11月開催、FIA世界ラリー選手権「ラリージャパン」のチケット販売概要を発表!

ニュース ラリー

2023年7月3日

来る11月16~19日、愛知県と岐阜県を舞台に開催が予定されている「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」のチケット販売概要が6月28日に発表された。この発表の中には22本のステージ構成も明らかにされ、2023年WRC日本ラウンドの概要も見えてきた。

「フォーラムエイト・ラリージャパン2023 PRイベント」
開催日:2023年6月28日
開催地:愛知県名古屋市
主催:ラリージャパン2023実行委員会

昨年11月、12年ぶりに復活したFIA世界ラリー選手権(WRC)日本ラウンドは、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響などにより、当初の予定から2年遅れで開催された。

 日本のラリーファンや関係者の悲願として実現した「ラリージャパン」は、豊田スタジアムに設定されたサービスパークと岡崎市のスーパースペシャルステージには約9万人のギャラリーを集め、TOYOTA GAZOO Racing WRT Next Generationの勝田貴元選手が総合3位フィニッシュを果たしたことなどにより、大きな盛り上がりを見せた。

 来たる2023年大会は、11月16~19日に愛知県と岐阜県で開催され、昨年同様にWRC最終戦としてカレンダーされている。今年から地方公共団体である豊田市がJAF加盟団体としてオーガナイズに加わることになっており、6月28日に行われたPRイベントは、今発表会では、新体制となって初めて開催されるプロモーションイベントとなった。

 このイベントでは、ラリージャパン2023実行委員会の会長を務める豊田市の太田稔彦市長と、副会長を務める恵那市の小坂喬峰市長が登壇。ゲストとして、昨年のラリージャパンを戦った勝田範彦選手や梅本まどか選手も登場し、昨年はスペシャルステージの実況を務めたレースアナウンサーのピエール北川氏が今イベントのMCを担当した。

 初めに、太田稔彦会長から現状の準備状況や最新情報の提供があった。まずは大会コンセプトとして、まず合言葉「ENJOY! RALLY JAPAN」を掲げ、さらに「WITH FUNS」、「WITH TEAMS」、「WITH HOSTTOWNS」、「WITH EARTH」の4つのキーワードを挙げて、「ファンや参加チーム、開催市町の自治体の皆さんがラリーの迫力を感じてもらい、魅力を存分に楽しんでもらえるような大会を作り上げたい」と意気込みを語った。

「WITH FUNS」としては、今年はより多くのファンがラリージャパンを楽しめる施策を挙げ、新たに豊田スタジアム内に「デュアルSS」を設けて、11月16日の木曜から3日間、それぞれの日に3万5000人を受け入れるという。そして、19日の日曜は全席自由席として比較的安価な設定を提供し、4日間で相当数の観客が観られるようにするという。

 太田会長は「昨年は新型コロナウイルスの影響もあり、多くのファンの方にご覧いただけなかったことを反省材料として捉え、今年はもっと多くのお客様に来ていただけるように工夫をしました。その一つが豊田スタジアムでの新SSです。ラリーは山岳地で行われるため、どうしても入場者数に制限がかかってしまいます。より多くの皆さんにラリーを楽しんでいただき、ラリーファンの裾野を広げる、そういう意味で、豊田スタジアムの活用は相当効果があると思っています。もう一つは、岡崎中央総合公園の岡崎SSです。こちらは開放的な雰囲気の中でラリーを楽しめますので、豊田スタジアムと岡崎中央総合公園の二つのSSでファンの拡大を図って参りたいと思います」と語った。

 そして、太田会長からは4日間の全体像も明らかにされた。世界中から好評を博したという「伊勢神トンネル」や「神(じん)ジャンクション」を始めとした全22ステージを設定し、「日本の里山の原風景を疾走するラリーカーを通じて、日本の原風景がいかに価値あるものか、素晴らしいものかを国内外にしっかり伝えたい」との意気込みも語られた。

 気になるチケット販売概要としては、まずは地元の開催地域限定の先行販売が行われ、7月14日からオフィシャル先行販売、8月25日から一般販売、といったように、順次各種チケットが販売される形式で行われることが発表された。この形式について「昨年は先着順ということもあって、多くの皆さまから様々なご意見を頂戴しました。今回は段階を踏むということと、抽選販売ということを心がけておりますので、できるだけ公平に、多くの皆さんにチャンスが行き渡るように工夫して参ります」と太田会長は語っている。

 山間ステージや岡崎SSの観戦チケットについては、複数名が同乗来場すると割引がある「同乗割引観戦券」や、指定駅から観戦会場までバスで移動する観戦チケットに加え、各種エンターテインメントを楽しめる個室プラン「オフィシャルホスピタリティチケット」というパッケージの設定も明らかにされた。

「WITH TEAM」としては、来日する選手がアスリートとして最大限の力を発揮できるように日本らしい”おもてなし”の受け入れをすると同時に、ドライバー、コ・ドライバーの”すごみ”をもっと伝えられる演出も予定しているという。今イベントでは、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ選手と勝田貴元選手、昨年のウィナーであるHYUNDAI SHELL MOBIS WRTのティエリー・ヌービル選手、M-SPORTS FORD WRTのオイット・タナック選手からのビデオメッセージが紹介された。

 また、「WITH HOSTTOWNS」を示す三つの企画が紹介された。一つは昨年も行われた地元小学校でラリーの魅力を伝える「ラリー教室」の継続開催、二つ目は、地元テレビ局のアナウンサーによる「ラリージャパン応援団」との連携、三つ目としては、開催市町で行われる夏の各種お祭りで行うプロモーションを挙げている。「他にも、8月中旬には都内においてデモランイベントも検討しています。今年は地元自治体が主催しますので、地元自治体が主催することならではの大会運営を目指します。愛知・岐阜のそれぞれの自治体が責任をもって盛り上げて参ります」とは太田会長。

 そして「WITH EARTH」として、「今大会は日本の美しい山村、日本の原風景を舞台にして展開されます。その魅力を伝えられるラリーだからこそ、環境に優しいサステイナブルな大会を目指します。ラリージャパンは、すでにFIA環境認証プログラムの二つ星を獲得していますが、今大会では最高ランクとなる三つ星の獲得を目指して参ります。その具体的な取り組みの一つとしては、豊田スタジアムでのスペシャルステージとサービスパークの運営において、地産の太陽光発電と水素を中心とした再生可能エネルギーを積極的に活用して参ります。トヨタ自動車さんとも連携をとってカーボンニュートラル社会を見据えた、新たな大会運営にチャレンジして参ります」と太田会長は説明している。

 太田会長によるこれらコンセプトの説明の後には、勝田範彦選手と梅本選手、太田会長と小坂副会長を交えたスペシャルトークセッションも行われ、WRC公式ライブ配信でおなじみのベックス・ウィリアムズ氏によるビデオメッセージの紹介に加え、2022年大会の振り返りや2023年大会の見どころなどがトークテーマとなっていた。

 今大会で新設される豊田スタジアムの「デュアルSS」について勝田範彦選手は、「選手側には気をつけないといけないことがあって、ステージの1コーナーはオフセットされているんですが、ヨーイドン!で一緒にスタートすると、コーナーに入るタイミングを逃してしまうんです。隣の選手に釣られちゃうんですよね。それが注意点です(笑)」と2台同時スタートのスーパースペシャルステージ走行経験者ならではのコメントを披露した。

 梅本選手は「豊田スタジアムは、サッカー観戦でグランパスの応援に行ったり、SKE48だったときにコンサートをさせていただいた場所なんです。昨年はセレモニアルスタートのときに、ここからスタートできる!という気持ちでしたが、今回はそこでバトルができるということで、自分の中では、また一つ、豊田スタジアムで自分を成長させられることがうれしいんです。自分はドライビングをするわけではないんですが、いい走りを観てもらい、楽しんでもらえるように頑張りたいと思います」と、早くも意気込みを語った。

 トークセッションの最後に、太田会長は「まずは、競技者にとっても観客にとっても、安全で安心できる大会を目指します。その上で、ラリーファンやモータースポーツファンの目線を大切にしたいと思います。モータースポーツは、スポーツと言いながら、スポーツの領域からは少し距離が置かれている雰囲気があります。この機会をとらえて、ラリーを、モータースポーツを、スポーツとして盛り上げていきたいので、応援よろしくお願いします」と締めくくった。

 また、実行委員会では「オフィシャル競技ボランティア」の募集も開始しており、2023年11月12日~19日の期間で愛知県内、岐阜県内の各競技コースの道路封鎖を担当する約700名のボランティアを投入する予定となっている。応募条件は活動日時点で18歳以上(高校生不可)となっており、「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」大会公式ホームページから申し込みを行い、抽選で約700名が選出されることになっている。

ラリージャパン2023実行委員会の会長を務める豊田市の太田稔彦市長と、副会長を務める恵那市の小坂喬峰市長が登壇した。
昨年の大会に参戦した勝田範彦選手と梅本まどか選手がゲストとして登場。トークショーではピエール北川氏がMCを担当した。
中京テレビ放送とCBCテレビ、東海テレビ放送、名古屋テレビ放送、テレビ愛知のアナウンサーも応援団として大会を盛り上げる。
最高峰ラリー競技の”すごみ”を想起させる「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」の新たなキービジュアルも公開された。

PHOTO/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、中島正義[Tadayoshi NAKAJIMA] REPORT/遠藤樹弥[Tatsuya ENDOU]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]

<関連リンク>
「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」大会公式ホームページ

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