名古屋OJAがUNIZONE第5戦でも最多ポイント獲得で有終の美

レポート Eスポーツ

2025年10月6日

JAFが公認する唯一の国内Eモータースポーツリーグ「UNIZONE」第5戦が9月23日に開催。第4戦以降、セミ耐久レースを廃止してスプリントレースを複数回行うフォーマットに変更され、第5戦では予選を含め6つのレースで争われた。本大会で勝利を飾ったのは1勝のみだったが、名古屋OJAが総合でトップとなり、最終戦まで強さを見せた。

UNIZONE e-Motorsport League Rd.5
開催日:2025年9月23日
開催地:遠州ハママツモータース:ITAYAMACHI BaR(静岡県浜松市)、群馬ダイヤモンドペガサス:JOMO スクエア(群馬県前橋市)、Saishunkan Sol 熊本:クマモトeスタジアム(熊本県熊本市)、東京ヴェルディレーシング:esports Style UENO(東京都台東区)、名古屋OJA:コミュファ eSports Stadium NAGOYA(愛知県名古屋市)
主催:JeMO

 JAF公認の国内Eモータースポーツリーグとして、2月に開幕となったUNIZONE。第2戦以降は各チームの拠点からオンラインでシミュレーターをつないで競技を行うHOME&HOME形式で開催され、激戦が繰り広げられてきた。各拠点にはチームを応援するファンが集い、大会を重ねるごとにその熱気が増していくほどに。

 そして迎えた最終戦での見どころは、開幕戦から連勝を重ねている名古屋を拠点としたチーム「名古屋OJA」に対し、他の4チームが1年間の集大成としてどこまで食い下がることができるのか。また名古屋OJA所属の武藤壮汰選手と小出峻選手がガチンコのバトルを行うと宣言し、その勝負の行方も気になる1戦となった。

遠州ハママツモータースは前戦と同じく、浜松駅近くの飲食店ITAYAMACHI BaR(イタヤマチバル)を拠点に。脇阪寿一チームアンバサダーも出席し、ファンとの交流を深めた。
JOMOスクエアを拠点に参戦したのは群馬ダイヤモンドペガサス。浅賀颯太選手、小此木裕貴選手、小山美姫選手のフルメンバーでファイナルランドに臨む。
Saishunkan Sol 熊本は第2戦から拠点を変えず、eスポーツ高等学院 クマモトeスタジアムで戦う。地域密着型が特徴でファンとの交流も盛り上がりを見せていた。
eスポーツのコミュニティスペースである、東京都台東区のesports Style UENOを新たな拠点とした東京ヴェルディレーシング。クラブカラーを身にまとったサポーターが会場を埋め尽くした。
名古屋OJAも拠点がコミュファ eSports Stadium NAGOYAと不変。スーパーGTやスーパーフォーミュラのグッズを持ち込む熱狂的なファンの姿も見られた。
配信拠点は名古屋OJAが拠点とするコミュファ eSports Stadium NAGOYA。実況に山中智瑛氏、解説にスオミアッキ氏を迎えて公式配信。

レースフォーマット

 UNIZONEリーグは「予選タイムアタック」「スプリントレース①」「スプリントレース②」「セミ耐久レース」という、4つのフォーマットで実施されるが、第5戦はセミ耐久レースがなくなった代わりにスプリントレースが①~⑤となった。また、各チームには全てのレースで1名以上国際B 級ライセンスを所持するプレイヤーの出走が義務づけされている。

予選タイムアタック

  • コース
    スパ・フランコルシャン
  • 車両
    Super Formula SF23(HondaまたはToyota)
  • 予選時間
    10分間
  • ポイントテーブル
    1位:3pt、2位:2pt、3位:2pt、4位:1pt、5位:1pt、以下0pt
  • 備考
    予選結果で当該ラウンド各レース共通のグリッドを決定(総合予選方式)

スプリントレース①

  • コース
    スパ・フランコルシャン
  • 車両
    Super Formula SF23(HondaまたはToyota)
  • 周回数
    6周
  • スタート方式
    グリッドスタート(グリッドは予選タイムの上位順に準拠)
  • ポイントテーブル
    1位:10pt、2位:8pt、3位:6pt、4位:5pt、5位:4pt、6位:3pt、7位:2pt、8位:1pt、以下:0pt

スプリントレース②

  • コース
    スパ・フランコルシャン
  • 車両
    Super Formula SF23(HondaまたはToyota)
  • 周回数
    6周
  • スタート方式
    フルリバースグリッドスタート(グリッドは予選タイムの下位順に準拠)
  • ポイントテーブル
    1位:3pt、2位:2pt、3位:2pt、4位:2pt、5位:1pt、6位:1pt、7位:1pt、8位:1pt、以下:0pt

スプリントレース③

  • コース
    富士スピードウェイ
  • 車両
    GT3車両10車種から選択
  • 周回数
    6周
  • スタート方式
    グリッドスタート(グリッドは予選タイムの上位順に準拠)
  • ポイントテーブル
    1位:10pt、2位:8pt、3位:6pt、4位:5pt、5位:4pt、6位:3pt、7位:2pt、8位:1pt、以下:0pt

スプリントレース④

  • コース
    富士スピードウェイ
  • 車両
    GT3車両10車種から選択
  • 周回数
    5周
  • スタート方式
    視聴者のSNS投票にて決定
  • ポイントテーブル
    1位:3pt、2位:2pt、3位:2pt、4位:2pt、5位:1pt、6位:1pt、7位:1pt、8位:1pt、以下:0pt

スプリントレース⑤

  • コース
    富士スピードウェイ
  • 車両
    GT3車両10車種から選択
  • 周回数
    8周
  • スタート方式
    フルリバースグリッドスタート(グリッドは予選タイムの下位順に準拠)
  • ポイントテーブル
    1位:3pt、2位:2pt、3位:2pt、4位:2pt、5位:1pt、6位:1pt、7位:1pt、8位:1pt、以下:0pt

予選タイムアタック

 予選タイムアタックは5つのスプリントレースのうち、4レースのスターティンググリッドの基準となる重要なセッションだ。その舞台はベルギーの名サーキットであるスパ・フランコルシャンで、バーチャルならではのスーパーフォーミュラSF23車両と組み合わせて行われた。

 大本命と言われる名古屋OJAの武藤選手に対し、最終戦はガチンコで行くと宣言したチームメイトの小出選手によるポールポジション争いへと発展していくというのが大方の予想であった。だが、小此木裕貴選手(群馬ダイヤモンドペガサス)が目の覚めるようなスーパーアタックを見せ、どよめきが起こったのだ。

 その小此木選手は1分50秒540という驚異的なタイムを記録する。一方、「チームメイトを意識しすぎた」と語る名古屋OJAの2名は、武藤選手が1分51秒049、小出選手が1分51秒350と、2番手&3番手に甘んじる。名古屋OJAの隙を突き、小此木選手が今シーズン初となるポールポジションを獲得することとなった。

シーズン中で初めて武藤選手からポールポジションの座を奪ったのは、群馬ダイヤモンドペガサスの小此木選手。

予選タイムアタック結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 タイム タイム差 ポイント
1 83 小此木裕貴選手 群馬ダイヤモンドペガサス Super Formula SF23 - Toyota 1:50.540 +0:00.000 3pt
2 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Super Formula SF23 - Honda 1:51.049 +0:00.509 2pt
3 759 小出峻選手 名古屋OJA Super Formula SF23 - Honda 1:51.350 +0:00.810 2pt
4 82 百瀬翔選手 遠州ハママツモータース Super Formula SF23 - Honda 1:51.535 +0:00.995 1pt
5 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Super Formula SF23 - Honda 1:51.864 +0:01.324 1pt
6 444 荒川麟選手 Saishunkan Sol 熊本 Super Formula SF23 - Honda 1:51.967 +0:01.427 0pt
7 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Super Formula SF23 - Toyota 1:52.092 +0:01.552 0pt
8 10 兒島弘訓選手 東京ヴェルディレーシング Super Formula SF23 - Toyota 1:52.249 +0:01.709 0pt
9 802 瀬田凜選手 遠州ハママツモータース Super Formula SF23 - Honda 1:52.534 +0:01.994 0pt
10 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス Super Formula SF23 - Toyota 1:54.660 +0:04.120 0pt

スプリントレース①

 予選タイムアタックと同様に、スパ・フランコルシャンとスーパーフォーミュラによるレースとなったスプリントレース①。スタート直後、1コーナーへの進入時に好スタートを切った木村偉織選手(東京ヴェルディレーシング)のブレーキングミスによるクラッシュが発生、3番手以下が巻き込まれる波乱の幕開けとなった。

 ポールからスタートした小此木選手(群馬ダイヤモンドペガサス)は後方のアクシデントを気にすることなく、タイヤが冷えた1周目でも安定した走りを見せながら逃げていく。一方、2番手を走行する武藤選手(名古屋OJA)は、小此木選手から約2秒差というギャップに苦しんでいた。

 武藤選手は懸命の走りで徐々に小此木選手との差を縮めていくも、わずか6周のスプリントレースでは捕えきれず。小此木選手がUNIZONE Rd.5の第1レースを優勝で飾る結果となった。序盤の混乱を抜け出した6番手スタートの荒川麟選手(Saishunkan Sol 熊本)が3位を獲得している。

武藤選手の猛追を振り切った小此木選手。第2戦のスプリントレース②以来の優勝を遂げた。

スプリントレース①結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 トータルタイム ペナルティタイム ベストラップタイム ポイント
1 83 小此木裕貴選手 群馬ダイヤモンドペガサス Super Formula SF23 - Toyota 11:16.758 0:00.000 1:51.958 10pt
2 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Super Formula SF23 - Honda 11:17.657 0:00.000 1:51.472 8pt
3 444 荒川麟選手 Saishunkan Sol 熊本 Super Formula SF23 - Honda 11:26.552 0:00.000 1:52.041 6pt
4 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Super Formula SF23 - Honda 11:31.526 0:00.000 1:52.241 5pt
5 10 兒島弘訓選手 東京ヴェルディレーシング Super Formula SF23 - Toyota 11:43.379 0:10.000 1:52.483 4pt
6 82 百瀬翔選手 遠州ハママツモータース Super Formula SF23 - Honda 11:46.300 0:00.000 1:54.111 3pt
7 802 瀬田凜選手 遠州ハママツモータース Super Formula SF23 - Honda 0:00.000 2:00.097 2pt
7 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス Super Formula SF23 - Toyota 0:00.000 0:00.000 1pt
7 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Super Formula SF23 - Toyota 0:00.000 0:00.000 0pt
7 759 小出峻選手 名古屋OJA Super Formula SF23 - Honda 0:00.000 0:00.000 0pt

※ゼッケン10は危険な運転行為で10秒加算

スプリントレース②

 スプリントレース②では、スタート方式がフルリバースグリッドとなり、予選タイムアタック10番手の小山美姫選手(群馬ダイヤモンドペガサス)を先頭にレースがスタート。なおスプリントレース①と同じく6周のレースであることに変わりはなく、フルリバースグリッドに伴い、ポイント配分が減少されている。

 スタートミスがあり一気に最後尾まで後退してしまった小山選手に対し、2番グリッドの瀬田凜選手(遠州ハママツモータース)、3番グリッドの兒島弘訓選手(東京ヴェルディレーシング)がトップ2を形成し、それをSaishunkan Sol 熊本の黒沢和真選手と荒川選手の2台が追う展開となる。

 中盤、後方から追い上げてきた小出選手(名古屋OJA)もトップ争いに割って入ろうと着実にポジションを上げていったが、3番手に後退していた瀬田選手とブランシモンで接触してしまい、両者リタイアとなった。兒島選手がレースを牽引していき、黒沢選手と小此木選手(群馬ダイヤモンドペガサス)が続く。

 勝敗を分けたのはオーバーテイクシステム(OTS)の使いどころだった。5周目、兒島選手がケメルストレート手前でOTSを切ったタイミングを見計らったかのように黒沢選手がOTSを使用一気にトップに躍り出てそのままチェッカーという結末だった。黒沢選手がスプリントレース②を制し、貴重なポイントを獲得している。

兒島選手のスリップにつきながら我慢しつつ、ここ一番でOTSを発動、見事な逆転勝利を収めた黒沢選手。

スプリントレース②結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 トータルタイム ペナルティタイム ベストラップタイム ポイント
1 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Super Formula SF23 - Honda 11:14.972 0:00.000 1:50.900 3pt
2 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Super Formula SF23 - Honda 11:16.677 0:00.000 1:50.748 2pt
3 10 兒島弘訓選手 東京ヴェルディレーシング Super Formula SF23 - Toyota 11:18.406 0:00.000 1:51.636 2pt
4 444 荒川麟選手 Saishunkan Sol 熊本 Super Formula SF23 - Honda 11:20.721 0:00.000 1:51.568 2pt
5 83 小此木裕貴選手 群馬ダイヤモンドペガサス Super Formula SF23 - Toyota 11:22.165 0:00.000 1:51.534 1pt
6 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス Super Formula SF23 - Toyota 11:32.533 0:00.000 1:53.863 1pt
7 82 百瀬翔選手 遠州ハママツモータース Super Formula SF23 - Honda 12:23.578 0:30.000 1:50.956 1pt
8 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Super Formula SF23 - Toyota 0:00.000 1:54.078 1pt
8 759 小出峻選手 名古屋OJA Super Formula SF23 - Honda 0:00.000 1:52.166 0pt
8 802 瀬田凜選手 遠州ハママツモータース Super Formula SF23 - Honda 0:00.000 1:52.548 0pt

※ゼッケン82は危険な運転行為で30秒加算

スプリントレース③

 富士スピードウェイにコースが変わり、FIA GT3車両を用いたレースとなったのがスプリントレース③。第4戦とは打って変わって、BMW M4 GT3、Acura NSX GT3 EVO 22、Chevrolet Corvette ZO6 GT3.R、Lamborghini Huracán GT3 EVO、Mercedes-AMG GT3 2020と、各チーム間で車両カブりがないバラエティに富んだ車種選択となった。

 群馬ダイヤモンドペガサスは小此木選手から浅賀颯太選手にバトンをつなぎ、ポールポジションからBMW M4 GT3を駆ってスタート。レッドシグナル消灯直後、黒沢選手(Saishunkan Sol熊本)のLamborghini Huracán GT3 EVOが両サイドの車両から挟まれてストレート上でスピンしてクラッシュを喫するという意外な展開となった。

 ホールショットを奪ったのは4番手スタートのChevrolet Corvette ZO6 GT3.Rを運転する百瀬翔選手(遠州ハママツモータース)で、浅賀選手と武藤選手(名古屋OJA)のトップ争いが激化する間を縫ってトップに立つ。ダンロップコーナーでは浅賀選手がスピンを喫して後方に沈み、東京ヴェルディレーシングのMercedes-AMG GT3 2020の2台が3番手争い。

 2番手以降がバトルでペースが上がらなかった1周目、しっかりとリードを築いた百瀬選手が危なげなくトップを快走し、追いすがる武藤選手に約3秒の差をつけてスプリントレース③の勝利をもぎ取った。3位はポジションを守り切った佐々木光選手(東京ヴェルディレーシング)。

接触などでペースが上がらない後続を後目に、百瀬選手はそのチャンスを活かして逃げ入りを成功させた。

スプリントレース③結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 トータルタイム ペナルティタイム ベストラップタイム ポイント
1 82 百瀬翔選手 遠州ハママツモータース Chevrolet Corvette ZO6 GT3.R 9:56.215 0:00.000 1:38.647 10pt
2 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Acura NSX GT3 EVO 22 9:59.336 0:00.000 1:38.013 8pt
3 10 佐々木光選手 東京ヴェルディレーシング Mercedes-AMG GT3 2020 10:02.087 0:00.000 1:38.439 6pt
4 444 荒川麟選手 Saishunkan Sol 熊本 Lamborghini Hurácan GT3 EVO 10:04.825 0:00.000 1:38.234 5pt
5 802 瀬田凜選手 遠州ハママツモータース Chevrolet Corvette ZO6 GT3.R 10:05.179 0:00.000 1:38.315 4pt
6 759 小出峻選手 名古屋OJA Acura NSX GT3 EVO 22 10:06.493 0:00.000 1:38.502 3pt
7 83 浅賀颯太選手 群馬ダイヤモンドペガサス BMW M4 GT3 10:09.666 0:00.000 1:38.597 2pt
8 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス BMW M4 GT3 10:25.898 0:00.000 1:40.347 1pt
9 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Mercedes-AMG GT3 2020 10:45.636 0:00.000 1:39.588 0pt
10 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Lamborghini Hurácan GT3 EVO 0:00.000 1:44.977 0pt

スプリントレース④

 スプリントレース④では、第4戦に続きSNSでのドライバー人気投票結果によってグリッドが決定される。実車でもトップカテゴリーに参戦する小出選手(名古屋OJA)がトップからスタートを切ることとなった。フロントローには同じく実車で活躍する小山選手(群馬ダイヤモンドペガサス)が並ぶ。

 Acura NSX GT3 EVO 22のスタートダッシュの良さも手伝い、小出選手が序盤から独走態勢となる中、2番手以下は佐々木選手(東京ヴェルディレーシング)、瀬田選手(遠州ハママツモータース)、浅賀選手(群馬ダイヤモンドペガサス)、そして武藤選手(名古屋OJA)と、異なるチーム、車両が入り乱れてのバトルとなった。

 ファイナルラップでは3番手を争う瀬田選手、武藤選手、浅賀選手の攻防となったが、武藤選手が抜け出して3位フィニッシュ。佐々木選手は2位をキープしてチェッカー。ウィナーは逃げ切りを果たした小出選手だ。リーグで圧倒している名古屋OJAだが、第5戦ではようやく初優勝となった。

「投票してくれた皆さんの力を活かすことができました!」と、チーム拠点で感謝を伝えた小出選手が勝利。

スプリントレース④結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 トータルタイム ペナルティタイム ベストラップタイム ポイント
1 759 小出峻選手 名古屋OJA Acura NSX GT3 EVO 22 8:18.582 0:00.000 1:38.732 3pt
2 10 佐々木光選手 東京ヴェルディレーシング Mercedes-AMG GT3 2020 8:21.921 0:00.000 1:39.248 2pt
3 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Acura NSX GT3 EVO 22 8:22.669 0:00.000 1:38.337 2pt
4 802 瀬田凜選手 遠州ハママツモータース Chevrolet Corvette ZO6 GT3.R 8:23.631 0:00.000 1:39.106 2pt
5 83 浅賀颯太選手 群馬ダイヤモンドペガサス BMW M4 GT3 8:24.268 0:00.000 1:39.293 1pt
6 82 百瀬翔選手 遠州ハママツモータース Chevrolet Corvette ZO6 GT3.R 8:27.407 0:00.000 1:39.051 1pt
7 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Lamborghini Hurácan GT3 EVO 8:28.427 0:00.000 1:39.226 1pt
8 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス BMW M4 GT3 8:31.427 0:00.000 1:40.783 1pt
9 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Mercedes-AMG GT3 2020 8:35.726 0:10.000 1:39.341 0pt
10 444 大滝拓也選手 Saishunkan Sol 熊本 Lamborghini Hurácan GT3 EVO 8:36.805 0:00.000 1:39.613 0pt

※ゼッケン11は危険な運転行為で10秒加算

スプリントレース⑤

 UNIZONE最終戦の中で最後のレースとなるスプリントレース⑤。スーパー耐久シリーズの富士24時間レースを連想させるようなナイトセッションの中、フルリバースグリッドでレースがスタートした。先頭でスタートを切った小山選手(群馬ダイヤモンドペガサス)を、東京ヴェルディレーシングの佐々木選手と木村選手が1周目のアドバンヘアピンで攻略し、チーム1-2体制を築く。

 2番手スタートから3番手に順位を下げた瀬田選手(遠州ハママツモータース)が東京ヴェルディレーシングを追い上げ、まずは木村選手とのバトルを仕掛けて2番手を奪取。その後、木村選手には武藤選手(名古屋OJA)が襲い掛かり、このバトルには浅賀選手(群馬ダイヤモンドペガサス)も参戦。だが木村選手はスピンを喫してこの争いから脱落した。

 先頭を走る佐々木選手はペースが良く、2番手争いに乗じてそのリードを広げていき、3秒差にまで広げてトップチェッカー。2位は瀬田選手、そして3位には9番手スタートから猛烈な追い上げを見せた武藤選手が入り、スプリント5レースの総合得点では名古屋OJAがもっともポイントを獲得する結果となった。

シリーズ後半に徐々に上位に食い込む走りを見せてきた佐々木選手が、最終戦の最終レースでついにUNIZONE初勝利を飾った。

スプリントレース⑤結果

順位 ゼッケン ドライバー チーム 車両 トータルタイム ペナルティタイム ベストラップタイム ポイント
1 10 佐々木光選手 東京ヴェルディレーシング Mercedes-AMG GT3 2020 13:13.636 0:00.000 1:38.237 3pt
2 758 武藤壮汰選手 名古屋OJA Acura NSX GT3 EVO 22 13:17.401 0:00.000 1:37.287 2pt
3 82 百瀬翔選手 遠州ハママツモータース Chevrolet Corvette ZO6 GT3.R 13:21.773 0:00.000 1:38.052 2pt
4 444 荒川麟選手 Saishunkan Sol 熊本 Lamborghini Hurácan GT3 EVO 13:22.431 0:00.000 1:37.995 2pt
5 445 黒沢和真選手 Saishunkan Sol 熊本 Lamborghini Hurácan GT3 EVO 13:22.730 0:00.000 1:38.143 1pt
6 11 木村偉織選手 東京ヴェルディレーシング Mercedes-AMG GT3 2020 13:25.112 0:00.000 1:38.755 1pt
7 802 瀬田凜選手 遠州ハママツモータース Chevrolet Corvette ZO6 GT3.R 13:26.171 0:10.000 1:38.052 1pt
8 83 浅賀颯太選手 群馬ダイヤモンドペガサス BMW M4 GT3 13:30.619 0:10.000 1:38.326 1pt
9 063 小山美姫選手 群馬ダイヤモンドペガサス BMW M4 GT3 13:44.443 0:10.000 1:39.770 0pt
10 759 小出峻選手 名古屋OJA Acura NSX GT3 EVO 22 0:10.000 1:53.038 0pt

※ゼッケン802は危険な運転行為で10秒加算
※ゼッケン83は危険な運転行為で10秒加算
※ゼッケン063は危険な運転行為で10秒加算
※ゼッケン759は危険な運転行為で10秒加算

 エキシビションマッチとして実施されたスプリントレース⑥はSuper Formula SF23とGT3の混走レース。これはポイントが計上されないものの、Eモータースポーツならではのレースとして行われ、各拠点で観戦していたファンや、UNIZONEのライブ配信でも盛り上がりを見せていた。

 予選タイムアタックとスプリントレース①~⑤の結果、名古屋OJAが32ポイントを獲得。また遠州ハママツモータースは27ポイント獲得と健闘を見せたものの、Saishunkan Sol 熊本が総合ポイントを112ポイントまで伸ばしたことで、総合104ポイントの遠州ハママツモータースはチーム順位が3位、Saishunkan Sol 熊本が2位となった。

シーズンを通して圧倒的な強さを見せた名古屋OJAが、年間チームチャンピオンに確定した。
遠州ハママツモータースとの争いを制したSaishunkan Sol 熊本がシリーズ2位の栄冠に輝く。
UNIZONEに参戦しながら地域に根づいた活動を行う遠州ハママツモータース。年間チームランキング3位と結果を残した。

UNIZONE PICKUP Team「名古屋OJA」

 2016年11月に名古屋で産声を上げたeスポーツチームが「名古屋OJA」だ。名古屋にゆかりのある織田信長公、豊臣秀吉公、徳川家康公らへのリスペクトを込めた「王者」と、「尾張三河(Owari mikawa)」、「日本(Japan)」、「アジア(Asia)」の頭文字を取ったものがチーム名の由来となっている。

 UNIZONEチーム結成にあたり、名古屋在住の世界的iRacingプレイヤーである武藤壮汰選手と、スーパーフォーミュラ等で活躍する実車レーサーの小出峻選手のコンビを実現。その2名を支える存在として齊藤祐太選手も加入し、UNIZONEのトップチームとして君臨している。

 成績もさることながら、チームの地元・名古屋に根づいた活動も意欲的で、UNIZONEチームチャンピオン獲得後のコメントでは「名古屋出身のメンバーで構成したジュニアチームもつくりたいですね」とチームマネジャーの岩田氏は語った。

名古屋市中区にある常設eスポーツ施設「コミュファ eSports Stadium NAGOYA」は、名古屋PARCO東館という若者が集うトレンド発信地だ。名古屋OJAは第2戦から第5戦までここをHOME&HOMEの拠点とした。
会場を盛り上げたのは、名古屋を拠点とするeスポーツ実況キャスターのさくやきん氏と、愛知県出身で元レースアンバサダーの“きのちゃん”こと後藤佑紀氏。
会場内はファンとの距離も近く、選手との一体感が味わえる環境だ。名古屋OJAは「名古屋を元気に」を理念に掲げるだけあり、活気にあふれていた。
スプリントレースの合間には武藤選手がレースのリプレイ映像とともに振り返り解説。レース中のポイントや反省点を語るなど、観戦客に分かりやすく説明していた。
名古屋OJAの強みとして「武藤選手と小出選手の実力はもちろん、斎藤選手がセッティングや作戦の確認、レース中のスポッター無線をサポートしてくれていることも大きい」と語る岩田氏。名古屋を愛するチームとして、地元ジュニアチームの活動も視野に入れていくという。

2025SEASON Standings(チーム順位)

順位 チーム Rd.1 Rd.2 Rd.3 Rd.4 Rd.5 トータル
1 名古屋OJA 54 52 56 25 32 219pt
2 Saishunkan Sol 熊本 28 15 22 36 26 127pt
3 遠州ハママツモータース 18 24 25 28 27 122pt
4 東京ヴェルディレーシング 10 17 16 24 19 86pt
5 群馬ダイヤモンドペガサス 17 19 8 13 22 79pt

2025 SEASON Standings(個人順位)

順位 ドライバー Rd.1 Rd.2 Rd.3 Rd.4 Rd.5 トータル
1 武藤壮汰選手 23 21 23 16 18 101pt
2 黒沢和真選手 16 7 13 17 6 59pt
3 小出峻選手 16 16 18 5 55pt
4 瀬田凛選手 10 12 0 6 6 34pt
5 荒川麟選手 0 6 1 12 11 30pt
6 小此木裕貴選手 4 10 2 13 29pt
7 百瀬翔選手 7 6 14 27pt
8 兒島弘訓選手 2 4 6 5 4 21pt
8 木村偉織選手 6 1 5 9 0 21pt
10 田中健太選手 3 4 6 7 0 20pt
11 浅賀颯太選手 5 4 8 2 19pt
12 佐々木光選手 2 0 0 6 8pt
13 小山美姫選手 0 0 0 3 2 5pt
14 大滝拓也選手 2 0 2 0 4pt
15 齊藤祐太選手 2 0 2pt

PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、長谷川拓司[Takuji HASEGAWA]、UNIZONE、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS] REPORT/岡田衛[Mamoru OKADA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

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