6位の田中佳代子選手が表彰された。2位の辰巳知佳選手と4位の砂田光恵選手は欠席。
PN1クラスは左から、チャンピオンの古田公保選手、2位の山村一真選手、3位の山本祐己選手、4位の川西努選手が表彰を受けた。5位の上地秀樹選手と6位の神野洋吏選手は欠席。
PN2クラスは左から、チャンピオンの本山正悟選手と2位の白尾泰選手、4位の赤沢雄太選手と5位の江副弘和選手が表彰された。3位の鎌尾邦彦選手と6位の田北一賀選手は欠席。
PN3クラスは左から、チャンピオンの胸元貴大選手と2位の江島英哉選手、3位の菱田真也選手が表彰を受けた。4位の立花克俊選手は欠席。
PN4クラスは左から、チャンピオンの杉本季優選手、4位の亀山伸一選手と5位の山形敏明選手が表彰された。2位の小玉知司選手と3位の高木健司選手、6位の暮部雄一郎選手は欠席。
SBKクラスはチャンピオンの藤林仲吉選手が表彰を受けた。2位の大原秀樹選手と3位の中島圭吾選手、4位の三木田良行選手は欠席。
BC1クラスは左から、チャンピオンの中山務選手と2位の野田太一選手、4位の山本貴嗣選手と5位の岡田春海選手が表彰された。3位の中嶋敏博選手と6位の喜多治人選手は欠席。
BC2クラスは左から、チャンピオンの岩崎玲生選手と4位の抱博高選手が表彰を受けた。2位の仲健太郎選手と3位の宮里佳明選手、5位の青田敏選手と6位の佐藤英也選手は欠席。
BC3クラスは左から、チャンピオンの石田忠義選手、5位の西川佳廣選手と6位の森橋和也選手が表彰された。2位の岡本尚志選手、3位の辰巳浩之選手、4位の米田順一選手は欠席。

2024 JMRC近畿シリーズ ジムカーナ部門
チャンピオンシリーズ

2PDクラスはチャンピオンの段上選手が表彰された。2位のMOTOHIRO選手は欠席。
BR1クラスで表彰された、左からチャンピオンの土手選手、2位のよこ山選手、3位の大倉選手、4位の太田雅喜選手、5位の川那辺選手。
BR2クラスで表彰された、左からチャンピオンの寺谷選手と2位の稲上選手。
BR3クラスで表彰された、左からチャンピオンの間瀬戸選手と2位の朝原選手。
BR4クラスで表彰された、左から2位の出口選手と3位の日野選手。チャンピオンの大田選手は欠席。
Lクラスで表彰された、左からチャンピオンのかつこ選手と3位の武田選手。2位の辰巳知佳選手は欠席。
PN1クラスで表彰された、左からチャンピオンの吉田選手、2位の山村選手、3位の山本祐己選手、4位の川西選手。5位の上地選手と6位の神野選手は欠席。
PN2クラスで表彰された、左からチャンピオンの本山選手と2位の白尾選手、4位の赤沢選手と5位の江副選手。3位の鎌尾選手は欠席。
PN3クラスで表彰された、左からチャンピオンの胸元選手と2位の江島選手。
PN4クラスは、チャンピオンの杉本選手が表彰された。2位の小玉選手は欠席。
SBKクラスは、チャンピオンの藤林選手が表彰された。
BC1クラスで表彰された、左からチャンピオンの中山選手と2位の野田選手、4位の山本貴嗣選手と5位の岡田選手。3位の中嶋選手は欠席。
BC2クラスはチャンピオンの岩崎選手が表彰された。2位の仲選手と3位の宮里選手は欠席。
BC3クラスはチャンピオンの石田忠義選手が表彰された。2位の岡本選手と3位の辰巳浩之選手、4位の米田選手は欠席。

2024 JMRC近畿シリーズ ジムカーナ部門
ミドルシリーズ

2PDクラスは左から、チャンピオンの谷英幸選手と2位の三矢悠暉選手が表彰を受けた。3位の松永隆一選手は欠席。
BR1クラスはチャンピオンの平野泰秀選手と3位の大髙直郁選手が表彰を受けた。2位の竹本駿佑選手、4位の岩井雅勝選手、5位の船引比呂志選手は欠席。
BR2クラスは左から、チャンピオンの中崎良哉選手、2位の川合選手、3位の赤松正之選手、4位の長澤宏行選手が表彰された。
BR3クラスは左から、チャンピオンの前田光彦選手、3位の池野谷響選手と4位の河井弘明選手が表彰された。2位の矢野圭佑選手は欠席。
BR4クラスは左から、チャンピオンの冬野紘彰選手と2位の村田寛選手、3位の高嶋宏明選手が表彰を受けた。
PN2クラスは左から、チャンピオンの本家智久選手、2位の仲真一選手、3位のみさき選手が表彰された。4位の三崎康選手と5位の坂本英彦選手は欠席。

2024年JAF近畿地方選手権「初」チャンピオンインタビュー

2024年JAF近畿ダートトライアル選手権Nクラス 清水孝憲選手
「今まで1位になることもあったんですけど競り負けて、なかなかシリーズで真ん中に立てなかったですね」と、初の地方選手権チャンピオンまでの道のりを振り返った清水選手。「社会人になって、上司にダートラ場に連れていってもらって“スゴい世界があるものだなぁ”って知って(ダイハツ・)ストーリアを買って」と語るダートトライアルのキャリアは四半世紀を数えたところで、念願のチャンピオンに輝いた。「ずっとストーリアに乗っていたんですけどひっくり返して。そこから(ダイハツ・)ブーンに乗り換えて3年目くらい。ストーリアはピョンピョン跳ねるような動きをするところがあって、勝とうとするとなかなか際どいアグレッシブな走りをしなくてはいけなかったんですけど、ブーンは車両が安定しているので気持ち楽に走れるのかな」と乗り継いできた2車種の違いを語った。「難しかったけど、ブーンに慣れてきたのも大きいです」と、ブーンとの“人車一体”が進んだことを王座を獲った要因に挙げたが、「どこまでいったらアカンのか、っていう限界がまだ分かってないですね。ブーンも無くなってから10年経って、部品もそろそろ減っているので、大事に乗っていかなくてはいけないのですが、そんな気をつけていたら勝てないし、痛しかゆしですけどね」と、“旧車”故の難しさも明かした。近畿ダートラのNクラスは2025シーズン、S1クラスに統合される。排気量制限が無い2WDや、改造範囲が広いSA車両やSC車両もライバルに加わるが、「強豪が揃ってますが、四駆の有利な点を活かしていきたいです。雨が降ったらこっちのモンだな、と思ってます」と、王者としてブーンとともに挑む新たな挑戦に向けて、意気込みを語った。
2024年JAF近畿ダートトライアル選手権S1クラス 倉持陣之介選手
京都大学体育会自動車部の部員である倉持選手。表彰式当日はなんと、卒論締切の前日。懇親会もそこそこに、卒論に取り組まねばならなかった。晴れて締切1時間前に卒論も提出、就職先もチャンピオンも決まり喜びもひとしおのところに、お話を伺った。自動車部に入ろうと、入学前から決めていたそうだが「クルマが好きだからなんですけど、とにかくクルマを運転できるんだろうって浅い考えで入ったんですけど、競技をする部活だと思っていなくて。入ったら(競技)やるもんだ、って。最初はびっくりしました」とのこと。「ジムカーナもカッコいいんですけど、迫力があるから」と、ダートトライアルへの参戦を決めたそうだ。「ダートラを始めるなら出ろって感じです。必死に走った記憶があります」と、参戦した2021シーズンのJMRC近畿ダートラ ジュニアシリーズのJ1500クラスで2位を獲得し、競技会でビューを飾ると、2022シーズンは今も乗る三菱・ミラージュに乗り換えてJ1クラスで3勝を挙げてチャンピオンを獲得し、地区戦に上がった。車載動画を撮り、先輩のアドバイスを仰いだことも、走りの向上に活きたそうだ。2024シーズンは「コーナー抜ける時、クルマがどういう姿勢なのか考えて、(走りを)組み立てました」と、慣熟歩行に力を入れたそうだ。また、「直線からのブレーキが甘かったんです。ずっと課題だったんですけど、昨シーズン(2024シーズン)の途中にもっと制動距離を短くできたんです」と長年の課題も乗り越え、「慣熟歩行の精度も上がってきていて、イメージどおりの走りができるようになってきました」と、6戦中4勝、全戦でトップ3に入る安定した成績で戴冠を果たした。就職により新たな人生のステージとなる中部でも「出るからには勝つつもりで」と、ダートラを続ける意向だそうだ。
2024年JAF近畿ジムカーナ選手権Lクラス かつこ選手
ホンダ・インテグラやトヨタ86を駆り、JAF全日本ジムカーナ選手権や各地の地区戦で活躍しているかつこ選手は、女性スラローマーを代表するドライバーのひとりだ。JMRCシリーズのチャンピオン獲得経験はあるのだが、意外にもJAF地方選手権のチャンピオンは初戴冠。愛車の86よりハイパワーの4WDターボ車両とも戦うLクラスで、5勝を挙げての満点チャンピオンについて、「自分でもびっくりしていますが、成長できたのかな、と思います。それだけの練習はしてきたんで。もうめちゃめちゃしました。確かめたかったんです、自分が速くなったのか。それが証明できて良かったです」と喜んだ。走りへの取り組みについても、「今までやってきたことを思い出す、土曜日にビデオとかをしっかり見て、イメージをたてて(日曜日に)行きましたね」と、限られた走行時間を最大限に生かす取り組みは欠かさなかったそうだ。愛車についても「しっかり壊れない状態に毎回しました。今の状態で勝てたら、次も同じ状態で走れるように、オーバーホールとかオイル交換とか、絶対妥協しませんでした」と、万全の状態を維持していた、とのことだ。「モータースポーツはメンタルスポーツ、っていうだけあって、スタートついた時は“あれやってこれやって、あれやればいいんだ”と、落ち着いていたんですよ」と、練習や準備の成果は確実に実戦で発揮されていたようだ。2025シーズンのかつこ選手は、JAF中部ジムカーナ選手権に挑む、とのこと。「旧型86のクラス(PN4クラス)があるんですね。そこに出て勝って、“86日本一じゃね?”って言われたい(笑)。それを目指します」と、意気込みを語ってくれた。「器用ではないので、ひとつのクルマに長~く乗って手足のように走るタイプなんで、それを極めます!」
2024年JAF近畿ジムカーナ選手権PN2クラス 本山正悟選手
「親父がもともとFF乗りだったんです」と語る二世ドライバーでもある本山正悟選手は、その影響でFF車両のトヨタ・ヴィッツを駆ってジムカーナデビュー。JMRC近畿ジムカーナ ミドルシリーズから地区戦へとステップアップしていく中で「もっとFF(の運転が)上手くなりたいな、と思っていて、ヴィッツに足りないパワーがもっと欲しいな、というのがあって」とZC33S型スズキ・スイフトスポーツを新たな愛車に、クラスもPN2に転向した。初めは「ギア比がかなり特殊なんです。ブレーキもクセがあったりして」と、ヴィッツとの違いに苦労することもあったそうだ。2024シーズンは「ようやくPN車としては一応完成して、セッティングも詰めていって夏ぐらいに完成、自分も“33”に慣れてきた、というのもあって結果もついてきました」と、2勝を含む7戦中4戦でトップ2に入る好成績を残し、初の地区戦チャンピオンを掴んだ。JAFカップでは悔しい結果に終わったが、「地区戦だと余裕を残して走れるところもあるんですけど、リスクの減らし方をもっともっと詰めていかなくてはいけないと思ったんです。リスクを詰めてもっと攻める、でも失敗しない、走りの精度の部分で、もっと成長しないといけないです」と発見があったそうで、「ジムカーナって失敗しない競技だと思うんです。まだまだ足りてない部分があると思うんで、そこを詰めていかなくてはいけません」と前を向いた。2連覇を目指しながら全日本へのスポット参戦、更には他地区への武者修行も考えている、と計画を語ってくれた2025シーズンも、本山選手のFF車両のドライビングは、ますます磨かれていくであろう。
2024年JAF近畿ジムカーナ選手権PN3クラス 胸元貴大選手
「23歳の4月に今の車両(ZC6型スバルBRZ)を購入して、ゴールデンウィークに今、所属しているチーム(TEAM RAIMU)の走行会に参加して、ジムカーナ始めました」と、語ってくれた胸元選手。2021シーズンにJMRC近畿ジムカーナ ミドルシリーズでPN2クラスのチャンピオンを獲得して地区戦にステップアップ、「優勝して当たり前くらい、連勝するつもりで」挑んだ3季目にして戴冠を果たした。「常に自分がイチバン乗りやすいクルマを目指して更新、更新して、やっと“コレ”っていうのが見えてきたんで」という転機があったそうだ。「2023年の西日本フェスティバルで2位になれたんです。“こういう方向で良いんだ”ってなって。今年(2024シーズン)のアタマくらいにある程度セットを決めて、“コレだったら速いはずだから、このクルマに合わせてあとは運転するだけ”というつもりで、自分さえ失敗しなければタイムは出る、って確信はあったんで、自身を持って走れました」と明かした。「自分がイチバン失敗するのはミスコースなので。ジムカーナは当日(コースを)覚えないといけないっていうのが、自分にとってハードルが高いところなんです。ちょっとでもコースに不安があるとタイムが出ないんで、朝どれだけコースを覚えられるか、ここで勝負が決まるくらいなんです」と、慣熟歩行に力を入れた結果はミスコース無し。王座を手繰り寄せるポイントのひとつとなった。2025シーズンは転機となった西フェスで戦った、中部地区への挑戦を検討しているそうだ。「新しいステージになるので覚えるのはまた課題なんですけど新しいメンバーと、台数多いんで切羽詰まった戦いになると思うんで、楽しみです」と、新たな挑戦に期待を膨らませていた。
2024年JAF中部ジムカーナ選手権PN5クラス
2024年JAF近畿ジムカーナ選手権PN4クラス 杉本季優選手

「近畿の場合、(チャンピオンを)期待していなかったんですよ」と、語る杉本選手。「それまで(ランキング)トップだった方が3位以下で僕が優勝したら獲れるっていう前提で、たまたまそのとおりになってものすごく驚いているんです」と、最終第6戦での勝利で、大逆転を果たした。2024シーズン前に課題だったターンを集中的に練習し、小さく回れるようになったそうだが、第1戦は360°ターンでパイロンペナルティを喫したそうだ。それ以降“パイロンペナルティ無しで走り切る”ことを第一の目標にしていた、とのこと。「2023年も開幕戦でパイロンタッチをしてしまい、その後も続いたことがあったんです」という反省から課題として取り組んだ結果が、2勝を挙げたJAF中部ジムカーナ選手権PN5クラスとのダブルチャンピオンという、素晴らしい成果として実ったのであろう。「色々なコースを走る、というのがとても楽しく思えて」と、始めた中部と近畿へのW参戦。2025シーズンは近畿でクラスが変わり、杉本選手が駆るPN車両のGRヤリスはB車両とも戦うことになるが、「出られるだけ出ようと、頑張れるだけ頑張ります」と、中部を中心に参戦継続の意向だ。「ジムカーナってほら、ターンでタイムを稼げるというか、反対に落としやすい競技なんで、そこのミスが無くなればかなりタイムアップできるので」と、そのターンを磨いて戴冠を果たした杉本選手。しかし、「全日本の人が地区戦の時とかデモランするんです。タイムを比較すると、秒で離されるんです。動画で見たら、(自分の)遅いところが明確にあるんで。まだ全然届いていないところが分かってるんで、ソコに挑戦していきたいですね」と、59歳になる杉本選手の走りは更に進化していきそうだ。

フォト/今村壮希、遠藤樹弥 レポート/JAFスポーツ編集部

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