野村勇斗選手がSFL変則4レース開催の大会ですべてポール・トゥ・ウィン

レポート レース

2025年9月5日

2025年スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)の第4大会は、8月29~31日にスポーツランドSUGOにおいて第2大会(オートポリス)で延期になっていた第6戦を組み込んだ4レースが行われた。土曜日に行われた第10戦では野村勇斗選手(B-MAX RACING TEAM)がポール・トゥ・ウィンでポイントリーダーに立った。同日の第11戦と日曜日に行われた第12戦でも野村選手がポールから優勝。さらに第6戦でも野村選手が完勝して、この大会の4戦すべてでポール・トゥ・ウィンとして7連勝を飾った。

2025年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第10戦/第11戦/第12戦/第6戦
開催日:2025年8月29~31日
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県村田町)
主催:株式会社菅生、SRSC

予選

 今大会は3デイ開催で、金曜日に第10戦と第11戦の公式予選が行われた。なお、第12戦のグリッドは第10戦のレース結果で、第6戦のグリッドは第11戦のレース結果でそれぞれ決まる。エントリーしたのは、6チームからマスタークラスの3台を含む13台。

 第10戦の予選は、曇り/ドライというコンディションの14時から10分間で行われ、野村選手がコースレコードを更新する1分12秒568をマークして、4戦連続今季5回目のポールポジションを獲得。ザック・デビッド選手(B-MAX RACING TEAM)、野村選手とシリーズを争っている佐野雄城選手(TOM’S)、ケイレン・フレデリック選手(B-MAX RACING TEAM)、小林利徠斗選手(TOM’S)、エステバン・マッソン選手(TOM’S)の順で続いた。マスタークラスでは今田信宏選手(JMS RACING TEAM)がポールを獲得した。

 10分間のインターバルを挟んで行われた第11戦の予選でも、野村選手がコースレコードを更新する1分12秒554でポールポジションを獲得。佐野選手、ザック・デビッド選手(B-MAX RACING TEAM)、マッソン選手、フレデリック選手、古谷悠河選手(TOM’S)が続き、マスタークラスでは清水康弘選手(GNSY RACING)がポールを獲得した。

第10戦、第11戦ともポールポジションは野村勇斗選手(B-MAX RACING TEAM)。

第10戦

 4連戦の初戦、第10戦は4戦中最も長い26周で行われる。曇り/ドライ、気温29度というコンディションになった土曜日の10時37分にスタートが切られた。ここでポールの野村選手が好スタートを決めたが、デビッド選手が出遅れたため佐野選手と小林選手にかわされ4番手へポジションダウンを喫した。また2周目にはマッソン選手もフレデリック選手をかわして5番手へ順位を上げた。

 野村選手はオープニングラップから後続との距離を離し始め、3周目にはこのレースのファステストラップを刻んだ。佐野選手と小林選手の差も縮まらない展開で、やがて小林選手にデビッド選手、マッソン選手、フレデリック選手らが距離を詰めて来た。だが、各車タイヤを労わりながらの走行からかなかなかオーバーテイクをうかがうこともなくレースは進行していった。

 26周のレースは32分を経過してチェッカー。野村選手が4連勝し、2位でゴールした佐野選手との点差を広げてポイントリーダーに立った。3位は小林選手で、以下デビッド選手、マッソン選手、フレデリック選手の順でゴール。三井優介選手(DELiGHTWORKS RACING)もマッソン選手に約0.4秒差まで迫ったが7位となりポイントを加算することはできなかった。

 マスタークラスは第3大会(岡山)を欠場した今田選手が第5戦以来の今季2勝目を挙げた。

第10戦優勝は野村選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は佐野雄城選手(TOM’S)、3位は小林利徠斗選手(TOM’S)。
第10戦の表彰式。左から2位の佐野選手、1位の野村選手、3位の小林選手、マスタークラスの今田信宏選手。

第11戦

 第11戦以降の3戦は19周で争われる。その第11戦は土曜日の15時2分にスタートが切られた。午前中から晴れてきて気温は30度を超えていた。フロントローの野村選手と佐野選手は好スタートを切ったが、2列目のデビッド選手とマッソン選手が接触。後方が混乱する中、予選6番手の古谷選手が3番手に順位を上げた。マッソン選手がヘアピンコーナーでマシンをストップしたことで、セーフティカー(SC)が導入された。この間デビッド選手はピットへ戻るも、ここでレースを終えることになった。

 隊列は野村選手、佐野選手、古谷選手、小林選手、三井選手、卜部和久選手(B-MAX RACING TEAM)と上位6台は日本人ドライバーとなり、6周完了でSC先導が終了しリスタート。佐野選手は野村選手の連勝をストップさせるべくチャンスを狙うが、オーバーテイクすることはかなわず。野村選手は11周目にファステストラップを叩き出して佐野選手との差を広げた。しかし13周目には佐野選手がファステストを更新して野村選手に迫る展開となった。

 トップ2台の差は1秒ほどで、野村選手はその差を守り切って5連勝。3位は古谷選手で第5戦以来の表彰台獲得となった。1パックとなった4~6位争いは小林選手、三井選手、卜部選手の順でゴールとなった。

 マスタークラスはクラスポールの清水選手が先行するも、反則スタートでレース結果に10秒が加算されることになった。レースは終盤16周目の1コーナーで今田選手が清水選手をパスして2連勝とした。

第11戦優勝は野村選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は佐野選手(TOM’S)、3位は古谷悠河選手(TOM’S)。
第11戦の表彰式。左から2位の佐野選手、1位の野村選手、3位の古谷選手、マスタークラスの今田選手。

第12戦

 第12戦は前日に行われた第10戦の結果でグリッドが決まったため、ポールは野村選手で、佐野選手、小林選手、デビッド選手、マッソン選手、フレデリック選手の順でグリッドについた。曇り/ドライ、気温26度というコンディションで、日曜日の11時22分にレースはスタート。2コーナー立ち上がりで7番手スタートの三井選手がスピンを喫し、すぐ後方にいた卜部選手が避けきれずに2台が接触。卜部選手は2周を終えてピットインし、三井選手も大きく順位を落とすことになった。

 トップの野村選手は3周目にファステストラップを記録し佐野選手との差を広げにかかった。しかし佐野選手も中盤から野村選手を追い上げにかかり、一時は2秒以上あったギャップを終盤の15周目には1秒を切るまで詰めた。しかし、野村選手はその追撃を0.504秒差で振り切り、大会3連勝でシリーズ6連勝。3、4位には単独走行となった小林選手、マッソン選手がゴール。3台による5番手争いはデビッド選手、フレデリック選手、古谷選手の順でチェッカーとなった。

 マスタークラスは今田選手が2位の清水選手に約19秒の大差をつけて3連勝。

第12戦優勝は野村選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は佐野選手(TOM’S)、3位は小林選手(TOM’S)。
第12戦の表彰式。左から2位の佐野選手、1位の野村選手、3位の小林選手、マスタークラスの今田選手。

第6戦

 この大会最後のレースとなる第6戦は、オートポリスで開催された第2大会で予定されていたが、予選日の悪天候のために決勝日のスケジュールがタイトになったことで、開催が延期されていた。グリッドについては第11戦の結果により、ポールは野村選手、フロントローに3戦連続で佐野選手が並んだ。2列目に古谷選手と小林選手、3列目に三井選手と卜部選手と上位6台は日本人ドライバーが占めた。

 気温26度のSUGOでは、グリッドにつくためコースインするころから小雨が降り出した。しかし路面を濡らすまでは至らず、15時22分にスタートが切られた。佐野選手が好スタートを決めるも、野村選手が先に1コーナーへ入りトップを死守。3コーナーでは三井選手が小林選手をかわして4番手へ順位を上げた。

 トップの2台は3周目から3番手以下を引き離しにかかったが、レースが1/3を経過した7周目に佐野選手に対し反則スタートにより5秒加算というペナルティが出された。レース中盤から終盤にかけて佐野選手は野村選手に迫ったものの、最後は0.940秒差で野村選手が逃げ切り今大会4レースすべてをポール・トゥ・ウィンで飾り、前回大会からの連勝を「7」に伸ばした。

 佐野選手は5秒加算のペナルティを受けたが、3位以下が離れていたこともあり2位は変わらず。3位は古谷選手、4~6位は三井選手、小林選手、卜部選手だった。マスタークラスでは今田選手がこちらもこの大会4レースをすべて制覇した。

第6戦優勝は野村選手(B-MAX RACING TEAM)。
2位は佐野選手(TOM’S)、3位は古谷選手(TOM’S)。
第6戦の表彰式。左から2位の佐野選手、1位の野村選手、3位の古谷選手、マスタークラスの今田選手。

PHOTO/上尾雅英[Masahide KAMIO] REPORT/皆越和也[Kazuya MINAKOSHI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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