関東ダートラ4クラスでタイトル確定し激戦のシーズンフィナーレ
2025年10月9日
2025年JAF関東ダートトライアル選手権の第7戦が9月28日、栃木県の丸和オートランド那須で開催された。今シーズンは第1戦が開催中止となったため、全6戦での開催となった関東ダートトライアル選手権。シリーズでは、全7クラス中3クラスのタイトルが確定しているが、残る4クラスのタイトル争いが、この最終戦まで持ち越された。
2025年JAF関東ダートトライアル選手権 第7戦
JMRC関東 ダートトライアルシリーズ
NDC-TOKYO ダートトライアルスピリット
開催日:2025年9月28日
開催地:丸和オートランド那須(栃木県那須塩原市)
主催:NDC-TOKYO
今季2回目の会場となった栃木県の丸和オートランド那須には、シリーズ上位陣を始め、83選手が参戦。タイトル争いはいうまでもなく、シリーズ入賞圏内をめぐる争いは全クラスで継続中だ。
当日は、やや雲が多かったものの雨の心配はなく、また爽やかな秋晴れとはいかないまでも、これまでの猛暑のような気温にもならず絶好のダートトライアル日和となり、全クラス第2ヒートが決勝タイムとなる、シーズン最後の熱戦が繰り広げられた。
2025年JAF関東ダートトライアル選手権 第7戦
N-1500&PN-1クラス
N-1500&PN-1クラスは、ポイントリーダーの佐藤聖選手からシリーズ3番手の柿澤廣幸選手の3選手がタイトル獲得の権利を有しているが、シリーズ2番手の飯島千尋選手が欠場となったため、佐藤聖選手と柿澤選手によるタイトル争いとなった。
佐藤聖選手と柿澤選手の差は17ポイント。柿澤選手が優勝を逃した時点で佐藤聖選手のタイトル確定と、シリーズ連覇を狙う柿澤選手にとっては厳しい状況だ。
まず1分26秒59で第1ヒートのトップタイムを刻んだのは、昨年のこの最終戦で優勝している田代純士選手。佐藤聖選手は0.31秒遅れの2番手。柿澤選手は1分27秒37と、佐藤聖選手から0.47秒遅れの3番手につけ、勝負は第2ヒートへ。
クラスファーストゼッケンから1分25秒台に突入し、完全な仕切り直しとなった第2ヒートでは、競技が進行するにつれて、上位陣のタイムは1分23秒台まで更新されるが、一気に1分22秒93を叩き出したのが佐藤聖選手。自らトップタイムのハードルを上げ、ラストゼッケン柿澤選手のタイムを待つ。4.5秒以上のタイムアップが必須となった柿澤選手だが、自己タイムは更新するも、タイムは1分26秒台の14位に留まり、佐藤聖選手が優勝でタイトルを確定させた。
「今年は、昨年に比べて安定した速さを残せたと思います。ただ、(モーターランド)野沢では自分自身の経験不足や、エンジンもヘタってきたということもあり表彰台を逃してしまったので、クルマとドライバーともに今後の課題ですね」と、冷静にシーズンを振り返った佐藤聖選手。続けて「柿澤選手が優勝するか否かで結果は分からない展開でしたが、2本目は慣熟歩行前に、タイヤはスーパードライで行くと覚悟を決めました。コース前半は少し抑えたのですが、後半は攻め込んでトップタイムを出せたので、結果的に良かったと思います」と、決め打ちで選択したタイヤを乗りこなし、自身初のタイトル確定となった。
N-1&PN-2クラス
小山健一選手がシリーズチャンピオンを確定させているN-1&PN-2クラスは、第1ヒートからその小山選手がクラス唯一の1分24秒台を刻みトップで折り返す。
勝負路面となった第2ヒートになると、前半ゼッケンの第1ヒートで2番手につけていた向井冬樹選手が、1分21秒95をマーク。このタイムがターゲットタイムとなり競技が進行していくが、シードゼッケンに入ってからもトップタイムが更新されないままラスト前ゼッケン、シリーズ2番手の三島真太郎選手の出走。ここで三島選手は向井選手のタイムを0.64秒更新する1分21秒31を叩き出し、トップに立ってラストゼッケン小山選手のタイムを待つ。優勝でシーズンを締めたい小山選手だったが、ゴールタイムは1分22秒05と3番手。三島選手が逆転で最終戦を制した。
「今回は、大成功という走りではなかったのですが、攻めまくって最後は土手にケツをあてながらゴールという、普段はそこまで攻めないのですが、気持ち良く走って勝つこともできたので、締めくくりとしては良かったと思います」と語ったのは優勝した三島選手。「(ダートラの)大先輩で、目標にしている小山選手に(有効ポイントで)同点まで追い付くことができました。来シーズンも地区戦や全日本で戦う機会があると思いますので、負けないよう頑張ります」と抱負を続けた。
今回の優勝で、有効ポイントでは優勝、2位、3位の獲得回数が全て同じとなったが、有効ポイント外で、すでに小山選手が上回っていたためタイトル確定までには至らなかったが、王者小山選手に肉薄する躍進のシーズンとなった三島選手。そして小山選手は、「今シーズンは、色々あって大変だったけど、結果的にチャンピオンを獲れて良かった。今回、2本目はドライタイヤを選択したんだけど、それに(走りを)合わせることができなかった。最後は勝って決めたかったけどね(笑)」と、苦笑いの様子だったが、シリーズ5連覇を確定させた。
PN-3クラス
ポイントリーダー湯本敬選手と、シリーズ2番手の飯田太郎選手のタイトル争いとなっているPN-3クラス。タイトル確定には優勝が絶対条件の飯田選手に対して、湯本選手は2位以上で確定と優勢だ。しかし、その湯本選手は今回欠場。優勝で自力チャンピオンが狙える飯田選手だが、第1ヒートでトップタイムをマークしたのは、第5戦の覇者、齊藤孝太選手。飯田選手は2番手につけるも、齊藤選手から遅れること約2秒と、タイム的には厳しい状況だ。
そして第2ヒート。中盤ゼッケンの豊嶋裕太選手が、齊藤選手のタイムを0.59秒更新する1分24秒10を刻んでトップが入れ替わる。続く佐藤羽琉妃選手は、豊嶋選手には0.24秒及ばなかったものの、暫定2番手に割って入り、上位陣は1分24秒台前半の戦いとなると思われた。しかし、それを一蹴する1分21秒95を叩き出したのが齊藤選手。自己タイムを2.74秒更新し、再びトップに返り咲く。トップタイムが1分21秒台まで上がったところで飯田選手の出走。タイトル獲得には5秒近いタイムアップが必須だが、ここで飯田選手は大幅なタイムダウンを喫してしまい万事休す。ラストの平井泰選手も1分24秒台で4番手タイムとなり、齊藤選手が両ヒートを制して優勝となった。
「家庭の事情で、来年からしばらくダートトライアルを休戦するので、納得する走りができるよう頑張りました。優勝できて良かったです。大学に入学した2004年からダートトライアルを始めて、約20年やってきたのですが、ここで一旦休止して、子供が小学生くらいになったら、また復帰したいと思います」と語った齊藤選手は、区切りとなる最終戦を優勝で飾った。また、シリーズでは湯本選手が前戦までのポイントを守り切ってタイトルを確定させた。
N-2クラス
ポイントリーダー影山浩一郎選手と、シリーズ2番手の中島明彦選手のタイトル争いとなっているが、中島明彦選手が不参加となったため、最終戦の結果を待たずに影山選手のタイトルが確定したN-2クラス。第1ヒートでトップタイムを刻んだのは、シリーズ7番手の堀川雅基選手。続く2番手に影山選手、3番手にはシリーズ3番手の神保俊宏選手がつけ、タイムは3選手ともに1分20秒台の接戦で折り返す。
第2ヒートになると、宇部宏行選手が1分19秒台に突入したのを皮切りに、シードゼッケンに入ると神保俊宏選手が1分17秒89と、トップタイムは一気に1分17秒台へ突入。さらに神保選手のタイムを0.33秒更新したのが堀川選手。1分17秒56で再びトップに返り咲く。続く増田徹選手は1分18秒台、ラスト前の安藤輝明選手は、1分17秒台に入れるも0.37秒届かず暫定3番手。そしてラストゼッケン影山選手は1分18秒台の5番手タイムに終わり、堀川選手が僅差を制して優勝となった。
「無我夢中だったので、自分の走りの記憶がないのですが(笑)、今日は120点です」と、笑顔でコメントした堀川選手は、今季初優勝でシリーズランキングを4位に上げた。また、タイトルを確定させた影山選手は「最終戦も中島選手と戦いたかったのですが、彼がいたら、ブッちぎりでヤラれてたと思うのでタイトルは獲れなかったよ。危なかったね(笑)」と、苦笑いを交えながらのコメントだったが、シリーズ6連覇を確定させた。
S-1クラス
S-1クラスのタイトル争いは、ポイントリーダーの武石裕二選手をシリーズ2番手の塚本優之介選手が追う展開となっているが、武石選手と塚本選手の差は18ポイント。優勝が絶対条件の塚本選手に対し、武石選手は3位以上でタイトル確定という状況で最終戦を迎えた。第1ヒートで1分21秒77のトップタイムを刻んだのは塚本選手。武石選手は約1.5秒遅れながらも3番手タイムで、タイトル圏内を確保する。
そして第2ヒート、第1ヒートは2番手につけていたファーストゼッケンの中島孝恭選手が1分20秒台に突入し、完全な仕切り直しとなる中、井之上優選手が1分18秒台までトップタイムを更新。続く塚本選手は、井之上選手のタイムを更新すればタイトル確定の権利を残すことができるが、しかし、タイムは1分20秒台と振るわず、ここでタイトル争いから脱落。この時点でタイトル確定となった武石選手は、4秒以上のタイムアップを果たし、1分18秒78でトップタイムを更新。これで勝負ありかと思われたが、武石選手のタイムを更に0.79秒上回る1分17秒99を叩き出したのが、ラストの和田悟選手。第1ヒート6番手から5秒以上のタイムアップを図り、一撃で勝負を決めた。
「地区戦のS1クラスに参戦して7年目で、やっと優勝することができました。ゴール後、ベストタイム更新のアナウンスを聞いた瞬間、泣きました(笑)」と和田選手。続けて「今シーズンは、開幕戦の野沢で2位を獲れたのですが、その後成績が振るわず、夏にセッティングを変えて走り込みました。これでタイムが出なかったら辛いなと思っていたのですが、無事勝つことができて良かったです」苦節7年、地区戦初優勝を果たした和田選手は笑顔でコメントを残した。
また、タイトルを獲得した武石選手は、「実は、今日でダートトライアル引退なんです」と、今回が最後の競技だったことを明かした。「今シーズンは、淡々と走った割には、結果が良い方向にいきました。もちろん、凡ミスなど失敗も多々ありましたが、それも含めて良い結果を積み重ねることができて、今日(のタイトル確定)につながったと感じています」とコメント。長きに渡り、常に上位争いを繰り広げてきた武石選手だが、その最後のシーズンは、S1クラスシリーズチャンピオンの称号を確定させて幕を降ろした。
S-2クラス
宮地雅弘選手のタイトルが確定しているS-2クラス。第1ヒートからその宮地選手が1分18秒35のトップタイムをマーク。2番手には0.1秒差で中村雅之選手がつける。
続く第2ヒート、中盤ゼッケンの矢内浩選手が宮地選手のタイムを0.07秒更新してトップタイムを塗り替えるが、シードゼッケンに入ると、中村選手が1分17秒45をマークしてトップに立つ。続くゼッケンのSUMITO選手も1分17秒台に入れるが、中村選手に0.06秒届かず2番手タイム。ラス前の星野悟選手は1分21秒台と大幅に遅れて中村選手の逃げ切りかと思われたが、それを阻止したのはラストゼッケン宮地選手。駄目押しともいえる1分16秒81と、中村選手を0.64秒上回るタイムを叩き出し、最終戦も勝利で飾った。
「昨年は、最終戦で7位に入ればチャンピオンを獲れたんだけど、8位で逃しちゃったんだよね(笑)。なので、今年は(タイトルを)獲れて良かった」と、タイトル奪回確定の宮地選手。「今回のコースはイケイケで、自分の中ではタイミングが合わないところが多く無難な走りになってしまったね。もう少しチャレンジしたかったけど、勝てたのは超うれしいです(笑)」と、競技を振り返った。
また、2位に敗れた中村選手は「彼(宮地選手)とは同い年で、誕生日が5日しか違わないので負けたくなかったんだけど...... 悔しいね(笑)」と苦笑いでコメント。大ベテラン同士の対決は、5日先輩の宮地選手に軍配が上がった。
Dクラス
開幕戦となった第2戦と第3戦は2位に甘んじたものの、第4戦から3連勝で、Dクラスのシリーズ3連覇を確定させているのが森正選手。
「シリーズ前半戦は、(クルマの)トラブルとの戦いだったのですが(笑)、中盤戦からはコンディションも良く速さも取り戻せて、タイトルを獲れました」と、シーズンを振り返った森選手は「ただ、練習もしてないし年齢もアレなんで(笑)、スピードに対する感覚が若干落ちてきましたね」とも語っていた。しかし、1分17秒27のトップタイムをマークして第1ヒートをトップで折り返す。
第2ヒートになると、やはりDクラスもファーストゼッケンの梅津立選手からトップタイムが更新され、1分16秒台に突入。しかしその後、梅津選手のタイムが更新されないまま競技が進行していく。そのタイムを2秒以上更新したのが、第1ヒートは森選手から0.1秒遅れの2番手につけていたラス前の星野伸治選手。ここで1分14秒56を叩き出し、トップに躍り出る。残るはラストの森選手。星野伸治選手のタイムを上回ることができれば、今シーズンも満点チャンピオンを決めることができるが、しかしゴールタイムは1分14秒79。0.23秒及ばず2番手タイムに終わり、星野伸治選手が逆転で優勝を決めた。
「今年は、最初の全日本で2.2Lのエンジンを壊してしまい、その後の地区戦は2.0Lに載せ変えました。2.0Lなりの走りを組み立てれば、何とか戦えるのかなと思ってたのですが、やはり速いクルマとの差は詰まりませんでした」と、苦戦を強いられながらも、シリーズ2位を収めた星野伸治選手。最終戦は森選手に一矢報いる今季2勝目を挙げてシーズンを終えた。
JMRC関東ダートトライアルシリーズ
CHA-1クラス、CHA-2クラス
CHA-1クラスは、今季4勝を挙げている大野俊介選手がシリーズチャンピオンを獲得。その大野選手が欠場となった今回、両ヒートともにトップタイムをマークした藤田浩一選手が、朽ち果てそうなカラーリングを施したスターレットを駆って優勝を飾った。平野理選手の孤軍奮闘となったCHA-2クラスだが、第2ヒートできっちり3秒以上タイムアップして完走。シリーズでは、池田啓一選手が3勝を挙げてタイトルを獲得した。
PHOTO/友田宏之[Hiroyuki TOMODA] REPORT/友田宏之[Hiroyuki TOMODA]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



