日本プロスポーツ大賞授与式が都内で開催。坪井翔選手や岩佐歩夢選手、勝田照夫氏、増岡浩氏が各賞を受賞
2025年2月4日
第54回 日本プロスポーツ大賞の授与式典とスポーツ功労者顕彰の顕彰式典が1月29日に東京都千代田区で開催され、今年もモータースポーツ界から受賞者が選出された。
「第54回 内閣総理大臣杯日本プロスポーツ大賞」/
文部科学省「スポーツ功労者顕彰」授与式典
■開催日:2025年1月29日
■開催地:ホテルニューオータニ(東京都千代田区)
■主催:公益財団法人日本プロスポーツ協会
日本のプロスポーツ界の健全な発展と振興に寄与するために開催される「日本プロスポーツ大賞」。その第54回授与式が2025年1月に東京都内のホテルで開催された。
2022年にはレーシングドライバーの野尻智紀選手が敢闘賞を受賞、翌23年にもレーシングドライバーの宮田莉朋選手が同賞を受賞するなど、ここ数年はモータースポーツ界からの選出が定例となってきた。
今回は、2024シーズンの国内トップカテゴリーであるスーパーフォーミュラとスーパーGTの両シリーズでダブルタイトルを獲得した坪井翔選手が敢闘賞を受賞した。また、スーパーフォーミュラでルーキーイヤーながら総合5位と大健闘した岩佐歩夢選手には新人賞が授与された。
坪井選手は「テレビで見ている人たちがいっぱいいて、その中に自分もいるということでモチベーションを上げられたこともあり、いい賞を頂けたなと思っています」としたうえで、「今シーズンは、スーパーフォーミュラとスーパーGTともに昨シーズンと変わらない体制で参戦することができます。レースのルールに大きな変更がなければ、昨シーズンのパフォーマンスを引き続き出せるのかなと思っています」と語ってくれた。
また坪井選手は、「スーパーフォーミュラのタイトルは獲れましたけど、勝ったのは富士のみだったので、他のサーキットでも勝ちたい。タイトルはたまたまだったと言われないように、今年も勝ちにこだわってチャンピオンを狙いに行きます。スーパーGTに関しては史上初の3連覇がかかっていて、最初で最後のチャンスだと思うので、こちらもしっかり獲りに行きます」と今シーズンの目標を表明し、「歴史に名を刻めるようなシーズンにしたいと思っています。そしてまたここに、今度は大賞で呼んでもらえるようにモータースポーツを盛り上げていきたいです」と結んだ。
一方の岩佐選手は、「スーパーフォーミュラ参戦2年目なので、優勝とチャンピオン獲得を目標にします。リベンジにはなりますけれど、とにかくチャレンジする一年にしたいですし、F1に向けてもチャンスはあると思っているので、自分ができることを全力で取り組んでいきます」と、さらなる飛躍を誓った。そして、「今回の受賞者は各界で活躍されている著名人の方ばかりですので、そうした方々と同じステージに立てて凄く光栄です。ファンや日ごろから支援していただいている方々に喜びを伝えたいです」とした。
式典では、文部科学省による「スポーツ功労者顕彰」の顕彰式も同催された。スポーツ功労者顕彰は、日本のスポーツ振興に関して特に功績が顕著なスポーツ関係者・団体が顕彰される。
四輪モータースポーツ界からは、かつてラリードライバーとして活躍し現在はモンテカルロオートスポーツクラブの代表を務める勝田照夫代表と、かつてパリ・ダカールラリーに参戦し現在はチーム三菱ラリーアートの総監督を務める増岡浩総監督が顕彰された。
スポーツ功労者顕彰は6名が選出されたが、その代表として勝田照夫代表が謝辞を述べた。その中で、名誉ある顕彰をしていただけたことに感謝するとともに、家族やチーム、競技関係者など多くの協力があってこその受彰だったこと、これからもモータースポーツで社会貢献に寄与し、JAFを中心とするモータースポーツ振興に全力で取り組んでいきたいと述べられた。顕彰された理由を尋ねると、「モータースポーツと自治体や地域との連携を実現させてきたことが評価されたのではないか」とし、「今も愛知県蒲郡市をモナコと結んでモータースポーツで発展させられないか模索している」とのことだった。
三菱自動車の理事も務める増岡総監督は、会社や関係者に感謝を述べるとともに「選手から監督まで40年ずっとモータースポーツに関わってきました。ラリーでの経験を活かし、環境対応や交通安全など社会貢献にも取り組んでいます。また、選手を育てながら、市販車のテストドライバーに運転を教えています。テストドライバーの能力以上の車は開発できないのですが、彼らをさらに成長させることでより良いクルマ作りにつなげていきたいです」と、今後の抱負を述べられた。
なお、今回の日本プロスポーツ大賞には、パリオリンピックで金メダルを獲得したやり投げの北口榛花選手が選出された。授与式典では石破茂首相が登壇し、北口選手に内閣総理大臣杯を授与した。
フォト/大野洋介 レポート/JAFスポーツ編集部