2019年のJAF関東地方選手権のモータースポーツ表彰式が開催!
2020年1月24日
年号が令和に変わって初となる記念すべきJAF関東モータースポーツ表彰式が、東京都港区で開催された。レース、ラリー、ジムカーナ、サーキットトライアル、ダートトライアルと、大いに盛り上がったJAF関東地方選手権。2019年を締め括るにふさわしい表彰式となった。
JAF関東地方選手権
2019年モータースポーツ表彰式
開催日:2020年1月19日(日)
開催地:TKPガーデンシティ品川(東京都港区)
主催:JAF関東本部
JAF関東モータースポーツ表彰式が、1月19日(日)に東京都港区の「TKPガーデンシティ品川」のボールルームで行われた。JAF関東本部ならびにJMRC関東の公認競技会で、2019シーズンを戦い抜いて優秀な成績を修めた、各カテゴリーの選手たちの栄誉を称える一大イベントだ。
まずは地方選手権の表彰に先駆け、JAF関東本部・本部長の吉武一郎氏が「表彰対象者の皆さんの栄誉を称賛するとともに、2020年は皆さんとモータースポーツの楽しさを発信して、より一層盛り上げていきたい」と挨拶した。なお今年も司会進行はレースアナウンサーの柿沼佐智子氏。
そしてジュニアカート選手権FP-Jr Cadets部門、ジュニアカート選手権FP-Jr部門の、関東地区に在籍する選手の表彰からスタート。続いて地方レース選手権の表彰に移り、F4選手権、もてぎスーパーFJ選手権、筑波スーパーFJ選手権、富士スーパーFJ選手権、もてぎ・菅生ツーリングカー選手権と続く。プレゼンターはJAF関東本部・本部長の吉武氏が務めた。
JAF東日本ラリー選手権(プレゼンターはJMRC関東運営委員長の小口貴久氏)、JAF関東ジムカーナ選手権、JAF筑波サーキットトライアル選手権(ともにプレゼンターはJMRC関東副運営委員長の中村真幸氏)、JAF関東ダートトライアル選手権(プレゼンターはJMRC関東ダートトライアル部会長の星野悟氏)の順に、上位入賞者へ賞典が授与された。
第二部の懇親会はJMRC関東運営委員長の小口氏の乾杯の音頭で宴がスタート。飾り棚には色とりどりの料理が並び、表彰対象者の皆さんは歓談と料理を堪能した。また、チャンピオンとなった選手がステージに上がり、シリーズでの苦労話やタイトル獲得の喜びを語った。
最後は「チャンピオンになることは非常に大変なことで、どんな小さなチャンピオンでも大きなチャンピオンでも、チャンピオンには変わりがございません。ぜひこれからもチャンピオンを目指して頑張りましょう」と、JMRC関東副運営委員長・関根基司氏による締めの挨拶。そして一本締めで表彰式は幕を閉じた。
2019年JAF関東地方選手権チャンピオンインタビュー
徳升選手は現在、キッズカートの運営から建設業など、幅広い仕事を自営で行っているという。生まれ育った環境はクルマに興味のない家族だったが、密かに保育園の頃からレーシングドライバーの夢を抱いていたそうだ。
「16歳からカートを始めて約4年、そしてスーパーFJへとステップアップ、スポットでFIA-F4を経て現在に至ります。JAF-F4のマシンはとても速いので、まずはレース終盤にバテないようにしっかりと体力づくりを行い、全戦を戦い抜くことを心掛けました。また職業柄、人前で仕事をする機会が多いこともあって、動揺しない強いメンタルは存分に発揮できたと思います。そして何より良いマシンをつくってくれたチームのおかげもあって、初めてのチャンピオンになることができました。2020年もF4に参戦しますが、チャンピオンになったことに驕らず、初心に帰って2連覇を目指したいと思います。開幕戦は“強い徳升”でサーキットに戻ってきますヨ!」
祖父がレース好きでよく観戦に連れて行ってもらったこともあって、自然とモータースポーツに興味を持ち始めた岩澤選手。カートからスタートしてモータースポーツ歴が約6年、現在18歳の高校3年生だ。
「16歳でスーパーFJのレースに出始めたんですが、その時はシーズンの途中から参戦したのもあって、チャンピオンが獲れなかったんです……。そこで2019年はしっかり成績を残せなかったらレースを止める覚悟で臨みました。日常の生活の中からレースのためにできることがないかを日々意識して、特にメンタル面の強化を図りました。今回、チャンピオンが獲れてホッとしているんですが、その反面、日本一決定戦では優勝できなかったこともあって、正直なところ素直に喜べていないのが現状です。心機一転、2020年はFIA-F4に出るために、このオフシーズンに活動資金を集めて、開幕戦のグリッドに並べるように頑張りたいと思います」
KAMIKAZE選手は現在51歳。モータースポーツ歴は30年ほどで、スーパーFJは苦節7年目にしてチャンピオン獲得となった。長く続けられた秘訣を尋ねると、シンプルに「好きだから」という言葉が返ってきた。
「スーパーFJはタイヤが細いので、マシンをシビアにコントロールをしないと速く走れない……つまり誤魔化しが利かない。それが面白いところですね。常にセッティングと乗り方を探求しました。年齢や体重といったハンディキャップを背負いながらも、その時々に合わせてマシンをセットし、ドライバーもアジャストして乗りました。シーズンを振り返るとチャンピオンを確定させた第5戦が印象に残っています。ZAPSPEEDから速いドライバー(杉本涼選手)が現れ、でもそれを抑えて優勝できたことが嬉しかった。2020年はJAF-F4に参戦します。そのためにさまざまな準備を行っている最中ですが、目標として一度は表彰台に上がりたいですね」
田んぼに突っ込んだり、前を走る車両に衝突したり、事故を起こすことが多かった細谷選手は、どうすれば事故を減らせるか知人に相談したそうだ。すると公道を走るモータースポーツのラリーで運転技術を習得することを勧められたという。
「2019年の東日本ラリー選手権で印象に残っているのは、第6戦のモントレーかな。降雨で路面コンディションが悪い上に、インカットが仇となってバーストしてしまったんです。タイヤ交換をしている時に、2番手につけていた村山/河西組が、追い抜き際に見せた喜んだ顔が忘れられなくて……でも最後はしっかり巻き返しましたけどね(笑)。現役の東大生の(ナビゲーターの)東君とコンビを組んだのですが、1年間一緒に戦ってくれて感謝しています。今年はGRヤリスを買うためにお金を貯めているとこです。今のヴィッツは古いクルマで限界もあるので。GRヤリスが手に入ったら、皆さんとの実力差を比較したいと思っています。とても楽しみですよ」
東選手は所属する大学の自動車部の先輩に勧められ、2017年の秋からラリーを始めて今に至る。自身の運転はうまくないと分析しつつ、速いドライバーの手助けをするポジションに魅力を感じてナビゲーターを志願した。
「(ドライバーの)細谷さんは速い方なので、まずは足手まといにならないように努めました。シリーズを連戦していくうちにようやく慣れ始め、一緒に速く走るために徐々に自分の考えも伝えていきました。とにかく全戦に参戦するために、まずはクルマを壊さないこと、そして完走することが共通の認識でした。お互いに好調不調の波が小さいこともあり、ポイントを着実に積み重ねてこられたのがチャンピオン獲得の要因だったと思います。今年は大学を卒業する年ですが、大学院に進学するのでラリー活動も継続していきます。まずは海外のラリーに挑戦することが目標。いろいろな経験をして強いナビゲーターになりたいと思っています」
勝利のルーティンは“晩御飯をしっかり食べる”“酒を飲んで気を落ち着かせて寝る”“翌朝は誰よりも早くサーキットへ行く”ことだという徳冨選手。競技歴は3年ながら2019年シーズンは4勝を挙げたツワモノだ。
「競技歴が短いので、とにかく毎週走り込んでいきました。またSタイヤのグリップを出すために、サポートを受けているコサリックワンのショックで試行錯誤。減衰値やバネレート調整、リアのトー角を毎戦変えていった甲斐あって、シリーズ終盤戦あたりで抜群にキターって感じです。クラブチームのピットイン茨城モータースポーツクラブからチャンピオン獲得の称賛をいただきました。ジムカーナはいろいろなコースが走れるところも魅力だし、若手でも勝てるチャンスがある競技ですね。今年は全日本を目指すなら3位以内、関東を目指すなら全勝チャンピオンが目標! ……まだ決まっていませんが、いずれにせよインテグラで参戦します」
馬場選手がモータースポーツに出会ったのは40代と遅咲き。わずかな興味はあれど現実感がなかったそうで、たまたま誘われた走行会でハマり、2013年のプレシーズンマッチからサーキットトライアル6年皆勤賞!!
「もうひたすら出続けましたね。当然、最初の頃は全然勝てなくて……。まぁ参加するだけでも楽しいんですが、参戦し続けているとタイムも段々と縮まってきて、順位も上がってくるわで成果が見え始めてくるわけですよ。時々優勝したりすると自分自身のスキルアップを実感できて嬉しかったです。2019年はチャンピオンをキメた第4戦が痺れました。第1戦、第2戦と勝利したものの、第3戦で2018年チャンピオンの蝶間林選手に逆転勝利されたので、追いつかれる可能性があったんです。ニュータイヤを投入して絶対に勝つという意気込みで臨みました。念願のチャンピオンとなりましたが、お金や休みを潰しても容認してくれた家内に一番感謝しています」
ダートトライアルの競技歴はトータルで3年弱、そのうち地区戦は2018年半ばにデビューして約1年半という杉谷選手。それ以前はモータースポーツとの関わりが一切なかったそうで、今回のチャンピオン獲得を喜んだ。
「丸和オートランド那須をメインコースとしてやっているんですが、改修前最後の丸和だけは全部勝ちたかったんです。逆に言うと、それ以外は競技歴の短さから、練習もしたことがない初めて走ったコースばかりでした。そんな中、島村選手を始め、同じクラスの選手の皆さんにはいろいろよくしてもらいました。一昨年にマシンを横転して悪いイメージを引きずったままシーズンを迎えたんですが、モチベーションを上げてもらったり、緊張感を和らげてもらったり、自分本来の力を引き出してもらえたんだと思います。2020年はまぐれのチャンピオンではないことを証明すべく、同じクラスで連覇を目指します。連覇を達成したらヤリスで出たいです」
フォト/宇留野潤、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部
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