UNIZONE第4戦では新フォーマットで多くの勝者が誕生。Saishunkan Sol 熊本が大量ポイントを獲得!

レポート Eスポーツ

2025年9月17日

8月19日に開催された、JAFが公認する唯一のEモータースポーツリーグ「UNIZONE」第4戦。開催形式は前戦と同じく各自の拠点でイベントを行いながらインターネットを介して大会に参戦する‟HOME&HOME“形式が採られるも、スプリントレースを5レース行うという趣向を凝らしたレースフォーマットで実施され、新たなウィナーが多数誕生した。Saishunkan Sol 熊本が5チームの中で最も多い36ポイントを獲得し、名古屋OJAの連勝を止めることとなった。

UNIZONE e-Motorsport League Rd.4
開催日:2025年8月19日
開催地:遠州ハママツモータース:ITAYAMACHI BaR(静岡県浜松市)、群馬ダイヤモンドペガサス:JOMOスクエア(群馬県前橋市)、Saishunkan Sol 熊本:クマモトeスタジアム(熊本県熊本市)、東京ヴェルディレーシング:e-Create Space AIM SASAZUKA supported by KEIO(東京都渋谷区)、名古屋OJA:コミュファ eSports Stadium NAGOYA(愛知県名古屋市)
主催:JeMO

 開幕から3戦目を終え、名古屋を拠点とする名古屋OJAが圧倒的な強さを見せているJAF公認のEモータースポーツリーグUNIZONE。その一方で2番手以下は混戦の様相を呈している。残り2戦、ひとつでも上位の年間成績を残すため、各チームは褌を締め直していた。

 8月19日に開催された第4戦では、新たな試みとしてこれまでのレースフォーマットが大きく変更されている。1台の車両を各チーム2名が乗り継ぐセミ耐久レースを導入せず、5チーム10名が一斉に走るスプリントレースを5回実施。グリッド位置や周回数に変化を加え、動きのあるレースを実現するための変更がなされた。

開催拠点を変えたのは遠州ハママツモータース。浜松駅近くの飲食店ITAYAMACHI BaR(イタヤマチバル)から参戦。食事つき観戦チケットを販売し、来場者に非日常空間を提供した。
群馬ダイヤモンドペガサスも新前橋駅近くの多目的複合ビルJOMOスクエアに拠点を移した。今大会では浅賀颯太選手が欠場し、小山美姫選手と小此木裕貴選手のペアで戦う。
年間成績のチーム順位3番手につけているSaishunkan Sol 熊本は、前戦同様にeスポーツ高等学院 クマモトeスタジアムが拠点。メンバーも変わらず、盤石の体制で大会に臨む。
東京ヴェルディレーシングはe-Create Space AIM SASAZUKA supported by KEIOが戦いの舞台。稲野一美氏と塩谷俊氏が実況&解説を務め、会場のサポーターたちを沸かせた。
小出峻選手が欠場となった名古屋OJAは、齊藤祐太選手がドライバーとして初参加。武藤壮汰選手は国際Bライセンスの取得が間に合い、名古屋OJAは無事に第4戦の出場が叶った。
配信拠点はこれまでとは異なり、名古屋OJAが拠点としているコミュファ eSports Stadium NAGOYAにて行われた。実況に山中智瑛氏、解説にスオミアッキ氏というコンビは不動。

レースフォーマット

 UNIZONEリーグは「予選タイムアタック」「スプリントレース①」「スプリントレース②」「セミ耐久レース」という、4つのフォーマットで実施されるが、第4戦はセミ耐久レースがなくなった代わりにスプリントレースが①~⑤と増加。また、各チームには全てのレースで1名以上国際B 級ライセンスを所持するプレイヤーの出走が義務づけされている。

予選タイムアタック

  • コース
    鈴鹿サーキット
  • 車両
    GT3車両10車種から選択
  • 予選時間
    10分間
  • ポイントテーブル
    1位:3pt、2位:2pt、3位:2pt、4位:1pt、5位:1pt、以下0pt
  • 備考
    予選結果で当該ラウンド各レース共通のグリッドを決定(総合予選方式)

スプリントレース①

  • コース
    鈴鹿サーキット
  • 車両
    GT3車両10車種から選択
  • 周回数
    6周
  • スタート方式
    グリッドスタート(グリッドは予選タイムの上位順に準拠)
  • ポイントテーブル
    1位:10pt、2位:8pt、3位:6pt、4位:5pt、5位:4pt、6位:3pt、7位:2pt、8位:1pt、以下:0pt

スプリントレース②

  • コース
    鈴鹿サーキット
  • 車両
    GT3車両10車種から選択
  • 周回数
    3周
  • スタート方式
    ハーフリバースグリッド(予選順位の半分を降順にしてスタート位置を決定)
  • ポイントテーブル
    1位:3pt、2位:2pt、3位:2pt、4位:2pt、5位:1pt、6位:1pt、7位:1pt、8位:1pt、以下:0pt

スプリントレース③

  • コース
    鈴鹿サーキット
  • 車両
    GT3車両10車種から選択
  • 周回数
    3周
  • スタート方式
    フルリバースグリッド(予選順位降順でスタート位置を決定)
  • ポイントテーブル
    1位:3pt、2位:2pt、3位:2pt、4位:2pt、5位:1pt、6位:1pt、7位:1pt、8位:1pt、以下:0pt

スプリントレース④

  • コース
    富士スピードウェイ
  • 車両
    Super Formula SF23(HondaまたはToyota)
  • 周回数
    3周
  • スタート方式
    視聴者のSNS投票にて決定
  • ポイントテーブル
    1位:3pt、2位:2pt、3位:2pt、4位:2pt、5位:1pt、6位:1pt、7位:1pt、8位:1pt、以下:0pt

スプリントレース⑤

  • コース
    富士スピードウェイ
  • 車両
    Super Formula SF23(HondaまたはToyota)
  • 周回数
    6周
  • スタート方式
    グリッドスタート(グリッドは予選タイムの上位順に準拠)
  • ポイントテーブル
    1位:10pt、2位:8pt、3位:6pt、4位:5pt、5位:4pt、6位:3pt、7位:2pt、8位:1pt、以下:0pt

予選タイムアタック

 5レース行われるスプリントレースのうち、4つのレースに影響を及ぼす予選タイムアタック。スプリントレース①のコースは鈴鹿サーキット、そして車両は10車種のFIA-GT3から選択となったが、5チームともに選んだのはフォード・マスタングGT3だった。少しでも有利な車種選択を突き詰めていくと、ワンメイク化は避けられないということだろうか。

 タイムアタックでは、年間を通して圧倒的な強さを見せている758号車の武藤壮汰選手(名古屋OJA)が1分57秒377をマーク。この記録がポールポジションタイムとなった。2番時計を叩き出したのは小此木裕貴選手(群馬ダイヤモンドペガサス)で、武藤選手から遅れること0.373秒差。3番手には実車のスーパーGTのGT300クラスドライバーである荒川麟選手(Saishunkan Sol 熊本)が入った。

ここまで全戦でポールポジションを獲得している名古屋OJAの武藤選手。GTカーでもフォーミュラカーでも死角がない。

予選タイムアタック結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 タイム タイム差 ポイント
1位 758 武藤壮汰選手 Ford Mustang 名古屋OJA 1:57.377 +0:00.000 3pt
2位 83 小此木裕貴選手 Ford Mustang 群馬ダイヤモンドペガサス 1:57.750 +0:00.373 2pt
3位 444 荒川麟選手 Ford Mustang Saishunkan Sol 熊本 1:57.961 +0:00.584 2pt
4位 759 齊藤祐太選手 Ford Mustang 名古屋OJA 1:57.979 +0:00.602 1pt
5位 445 黒沢和真選手 Ford Mustang Saishunkan Sol 熊本 1:58.022 +0:00.645 1pt
6位 10 佐々木光選手 Ford Mustang 東京ヴェルディレーシング 1:58.343 +0:00.966 0pt
7位 82 瀬田凜選手 Ford Mustang 遠州ハママツモータース 1:58.537 +0:01.160 0pt
8位 11 木村偉織選手 Ford Mustang 東京ヴェルディレーシング 1:58.867 +0:01.490 0pt
9位 802 田中健太選手 Ford Mustang 遠州ハママツモータース 1:58.887 +0:01.510 0pt
10位 063 小山美姫選手 Ford Mustang 群馬ダイヤモンドペガサス 1:59.797 +0:02.420 0pt

スプリントレース①

 全車マスタングGT3という車種選択で、プレイヤーの腕とセットアップの違いが勝負のカギを握るスプリントレース。1レース目は予選順位通りのグリッドとなったが、ポールスタートの武藤選手(名古屋OJA)のスタートの出だしがやや遅く、2番手からスタートダッシュを決めた小此木選手(群馬ダイヤモンドペガサス)が1コーナーまでにトップに躍り出る。

 そのまま先頭をキープしながら周回数を重ねていく小此木選手だったが、4周目の2コーナーでインを差した武藤選手と接触してスピンを喫してしまう。またコース復帰時に齊藤祐太選手(名古屋OJA)とのクラッシュもあり、健闘空しくノーポイントに終わってしまった。

 これでトップに立ったのが、3番手を走っていた荒川選手(Saishunkan Sol 熊本)。6周目のファイナルラップに武藤選手の先行を許すが、武藤選手は小此木選手との接触で10秒のペナルティを課されており、荒川選手がスプリントレース①を制して10ポイントを獲得することとなった。

ペナルティを受けた武藤選手を無理に抑えず、繰り上がりにより優勝を射止めた荒川麟選手。黒沢和真選手と共にSaishunkan Sol 熊本1-2フィニッシュを達成。

スプリントレース①結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 トータルタイム ペナルティタイム ベストラップタイム ポイント
1 444 荒川麟選手 Saishunkan Sol 熊本 Ford Mustang 12:02.733 0:00.000 1:59.362 10pt
2 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Ford Mustang 12:03.585 0:00.000 1:59.258 8pt
3 82 瀬田凜選手 遠州ハママツモータース Ford Mustang 12:06.825 0:00.000 1:59.980 6pt
4 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Ford Mustang 12:08.584 0:00.000 2:00.047 5pt
5 802 田中健太選手 遠州ハママツモータース Ford Mustang 12:09.399 0:00.000 1:59.942 4pt
6 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Ford Mustang 12:11.655 0:10.000 1:58.891 3pt
7 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス Ford Mustang 12:31.330 0:00.000 2:01.102 2pt
8 759 齊藤祐太選手 名古屋OJA Ford Mustang 12:48.844 0:00.000 1:59.757 1pt
9 10 佐々木光選手 東京ヴェルディレーシング Ford Mustang 0:00.000 1:59.705 0pt
9 83 小此木裕貴選手 群馬ダイヤモンドペガサス Ford Mustang 0:10.000 1:58.957 0pt

※ゼッケン758は#83に対する危険なドライブ行為(他車への接触)で10秒加算
※ゼッケン83は危険なドライブ行為(危険なコース復帰)で10秒加算

スプリントレース②

 スプリントレース②はスタートグリッドにハーフリバースグリッドが採用された。また周回数が3周と短くなり、それに合わせてポイント配分も減少されている。予選5番手の黒沢和真選手(Saishunkan Sol 熊本)を先頭にレースがスタートした。小山美姫選手(群馬ダイヤモンドペガサス)は気が逸ってしまったのか、ジャンプスタート。

 ここ数戦、他車からの接触でレースを終えることが多い黒沢選手にとって千載一遇のチャンスとなったスプリントレースだったが、2周目の2コーナーで2番手を走っていた齊藤選手(名古屋OJA)との接触でスピンアウト。またしても2コーナーでのアクシデントでポジションの入れ替わりが発生してしまう。首を横に振ってやるせない表情を見せる黒沢選手。

 接触の原因となった齊藤選手に10秒のペナルティが与えられたことで、齊藤選手の背後を走っていた小此木選手(群馬ダイヤモンドペガサス)が堅実な走りを見せ、このスプリントレースの勝者となった。2位はスプリントレース①の好走ぶりを維持した荒川選手(Saishunkan Sol 熊本)で、3位は5番手スタートの武藤選手(名古屋OJA)。

スプリントレース①で惜しくもアクシデントに泣いた小此木選手が、前2台の接触をくぐり抜け、スプリントレース②でしっかりリベンジを果たした。

スプリントレース②結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 トータルタイム ペナルティタイム ベストラップタイム ポイント
1 83 小此木裕貴選手 群馬ダイヤモンドペガサス Ford Mustang 6:03.217 0:00.000 1:59.581 3pt
2 444 荒川麟選手 Saishunkan Sol 熊本 Ford Mustang 6:04.322 0:00.000 1:59.667 2pt
3 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Ford Mustang 6:04.417 0:00.000 1:59.562 2pt
4 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Ford Mustang 6:06.527 0:00.000 2:00.711 2pt
5 10 佐々木光選手 東京ヴェルディレーシング Ford Mustang 6:06.961 0:00.000 2:00.353 1pt
6 82 瀬田凜選手 遠州ハママツモータース Ford Mustang 6:08.062 0:00.000 2:00.065 1pt
7 802 田中健太選手 遠州ハママツモータース Ford Mustang 6:09.135 0:00.000 2:01.460 1pt
8 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Ford Mustang 6:09.453 0:00.000 1:59.997 1pt
9 759 齊藤祐太選手 名古屋OJA Ford Mustang 6:12.656 0:10.000 1:59.400 0pt
10 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス Ford Mustang 7:13.659 0:00.000 2:27.403 0pt

※ゼッケン759は#445に対する危険なドライブ(他車への接触)で10秒加算

スプリントレース③

 グリッドをフルリバースさせた状態でスタートしたスプリントレース③。予選順位降順でグリッドが構成されたことで、順位変動が大きいスリリングなレースになることが予想された。ポールポジションの位置からスタートしたのは、唯一の女性ドライバーである小山選手(群馬ダイヤモンドペガサス)だ。

 注目が集まるスタートでは小山選手が後続からのプレッシャーを跳ねのけてホールショットを奪う。フロントローの田中健太選手(遠州ハママツモータース)はスタートでホイールスピンしてしまって中団に飲み込まれてしまった。小山選手の背後には木村偉織選手(東京ヴェルディレーシング)がピッタリつけるも、小山選手は巧みに抑えながら2周を消化。

 だがファイナルラップでレースは動いた。1コーナーで木村選手がアウトサイドからマシンを並べて豪快なオーバーテイクを披露。その後は木村選手がジリジリと差を広げていきトップチェッカー。東京ヴェルディレーシングにとってうれしい初優勝を達成するとともに、小山選手にとっても初ポイント獲得という、フルリバースグリッドならではの変わった展開が見られた1戦となった。

スタートダッシュに絶対の自信を持っていたという木村選手。リアルレーサーならではの豪快なオーバーテイクを見せつけ今季初優勝。

スプリントレース③結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 トータルタイム ペナルティタイム ベストラップタイム ポイント
1 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Ford Mustang 5:57.321 0:00.000 1:57.551 3pt
2 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス Ford Mustang 5:58.732 0:00.000 1:59.149 2pt
3 82 瀬田凜選手 遠州ハママツモータース Ford Mustang 5:58.765 0:00.000 1:58.075 2pt
4 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Ford Mustang 5:58.853 0:00.000 1:57.406 2pt
5 10 佐々木光選手 東京ヴェルディレーシング Ford Mustang 6:00.103 0:00.000 1:58.151 1pt
6 802 田中健太選手 遠州ハママツモータース Ford Mustang 6:03.507 0:00.000 1:58.469 1pt
7 759 齊藤祐太選手 名古屋OJA Ford Mustang 6:07.308 0:00.000 1:57.449 1pt
8 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Ford Mustang 6:42.724 0:00.000 1:57.075 1pt
9 444 荒川麟選手 Saishunkan Sol 熊本 Ford Mustang 6:48.035 0:00.000 2:05.723 0pt
10 83 小此木裕貴選手 群馬ダイヤモンドペガサス Ford Mustang 6:51.684 0:00.000 1:57.874 0pt

スプリントレース④

 スプリントレース④では視聴者投票としてGoogleフォームの投票機能でグリッドを決定するという新たな試みが採り入られた。途中経過では東京ヴェルディレーシングの木村選手が投票数でリードしていたが、最終結果は群馬ダイヤモンドペガサスの小此木選手が260票を勝ち獲り逆転。ポールポジションからスタートすることとなった。

 このレースからコースが富士スピードウェイ、車両がスーパーフォーミュラSF23に変更。2番手スタートの木村選手がスタートに失敗して順位を落とす中、3番手スタートの百瀬翔選手(遠州ハママツモータース)が良いスタートを決め、ポールポジションの小此木選手を1コーナーアウト側からオーバーテイクする。

 わずか3周というフォーマットの特性上、序盤からオーバーテイクシステムを使いっぱなしのまま争うという白熱した展開に。従来とは違った短期決戦のドライビングスキルが要求された。トップを走る百瀬選手が巧みに逃げ切り、初優勝を遂げる。遠州ハママツモータースにとってもUNIZONE初勝利となった。

視聴者投票でポールポジションを獲得した小此木選手はそのチャンスを活かすことができず、逆に百瀬翔選手はトップ浮上に成功してUNIZONE初勝利を挙げた。

スプリントレース④結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 トータルタイム ペナルティタイム ベストラップタイム ポイント
1 82 百瀬翔選手 遠州ハママツモータース Super Formula SF23 - Honda 4:04.366 0:00.000 1:20.723 3pt
2 83 小此木裕貴選手 群馬ダイヤモンドペガサス Super Formula SF23 - Toyota 4:04.753 0:00.000 1:20.746 2pt
3 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Super Formula SF23 - Honda 4:06.574 0:00.000 1:21.246 2pt
4 10 兒島弘訓選手 東京ヴェルディレーシング Super Formula SF23 - Toyota 4:08.058 0:00.000 1:21.715 2pt
5 444 大滝拓也選手 Saishunkan Sol 熊本 Super Formula SF23 - Honda 4:08.821 0:00.000 1:21.546 1pt
6 802 田中健太選手 遠州ハママツモータース Super Formula SF23 - Honda 4:09.389 0:00.000 1:21.515 1pt
7 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス Super Formula SF23 - Toyota 4:15.332 0:00.000 1:22.835 1pt
8 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Super Formula SF23 - Toyota 4:46.218 0:00.000 1:26.947 1pt
9 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Super Formula SF23 - Honda 4:51.391 0:10.000 1:21.236 0pt
10 759 齊藤祐太選手 名古屋OJA Super Formula SF23 - Honda 0:00.000 0:00.000 0pt

※ゼッケン445は#758に対する危険なドライブ行為(走路外からの追い越し)で10秒加算

スプリントレース⑤

 最終レースとなるスプリントレース⑤は、周回数がスプリントレース①と同様に6周に増え、グリッドは予選タイムアタックの結果に戻された。意外にもここまで勝ち星がない武藤選手(名古屋OJA)が、ポールポジションから抜け出してレースをリード。大滝拓也選手(Saishunkan Sol 熊本)が、離されまいとその後ろに食らいつく。

 だが武藤選手はこれまでの鬱憤を晴らすかのような快走を見せる。大滝選手に代わって兒島弘訓選手(東京ヴェルディレーシング)が2番手に浮上した2周目のホームストレートでは、その差を2秒近くへと拡大。最終的には2.3秒ものアドバンテージを築いてトップチェッカー。武藤選手はスプリントレース⑤を勝利で締めくくり、10ポイントを獲得した。

 そしてその後方では若手が躍動。3周目に入ったところで黒沢選手(Saishunkan Sol 熊本)が兒島選手を捕えて2番手に浮上すると、そのバトルに乗じて差を詰めてきた百瀬選手(遠州ハママツモータース)も兒島選手をオーバーテイクして3番手に。百瀬選手はファイナルラップでファステストを叩き出すも、2位の黒沢選手には及ばず3位。だが、ベストラップとしてはこの2選手が武藤選手のタイムを上回り、存在感を示した。

フルリバースグリッドのレースでは苦戦していた武藤選手。予選タイムアタック順位通りのグリッドならば他を圧倒する実力を持つことを証明。

 予選タイムアタックとスプリントレース①~⑤の結果、黒沢選手が17ポイント、荒川選手が12ポイント、大滝選手が2ポイントを獲得。終わってみればSaishunkan Sol 熊本がチームとして36ポイントを持ち帰った。これが5チームの中で最も多い獲得ポイントとなり、第4戦の覇者となった。

 一風変わった短いスプリントレースを5回行う第4戦のレースフォーマットは、奇しくも各チームがそれぞれ1勝ずつ記録するという混沌とした状態に。次戦のUNIZONEはいよいよ最終戦を迎えることとなるが、どのような展開が待っているのか、その模様を追っていきたい。

スプリントレース⑤結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 トータルタイム ペナルティタイム ベストラップタイム ポイント
1 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Super Formula SF23 - Honda 8:03.177 0:00.000 1:19.943 10pt
2 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Super Formula SF23 - Honda 8:05.420 0:00.000 1:19.741 8pt
3 82 百瀬翔選手 遠州ハママツモータース Super Formula SF23 - Honda 8:07.002 0:00.000 1:19.699 6pt
4 10 兒島弘訓選手 東京ヴェルディレーシング Super Formula SF23 - Toyota 8:09.076 0:00.000 1:20.220 5pt
5 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Super Formula SF23 - Toyota 8:10.458 0:00.000 1:20.275 4pt
6 802 田中健太選手 遠州ハママツモータース Super Formula SF23 - Honda 8:13.734 0:00.000 1:20.957 3pt
7 444 大滝拓也選手 Saishunkan Sol 熊本 Super Formula SF23 - Honda 8:21.253 0:00.000 1:21.235 2pt
8 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス Super Formula SF23 - Toyota 8:24.844 0:00.000 1:22.444 1pt
9 83 小此木裕貴選手 群馬ダイヤモンドペガサス Super Formula SF23 - Toyota 8:26.679 0:00.000 1:22.392 0pt
10 759 齊藤祐太選手 名古屋OJA Super Formula SF23 - Honda 0:00.000 0:00.000 0pt

※ゼッケン758は#83に対する危険なドライブ行為(他車への接触)で10秒加算
※ゼッケン83は危険なドライブ行為(危険なコース復帰)で10秒加算

UNIZONE PICKUP Team「東京ヴェルディレーシング」

 日本初のプロサッカーチームを目指して1969年に誕生した「東京ヴェルディ」。現在は総合型クラブとして18競技に参入を果たし、『多様な人材の育成』や『スポーツを通じたさまざまなエンターテインメントの提供』を掲げて活動を行っている。

 そしてUNIZONEには東京ヴェルディレーシングとして参戦。木村偉織選手、兒島弘訓選手、佐々木光選手がチームに所属するほか、KYOJO CUPに参戦する佐々木藍咲選手も帯同。メンバーの特徴は全員が実車とEモータースポーツの二刀流ドライバーとして構成されていることだ。

 国際B級ライセンス保持者枠の木村選手は、2024年のスーパーフォーミュラに参戦経験がある国内トップドライバーの一人。兒島選手は、同じくスーパーフォーミュラにTeam MUGENのデータエンジニアとして参画する傍ら、レーシングシミュレータービルダーのZENKAIRACINGのシミュレーター設計・組み立てにも携わる人物だ。佐々木光選手はシミュレーターでのEモータースポーツ活動を通じ、今季ロードスター・パーティレースIIIに名門チームCABANAから参戦中。

 彼らの強みのひとつが、実車とシミュレーター両方に精通したプレイヤーが所属していること。シミュレーター内でロガーデータを解析してミスや改善点を的確に修正できるところだろう。普段、サーキットで日常的に行っているサイクルを、そのままEモータースポーツに落とし込んでUNIZONEに挑んでいるのだ。

東京ヴェルディのクラブカラーであるヴェルディグリーンとパイオニアゴールドであしらわれた会場が、チームサポーターとの強固な一体感を演出していた。
実車モータースポーツでお馴染みの稲野一美氏と、Eモータースポーツに精通する塩谷俊氏の、バランスが整った実況&解説の布陣で会場を盛り上げる。
塩谷氏が映像を操作してUNIZONE公式とは異なる会場独自の映像が大型モニターに映し出され、東京ヴェルディレーシングのレースに集中できる環境となっている。
実車さながらのロガーデータを存分に活用した戦略を立てているのが特徴的。Team MUGENのデータエンジニアとしての顔も持つ兒島選手がその才能を発揮。
ドライバーがサポーターとハイタッチして入場するなど、ファンが盛り上がる演出を多く採り入れていた工夫が散見された。
シミュレーターの機材選びもこだわりが満載。画像のステアリングCubeControls CSX3は液晶パネル付きの高級モデル。液晶内の情報はカスタム可能で、選手たちが欲しい情報を瞬時に得られるよう仕様変更が成されている。

2025SEASON Standings(チーム順位)

順位 チーム Rd.1 Rd.2 Rd.3 Rd.4 Rd.5 トータル
1 名古屋OJA 54 52 56 25   187pt
2 Saishunkan Sol 熊本 28 15 22 36   101pt
3 遠州ハママツモータース 18 24 25 28   95pt
4 東京ヴェルディレーシング 10 17 16 24   67pt
5 群馬ダイヤモンドペガサス 17 19 8 13   57pt

2025 SEASON Standings(個人順位)

順位 ドライバー Rd.1 Rd.2 Rd.3 Rd.4 Rd.5 トータル
1 武藤壮汰選手 23 21 23 16   83pt
2 黒沢和真選手 16 7 13 17   53pt
3 小出峻選手 16 16 18   50pt
4 瀬田凛選手 10 12 0 6   28pt
5 木村偉織選手 6 1 5 9   21pt
6 田中健太選手 3 4 6 7   20pt
7 荒川麟選手 0 6 1 12   19pt
8 兒島弘訓選手 2 4 6 5   17pt
8 浅賀颯太選手 5 4 8   17pt
10 小此木裕貴選手 4 10 2   16pt
11 百瀬翔選手 7 6   13pt
12 大滝拓也選手 2 0 2   4pt
13 小山美姫選手 0 0 0 3   3pt
14 齊藤祐太選手 2   2pt
14 佐々木光選手 2 0 0   2pt

富士スピードウェイの体験走行無料券を10名様にプレゼント!

 UNIZONEを運営する一般社団法人日本eモータースポーツ機構(Japan e-Motorsport Organization=略称JeMO)が、UNIZONE e-Motorsport Leagueを応援するファンに向けてキャンペーンを実施。UNIZONEのXアカウントをフォロー、該当する投稿をリポストした方の中から10名に、富士スピードウェイの体験走行無料券をプレゼントするという内容だ。

 応募方法は ① UNIZONE公式Xアカウントをフォロー、 ② Xのキャンペーン投稿(https://x.com/UNIZONE_eMS/status/1965656604122251339)をリポスト。また、いいね!もすることで当選確率が2倍になるとのこと。応募期間 は9月10日15時から9月23日14時30分まで。当選発表は9月23日に配信される 「UNIZONE 2025 Final Round」の最後に配信内にて当選者の発表が行われる。

PHOTO/長谷川拓司[Takuji HASEGAWA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/岡田衛[Mamoru OKADA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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