東北モータースポーツ表彰式が2023シーズンも“日本三御湯”のひとつで開催!

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2023年12月22日

11月末に2023年のモータースポーツシーズンが終了した東北地区。まだ熱戦のほとぼりが残る12月17日にJAF東北支部とJMRC東北によって、2023年JAF東北地方選手権・JMRC東北シリーズ モータースポーツ表彰式が開催された。

2023年JAF東北地方選手権・JMRC東北シリーズ モータースポーツ表彰式
開催日:2023年12月17日
開催地:ホテルニュー水戸屋 コンベンションホール「曙」(宮城県仙台市)
主催:JAF東北本部、JMRC東北

 開催地は2019年以来の開催となった2022年と同じく、宮城県仙台市内の秋保温泉に建つホテルニュー水戸屋。冬のみちのくらしく、時折雪も舞う天候のもと、2023シーズンの激戦を戦い抜いた受賞者たちが集った。

 同日の午前中には同ホテルの会議室にて、JMRC東北の運営委員会も開催、村田浩一モータースポーツ部長をはじめJAFモータースポーツ部の職員も参加した。午後に開催する式典の最終打合せ、そして各支部からの報告、さらにJMRC東北とモータースポーツ部との意見交換などが行われた。

秋保温泉は古墳時代の伝承も伝わる、歴史ある温泉地。別所温泉とモーターランド野沢のお膝元の野沢温泉(ともに長野県)とともに“日本三御湯”と呼ばれている。宮城県道62号線二口街道を進むと、巨大こけしが来訪者を歓迎してくれる(左)。式典の会場となったホテルニュー水戸屋は16趣の湯巡りが満喫できる温泉が自慢の、1630年頃から続くと伝わる老舗だ(右)。
午前中にJMRC東北が開催した運営委員会では、JAFモータースポーツ部から村田浩一部長をはじめとした職員も参加し、意見交換の場では積極的な意見交換が行われて情報共有がはかられた。

 2022年に続き、会場は1階のコンベンションホール「曙」。2022年と異なるのは、立食形式でのビュッフェが復活したこと。会場の中央に置かれた多種多様なメニューに舌鼓をうちながら、参加者たちは式典を満喫していた。

 式典はJAF東北本部の渡辺広章本部長が登壇し、開会の挨拶により始まった。続いてJMRC東北の日向俊男運営委員長が登壇、そして来賓のみなさまが紹介され、代表として利府町の熊谷大町長と株式会社菅生の佐々木一成代表取締役社長が挨拶を述べた。乾杯の音頭は村田部長がとり、賞典の授与に移った。

 賞典はJAF東北ダートトライアル選手権/JMRC東北ダートトライアルチャンピオンシリーズ、JAF菅生サーキットトライアル選手権/JMRC東北菅生サーキットトライアルシリーズ、JAF東北ジムカーナ選手権/JMRC東北ジムカーナシリーズ、JMRC東北スーパーFJ選手権、JMRC東北ロードスターカップ、JMRC東北ラリーシリーズの順で授与された。

 プレゼンターはダートラが渡辺本部長、サーキットトライアルは佐々木代表取締役社長、ジムカーナは村田部長、レースは日向事務局長、ラリーは熊谷大町長が務めた。カップと表彰状を受け取ったチャンピオンは、戴冠の喜びや2024シーズンの抱負などを語った。

式典のスタートはJAF東北本部の渡辺広章本部長が登壇。様々な制限や制約が緩和されたことにより競技会数や観客者数が増加した、東北モータースポーツの振興に尽力された関係者と受賞者のみなさまへの感謝とお祝いを挨拶で述べた。
渡辺本部長に続き、JMRC東北の日向俊男運営委員長が各全日本選手権をはじめ、盛り上がった2023シーズンの東北モータースポーツを振り返り関係者への感謝と受賞者を祝うとともに、来る2024シーズンもさらなる盛り上がりを願う挨拶を述べた。
左から利府町の熊谷大(くまがいゆたか)町長、株式会社菅生の佐々木一成代表取締役社長、株式会社エビスサーキットの熊久保信重代表取締役社長(代理)、サンライズサーキット合同会社の坂本光代表が来賓として招待された(上)。代表として熊谷大町長(中)と佐々木代表取締役社長(下)が挨拶を述べた。
乾杯では、村田部長が登壇。受賞者のみなさまへの敬意とお祝い、東北モータースポーツの2023シーズンに携わった関係者への御礼、熊谷大町長とのエピソードも述べて、音頭をとった。
2019年以来となる、立食形式のビュッフェの復活もこの式典の大きなトピック。盛岡冷麺など、東北ならではのメニューをはじめとしたバラエティー豊かな料理が会場中央に並び、出席者たちは大いに味わった。
司会はオートテストの場内アナウンスでも活躍している千葉真樹子氏が務め、スムーズに式典が進行された。
カップや表彰状を渡すプレゼンターのアシスタントは、EBISUレースクイーンの佐藤亜衣さん(左)と高久香那さん(右)が務めた。
2023年JAF東北ダートトライアル選手権/2023年JMRC東北ダートトライアルチャンピオンシリーズFRクラスの表彰。左から2位の佐藤秀昭選手(代理)、3位の熱田行雲選手(代理)チャンピオンの寺田みつき選手、JAF4位の小関高幸選手(代理)。JMRC5位の竹本幸広選手、JAF5位/JMRC4位の柳杭田貫太選手(代理)、JAF6位の森戸亮生選手(代理)。JMRC6位の伊藤信裕選手は欠席。
ダートラ2WD-1クラスの表彰。左から2位の猪股将大選手、3位の松田拓斗選手(代理)、チャンピオンのいりえもん選手、4位の守屋仁選手(代理)、5位の柳本弘信選手、6位の長曽航太選手(代理)。
ダートラ2WD-2クラスの表彰。左から2位の今隆志選手(代理)、3位の竹村由彦選手(代理)、チャンピオンの武蔵真生人選手、4位の菱谷克幸選手(代理)、5位の中山祐太郎選手、6位の佐藤史彦選手。
ダートラ4WD-1クラスの表彰。左から2位の太田敏明選手、3位の林健一選手(代理)、チャンピオンの伊藤久選手、4位の緒方克明選手(代理)、5位の鈴木正臣選手(代理)、6位の菊田真弥選手(代理)。
ダートラ4WD-2クラスの表彰。左から2位の四戸岳也選手(代理)、3位の大西康弘選手、チャンピオンの加藤琢選手、4位の遠藤誠選手、5位の須藤正人選手、6位の須田行雄選手。
2023年JAF菅生サーキットトライアル選手権/2023年JMRC東北菅生サーキットトライアルシリーズCT1クラスの表彰。左から2位の金川大貴選手、3位の相澤真選手(代理)、チャンピオンの芦名英樹選手、5位の千葉明宏選手(代理)、6位の澤田石哲選手。4位の木村司選手は欠席。
サーキットトライアルCT4クラスの表彰。左から2位の高岩良行選手、チャンピオンの松橋豊悦選手、4位の千葉保明選手、6位の林憲孝選手(代理)。3位の門馬勇人選手と5位の田中洋一選手、6位の小林公教選手は欠席。
サーキットトライアルCT6クラスの表彰。左からチャンピオンの吉崎久善選手(代理)、2位の熊本壮一郎選手、3位の樋口美和選手、4位の千葉睦宏選手(代理)。
2023年JAFジムカーナ選手権SATW-2クラスの表彰。左から2位の関勝哉選手、3位の豊本将希選手、チャンピオンの阿部崇治選手、4位の清水直人選手、5位の畠山佳選手(代理)、6位の吉岡真選手(代理)。
JAF東北ジムカーナSATW-4クラスの表彰。左から2位の中村武留選手、3位の熊谷香選手、チャンピオンの佐柄英人選手、4位の小野敦史選手(代理)、5位の髙橋弘道選手(代理)、6位の豊下勝彦選手(代理)。
JAF東北ジムカーナPN-3クラスの表彰。左から2位の成澤裕太選手、3位の工藤将人選手、チャンピオンの巻口洋平選手、4位の後藤知宏選手、5位の池沢広行選手、6位の工藤典史選手(代理)。
JAF東北ジムカーナBSC-2クラスの表彰。左から2位の宍戸政宏選手、3位の菊池功悦選手(代理)、チャンピオンの上野健司選手、4位の熊谷駿選手(代理)、5位の藤原雄司選手(代理)、6位の田中心選手。
2023年JMRC東北ジムカーナシリーズ クラス2の表彰。左から2位の吉田友明選手、3位の米谷直樹選手、チャンピオンの木村文哉選手、4位の三上知彦選手、5位の伊藤研選手(代理)、6位の工藤利康選手(代理)。
JMRC東北ジムカーナ クラス3の表彰。左から2位の米田茂選手、3位の岩谷武選手、チャンピオンの越後谷圭一選手、4位の川村茂倫選手。
JMRC東北ジムカーナ クラス4の表彰。左から2位の葛西満選手(代理)、3位の木下雄喜選手、チャンピオンの村上哲選手、4位の北向寿選手(代理)。
JMRC東北ジムカーナ クラス5の表彰。左から2位の沢田勝選手(代理)、3位の小舘久選手、チャンピオンの中村選手、4位の大川和久選手(代理)。
JMRC東北スーパーFJ選手権の表彰。左から3位の池田拓馬選手、チャンピオンの内田涼風選手、4位の中澤凌選手、5位の豊島里空斗選手(代理)。2位の椎橋祐介選手と6位の磐上隼斗選手は欠席。
2023年JMRC東北ロードスターカップUnder1600クラスの表彰。チャンピオンの川崎俊英選手(代理)、2位の佐藤覚選手。
JMRC東北ロードスターカップOver1600クラスのチャンピオン、阿部剛選手。
2023年JMRC東北ラリーシリーズ ドライバーB1クラスの表彰。左から2位の橋本奨選手、3位の村里尚太郎選手、チャンピオンの渡辺謙太郎選手、4位の熊坂敏彦選手、5位の菊池恒博選手、6位の阿部徳行選手。
JMRC東北ラリー コ・ドライバーB1クラスの表彰。左から2位の吉田知宏選手、3位の御纏喜美子選手、チャンピオンの伊藤克己選手、4位の熊坂時男選手、5位の熊谷悠希選手、6位の阿部祏大選手。
JMRC東北ラリー ドライバーB2クラスの表彰。左から2位の沼尾秀公選手、3位の小舘選手、チャンピオンの佐々木松紀選手、4位の成田正彦選手、5位の武田修選手、6位の鮎川諒一選手(代理)。
JMRC東北ラリー コ・ドライバーB2クラスの表彰。左から2位の遠藤選手、3位の沼尾千恵美選手、チャンピオンの伴英憲選手、4位の斎藤利章選手、5位の畠山修選手、6位の原田晃一選手(代理)。
JMRC東北ラリー ドライバーB3クラスの表彰。左から2位のいりえもん選手、3位の橋本寿選手、チャンピオンの石倉英昭選手、4位の柳本選手、5位の松田拓斗選手(代理)、6位の武藤亘輝選手。
JMRC東北ラリー コ・ドライバーB3クラスの表彰。左から3位の多比良二三男選手、チャンピオンの山口清選手、4位の大野千明選手、5位の水永啓太選手、6位の小原大選手。2位の長曽選手は欠席。
JMRC東北ラリー ドライバーB4クラスの表彰。左から2位の西村章選手、3位の坂本直仁選手(代理)、チャンピオンの室田仁選手。
JMRC東北ラリー コ・ドライバーB4クラスの表彰。左から3位の中村晴興選手(代理)、チャンピオンの鎌田雅樹選手、2位の藤田美登里選手。

 受賞者への章典の授与が終わると、2023シーズンのJAF全日本選手権のチャンピオンとJAFカップを制した選手たちが紹介された。2023年JAF全日本ダートトライアル選手権PN3クラスで2回目の全日本チャンピオンを獲得した竹本幸広選手、2023年JAFカップオールジャパンダートトライアルでSC2クラスを制した大西康弘選手とPN3クラス優勝のKANTA選手、2023年JAFカップオールジャパンジムカーナでB・SCクラスを制した佐藤英樹選手が呼ばれて壇上に上がり、頂点に立った喜びなどのコメントを残した。

 そして、受付時に購入したカードを使ったビンゴを開催。豪華賞品をめぐり読みあげられる番号に期待をふくらませながら盛り上がった後、JMRC東北の須田行雄副運営委員長の音頭による一本締めによって、閉会となった。

左から2023年JAFカップオールジャパンジムカーナB・SCクラス優勝の佐藤英樹選手、2023年JAFカップオールジャパンダートトライアルSC2クラスを制した大西選手、2023年JAF全日本ダートトライル選手権PN3クラスチャンピオンの竹本幸広選手、JAFカップダートラPN3クラス優勝のKANTA選手(代理)。
式典の最後には厳選された豪華賞品をめぐるビンゴを開催。出席者たちはスクリーンに表示される番号が自分のカードに載っているか一喜一憂しながら、ひと時を楽しんだ様子だった。
自身もダートラ4WD-2クラスで6位を獲得した、JMRC東北の須田運営副委員長による一本締めによって、東北地区の2023シーズンを締めくくる式典の幕が下りた。

2023年JAF東北地方選手権「初」チャンピオンインタビュー

2023年JAF東北ダートトライアル選手権FRクラス 寺田みつき選手
東北地区戦には初参戦ながら、優勝はなかったもののコンスタントにポイントを積み上げてチャンピオンを獲得した寺田みつき選手。壇上では「成長の一年でした」と2023シーズンを振り返ったが、「走り方がずいぶん変わったと思います。前まではけっこう気合で走っていたんです。そうではなくて、ちゃんとクルマの動かし方を学んで走れるようになりました」と成長を実感しているそうだ。成長ぶりはWomenクラスで2位を獲得した、ホームコースのエビスサーキット新南コース スライドパークでのJAFカップでも感じられたそうだが「公開練習1本目、2本目、本番1本目まではけっこう失敗しているんですよ。ちゃんとやっと本番2本目でそれなりに走ったかな、くらいなので」と反省しきり。「80%の走りでもいいんで、ミスなく毎回走りきれるようになりたいです。(そこから)安定感を底上げしていきたいです」と2024シーズンの目標を語った寺田選手。連覇を目指す新たなシーズンではさらに進化した走りを見せて、東北地区戦初優勝にも期待したい。
2023年JAF東北ダートトライアル選手権2WD-1クラス いりえもん選手
「試させてくれる場として東北はすごい楽しかったのですが、(ダブルエントリーしたドライバーが)横転して走れなかったり、クラッチが焼けて2本目走れなかったとか、ドキドキするシチュエーションが多かったですね」と振り返ったいりえもん選手の2023シーズン。第5戦までに3勝を挙げ、2戦を残して早々にチャンピオンを決めたほか、BC-3クラスのドライバーランキング3位を獲得したJAF東日本ラリー選手権をはじめ、数多くの競技会に参戦した。2011年からメカニックやエンジニアとしてモータースポーツに関わり始めた経歴を持ち、現在はドライビングアドバイザーをはじめ多種多様なかたちでモータースポーツに携わっている。それらの経験にも基づき「アクセル、ブレーキ、クラッチ、ステア、シフト、目線の6項目しかドライバーはできないので。ただ、タイヤ、路面、条件、(車両の)パワーが全部変わるので、その違いに対して自分が何を入力できるか。条件を細分化して持っている能力を入れてあげて、いきすぎかいきすぎないかの判断に気をつけています」と自身のドライビングについて語ってくれたいりえもん選手。2024シーズンは「ラリージャパンに(FIA世界ラリー選手権の)選手権クラスで参戦する」という目標に邁進する。
2023年JAF菅生サーキットトライアル選手権CT4クラス 松橋豊悦選手
2022シーズンにJAF筑波サーキットトライアル選手権でサーキットトライアルにデビュー、いきなりCT4クラスでランキング2位を獲得した松橋豊悦選手。2023シーズンは筑波に加えてSUGOとJAF岡山国際サーキットトライアル選手権にも参戦、SUGOと岡山国際のCT4でチャンピオン、筑波では2年連続ランキング2位の好成績を収めた。「走行会だったら雨が降ったら走らないとか、タイムが出ない路面だったら走らないところが、競技だとどんな天候でもどんな路面でも、その場の条件で走らなくてはいけない、というのが非常に自分の中でマッチしたんです。“やった感”がある、というのがひとつですね」と参戦のきっかけを語る。SUGOは第1戦が初走行だったそうだが「高速コーナーが得意だと思うので1、2、3コーナーだったり、SPイン・アウト、最終(コーナー)のつなぎ方っていうのは体に合っていると思いますね」と語り、2023シーズン最後の第4戦ではシーズンの集大成として第2戦でマークしたコースレコードをさらにぬりかえた。2024シーズンもひき続きストイックにサーキットに挑み、さらなるタイム更新に期待したい。

フォト/宇留野潤 レポート/JAFスポーツ編集部

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