「オートテスト IN アピタ大和郡山」が満を持して開催! 2021年のJAF WOMEN IN MOTORSPORT共催の相乗効果も!

レポート オートテスト

2021年12月20日

開催毎にその熟成度が増している「オートテスト IN アピタ大和郡山」。JAF WOMEN IN MOTORSPORTとの共催も定着し、近畿エリアではメジャーな大会のひとつとして数えられる。今回もオートテストファンが集い、運転の正確さを競い合った。

オートテスト2021 IN アピタ大和郡山
開催日:2021年12月12日
開催地:アピタ大和郡山店特設会場(奈良県大和郡山市)
主催:モータースポーツクラブ奈良

 底冷えのする季節となった12月12日、大型商業施設の駐車場がひときわ賑わった。奈良県大和郡山市にあるアピタ大和郡山店で行われた「オートテスト2021 IN アピタ大和郡山」は、開催当日の朝から気合の入った参加者たちがコースのゲートオープンを待ち望んでいた。

 近畿エリアでのオートテスト開催において豊富な実績を誇る、モータースポーツクラブ奈良(RC NARA)が主催だ。過去にはスピード行事部会の部会長を務め、日本国内のオートテストの礎を築き上げた小西俊嗣代表が注力する大会だけあって、その熱意は参加者にも大きな期待となって伝わっているようだ。

 このオートテストを成功に導く布陣として、全日本ジムカーナ選手権に参戦の久保真吾選手や、元全日本ジムカーナチャンピオンの川脇一晃氏をゲストとして迎えた。またJAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会の飯田裕子座長、村里早織委員らが女性参加者のサポートに回り、大会全体を盛り上げる工夫がしっかり施されている。

 そして、奈良トヨペットおよびネッツトヨタ奈良、奈良スバル自動車といった企業がこのオートテストに協賛し、会場隣のイベントスペースに車両を展示してモータースポーツ熱を高めていた。その他、ダイドードリンコからはオートテスト参加者へのドリンクの提供もあり、参加者に楽しんでもらうための趣向が詰まった開催となった。

 今回もJAF WOMEN IN MOTORSPORTとの共催となり、募集の段階で女性参加者枠のWOMEN部門が20台設定される。また男性参加者は一般部門となり、こちらも20台の枠が設けられた。そして両部門共にAT(軽自動車)のAクラス、マニュアルミッション車両(気筒容積制限なし)のBクラス、AT・CVT車両(気筒容積制限なし)のCクラスと、3クラスに区分された。

 新型コロナウイルス感染症の感染対策を徹底して行われた参加受付はドライブスルー方式で実施され、受付が終了すると指定されたパドック枠に駐車するルール。部門ごとに会場内の駐車スペースを二分割し、車両同士が密集しないようソーシャルディスタンス。車内の荷物を降ろして、キャンプチェアを設置しても余りあるスペースが割り当てられた。

 競技会主要役員やゲストの挨拶、協賛企業を紹介する開会式を経て、奈良スバル自動車の新型BRZでコースの詳細説明が行われる。スタート直後の直線上でいきなりラインまたぎが設定されているが、これは全参加者に一旦落ち着いてもらうのが狙い。後退して方向転換し、緩急ついたスラロームをこなしながらコースを一気に横断、3つのパイロンを大きく右旋回した後は、2つのパイロンを左急旋回して再びラインまたぎ。後退で左後方のガレージに車両を動かし、左前方でゴールというコースレイアウトだ。

 実はこのコース、ミスコースをしないための配慮が施されている。とくに間違えやすいスラロームセクションのパイロンは、ブルーとイエローに色分けされており、ブルーは右側から通過、イエローは左側から通過、という法則となっていた。その他、ラインまたぎはグリーン、スタート/ゴールとガレージにはレッドパイロンが使われている。「ミスコースでつまらない想いをさせたくない」という主催者の意向が反映されている。

アピタ大和郡山店の正面に設けられたオートテストの特設会場。ショッピングセンターの駐車場という広大な敷地をうまく活用してオートテスト2021 IN アピタ大和郡山が開催された。
参加受付はドライブスルー方式。非接触の検温を行い、ゼッケンやコース図等が入った資料を受け取った後は安全点検へ移行。シートベルトの動作確認やハンドルのガタつき、運転席足元の障害物の有無が確認される。
オートテストの会場に隣接する駐車場には奈良トヨペット/ネッツトヨタ奈良のブースが、話題の車両の展示を行った。そして会場内にはダイドードリンコからのドリンクサービスが設置され、参加者たちはのどを潤した。
会場内の奈良スバル自動車ブースに展示されたBRZは、参加者に向けたコース説明で実走して活躍。その隣のブースでは大和郡山観光協会が参加費無料のてづくり缶バッチ体験を行って大和郡山市をPR。
ゲストの久保真吾選手と川脇一晃氏が実況MCを務め、オートテストを盛り上げた。また女性参加者をサポートするJAFウィメン・イン・モータースポーツ作業部会からは飯田裕子座長、村里早織委員、森内倫子委員が来場。
色分けされたパイロンは、コースレイアウトに不安を覚える参加者たちの心強い目安となった。1か所だけ設けられたガレージについては、参加者の安全性を考慮し、スピードが乗りすぎないよう絶妙なサイズで設定されている。
駐車場内を端から端までふんだんに使用したコースレイアウト。難関は最終セクションのラインまたぎからのガレージで、左旋回からラインまたぎへの進入角度によって、その後のガレージへの進入の難易度が変化したようだ。

 一般部門Aクラスはコペンの松岡廣隆選手が一歩抜き出たタイムを出すもペナルティが加算され、1回目の走行を終えた時点で横並びの僅差の戦いとなった。その松岡選手は2回目で慎重になりすぎたか、タイム更新ならず。逆に思い切り攻めたステラの青木一朗選手が優勝を果たした。

 11台がエントリーした一般部門Bクラスでは、MT車同士の熾烈な戦いに。中でも安定した速さを見せたのは軽自動車勢だったが、インテグラやBRZも奮闘する。だが、古川和樹選手のミニカが驚異的なタイムを刻み、他の追随を許さずぶっち切りの優勝となった。

 一般部門Cクラスはミスコースやパイロンタッチによるペナルティに苦しむ選手が続出した。しかしSAIを駆る藤塚伊織選手が2回共に42秒台と盤石のタイムを刻む。慣熟歩行の段階から真剣な眼差しでオートテストに臨んでいた甲斐あって、しっかりと優勝をつかんだ。

 軽AT車が参加できるWOMEN部門Aクラス。走行1回目ではオートテストの不慣れさも手伝って全員が悪戦苦闘していたが、2回目では各自がタイム更新する躍進ぶりを披露。とくに王似玉選手は約8秒もタイムを縮める好走で、うれしい優勝となった。

 WOMEN部門BクラスはミゼットⅡからGRヤリスまで参加車両のバラエティに富んだクラスとなった。ロードスターの定松舞子選手とCR-Xの山本雪選手が速さを発揮したが、走行1回目にペナルティで下位に沈んだ蓬茨夕美選手が奮起して逆転。小回りの利くミゼットⅡの速さを示した。

 そしてWOMEN部門Cクラスは、ゴルフヴァリアントでさまざまなオートテストに積極的に参加している尾藤美子選手が悲願の優勝を果たす。1回目の走行から暫定トップを奪うと、2回目ではさらにタイム更新。表彰式では賞典のメダルを首から下げ、満面の笑みを見せた。

3台出走の一般部門Aクラス表彰式。優勝はステラを駆る青木一朗選手。2位はコペンの松岡廣隆選手、3位はゼストの多田淳史選手。
11台出走の一般部門Bクラス表彰式。優勝はミニカを駆る古川和樹選手。2位はBRZの辻井啓貴選手、3位はアルトの中村和仁選手、4位はコルトの前田健裕選手、5位はアルトワークスの東晃司選手、6位はインテグラの細井敦夫選手。
6台出走の一般部門Cクラス表彰式。優勝はSAIを駆る藤塚伊織選手。2位はシエンタの矢田善彦選手、3位はキューブの岡本良雄選手。
3台出走のWOMEN部門Aクラス表彰式。優勝はゼストを駆る王似玉選手。
7台出走のWOMEN部門Bクラス表彰式。優勝はミゼットⅡを駆る蓬茨夕美選手。2位はロードスターの定松舞子選手、3位はCR-Xの山本雪選手。
9台出走のWOMEN部門Cクラス表彰式。優勝はゴルフヴァリアントを駆る尾藤美子選手。2位はCX-5の石井沙織選手、3位はゴルフカブリオレの近藤育美選手、4位はアウディQ3の前田こと選手、5位はスイフトスポーツの高田節子選手、6位はアクアの仲野美里選手。

 オートテストが開催されている時間はちょうどアピタ大和郡山店の営業時間と重なり、たまたま買い物に訪れた一般客がこのイベントに気がついて、何人も入れ替わりで見学に来ていた。日常のアシとしてクルマを使う人にとっても、マイカーで気軽に参加できるこのオートテストは興味深い存在となっていたようだ。

アピタ大和郡山店とオートテスト会場を繋ぐ通路では、新型コロナウイルス感染対策が採られたものの、一般の買い物客も気軽に立ち入ることができた。参加選手の応援に駆けつけた家族の姿もちらほら見かけた。
オーガナイザーならびにオフィシャルの皆さんは開催準備に余念がない。綿密な打ち合わせを行い、このオートテストを成功へと導いている。ヒート毎に清掃をし、コース上の安全対策も怠らない。
1本目と2本目の間のランチ休憩時は、奈良トヨペットによるデモランが披露された。オートテストのコースを使って深紅の新型車が走行。またキッズカーターがチャウピーカートもデモラン、運転の楽しさをアピールした。
表彰式前に行われた全日本チャンピオンらによる同乗走行は大人気。実際に走行したコースを速く正確に走るテクニックに驚かされた参加者もいたほどだ。
大会を締めるじゃんけん大会は主催者が用意した地元で獲れた特選米。勝ち残った人も負けてしまった人も、楽しいひとときを過ごしたようだ。

オートテスト参加者インタビュー

家族ぐるみでオートテストを満喫しちゃいます!

大和郡山で開催されるJAF WOMEN IN MOTORSPORTS共催のオートテストに初回から参加されている方を紹介。石井沙織選手は初年度にCX-5で一人で参加、翌年は父親を誘ってそれぞれのクルマで参加、そして今年は両親が応援団と撮影係となり、さらにご結婚をされてご主人を連れて参加と、参加スタイルは異なるものの、それらを楽しまれている様子が微笑ましい女性だ。天気に恵まれた今回は走行を待つ間、クルマの脇でピクニックをするみたいに椅子を並べて日光浴。そういう楽しみ方があると気づかされた。
「オートテストはスーパーの駐車場で本当に気負わず、CX-5のようなクルマでも楽しめるところが良いですよね。私に合っているんだと思います」と初年度の参加からコメントしており、石井選手は自分のペースや価値観で楽しんでいることがこの3年間の参加を通して伝わってきた。今年は初めて同乗者(ご主人)を乗せてチャレンジし、Cクラスで2位に入賞した。

フォト/吉見幸夫、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部、飯田裕子

<関連リンク>
JAF WOMEN IN MOTORSPORTとのコラボも4回目となる2021年のオートテスト。その第4弾はアピタ大和郡山店の駐車場を利用して大々的に開催!

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