JAF東北モータースポーツ表彰式、2024年は宮城県岩沼市に会場を移して盛大に開催!
2025年1月22日

全国8地区の中で最初に北海道が2024シーズンのモータースポーツ表彰式を開催した約一週間後の2024年12月15日に、隣の地区である東北でも「JAF東北地方選手権 JMRC東北シリーズ2024年モータースポーツ表彰式」を開催。2024シーズンの東北モータースポーツで優秀な成績を収めた選手たちが新たな会場に集い、表彰された。
JAF東北地方選手権 JMRC東北シリーズ
2024年モータースポーツ表彰式
開催日:2024年12月15日
開催地:ホテルテトラリゾート仙台岩沼(宮城県岩沼市)
主催:JAF東北本部、JMRC東北
東北でのモータースポーツ表彰式といえば“仙台の奥座敷”とも呼ばれている、宮城県仙台市太白区の秋保温泉での開催が恒例だった。2024シーズンは心機一転、同じ宮城県内でも仙台市の南、岩沼市の山地に建つグリーンピア岩沼内にある「ホテルテトラリゾート仙台岩沼」の会場、アゼリアが新たな舞台となった。
表彰式開始前には同施設の別室にて、JMRC東北の運営委員会も開催されて運営委員が集い、JAF本部モータースポーツ部の田川員誉スポーツ課長も出席した。競技会に参戦する選手たちを守るJMRC東北独自の共済の見直しにはじまり、この後開催する式典の進行確認などの議事を進めた。


午後になり、式典がスタート。主催者挨拶にJMRC東北の日向俊男運営委員長とJAF東北本部の府川雅美事務局長が登壇。2024シーズンの東北モータースポーツで活躍した受賞者たちへの祝辞と、オフィシャルや主催クラブ、競技会場や競技会開催地の自治体など関係者たちへの御礼を述べた。そして、来賓のみなさまが紹介され、代表として宮城県利府町の熊谷大町長がスピーチした。
表彰は、2024年JAF全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権のドライバーランキングで2位を獲得した、小林利徠斗選手から始まった。そしてJAF東北ダートトライアル選手権/JMRC東北ダートトライアル チャンピオンシリーズ、JAF菅生サーキットトライアル選手権/JMRC菅生サーキットトライアルシリーズ、JAF東北ジムカーナ選手権、JMRC東北ジムカーナシリーズ、JMRC東北ラリーシリーズ、JMRC東北ロードスターカップの順で受賞者たちに賞典が授与された。



































更に、2024年JAF全日本ダートトライアル選手権PN2クラスで念願のチャンピオンを獲得した佐藤卓也選手と、PN3クラスで2年連続3度目のチャンピオンを掴んだ竹本幸広選手が紹介されて壇上に立ち、その活躍が称えられた。
続けて受付で配布されたカードを用いたビンゴ大会を開催。競技会場での活躍も期待できる、電動工具やポータブル電源など、豪華な景品を巡って出席者たちは、会場の壁面に表示されるビンゴの番号に一喜一憂していた。
そして、JMRC東北の須田行雄副運営委員長が登壇して表彰式を締めくくった。式典中は食事を楽しみながら2024シーズンの健闘をライバルたちと称えあった受賞者のみなさまは、2025シーズンに向けてそれぞれの思いを胸に散会した。



2024年JAF東北地方選手権「初」チャンピオンインタビュー

2024年JAF筑波サーキットトライアル選手権CT6クラス 堀知海選手
「サーキットトライアルという競技に参加したのは初めてだったんです。SUGO走ったこと無かったんですけど経験を積みたいな、と思ってそれをモチベーションに筑波と両方、ちゃんと結果もついてきたので、参加し続けて良かったと思います」と、サートラデビューイヤーを振り返った堀選手。2023シーズンまでは走行会などに参戦していたそうだ。サートラに挑むきっかけは、「レースに出たいんですけどいきなり出るより、順位がつけられて表彰があったり、競技としての雰囲気だったり流れを感じたかったので、まずサーキットトライアルに参加しました」とのことだ。SUGOと筑波、両サーキットのCT6で戴冠を果たしたが、「SUGOだと全クラスが同じセッションで走るので、速いクラスとの距離のつけ方だったりクリアラップの獲り方が難しかったです。筑波は同じクラスの中で走れるんですけど台数が多かったりコースが狭かったりするので、それぞれのクリアの獲り方とか、タイムを出すための間の取り方が難しかったです」と、舞台が異なる故の難しさにも挑んでいたようだ。どちらが得意か? との問いに「(マツダ・)ロードスター、NDの1500は特性的にも、できるだけスピードを落とさずアベレージスピードを高めてタイムを稼ぐ走りをしなくてはいけないので、そういう走りでタイムが出るSUGOの方が得意なのかな」と返ってきた。2025シーズンは満を持して富士チャンピオンレースシリーズのロードスターカップに挑むそうだが、「東北のロードスターカップも興味あるんで出て、また表彰式に来られたら」と、展望を語った。サーキットトライアルは「JAFカップで良い結果を残して、レコード更新とかを目指して、スポット参戦できたら」と語る堀選手のますますの活躍に注目したい。

19歳からJMRC東北ジムカーナに参戦し始めて4シーズンめ、と語る田澤選手は2022シーズン、地区戦にステップアップ。初めてのフル参戦となった2024シーズンに成立した5戦全勝の見事な活躍で、初チャンピオンに輝いた。「去年(2023シーズン)まで全戦追う気持ちが整ってなくて、“走れれば楽しいや”くらいで走ってたんです」とのことだ。しかし、「去年の最終戦くらいで掴むモノがあって、“なんとか(チャンピオン)イケるんじゃないか”という気持ちが出てきました」と、心の大きな変化があったそうだ。愛車のZC32S型スズキ・スイフトスポーツについても「去年、優勝掴んだタイミングでガタきていて、今年(2024シーズン)リフレッシュさせたら操作しやすくなって、良い方向に全然変わったんです」と、良い変化があったとのこと。ドライビングでも「曲がらないクルマだと思ってて、サイドブレーキを向き変えるために使ったりしてたんです。それでクルマがふられても全然、落ち着いて対処して走れるようになったのかな、と思っています」と成長したそうだ。タイヤの銘柄も変えたりと、試行錯誤の先の成長が相まって、初戴冠につながったようだ。「クルマのパワーが無いから奥まで行きたい気持ちが先に出ちゃって、突っ込み過ぎちゃうんですよね。そのせいで大きなミスにつながったことが多かったんです。まだたくさん(課題は)あります」と、改善点も語る田澤選手。「今年の最終戦で初めて戦った方が来年出てくれる、っていうので絶対負けたくないです(笑)。年も近いので」と、静かに闘志も燃やす。2連覇と全日本初参戦を目指す2025シーズンの走りにも注目したい。

22歳の熊谷選手は18歳で免許取得後、翌年に地区戦デビュー。4季目の2024シーズンは終盤怒涛の3連勝を含む4勝、残る3戦もトップ3に入る安定感で、念願のチャンピオンに輝いた。父は2017シーズンの東北SA1クラス王者の熊谷修選手、いわゆる“二世ドライバー”だ。「ハメられました(笑)。ジムニー欲しい、って言ってたのに、気がついたらできあがったRX-8になってて“行くぞ!”って。そこからジムカーナ人生に」と、きっかけを楽しそうに語ってくれた。優勝にあと一歩手が届かなかったが、「初めて新車で買ったGR86で、自分好みにできました」と語る新たな愛車を駆った2024シーズン、第2戦SUGOが転機になった。「SUGOは気持ちよく踏めるので好きなんです。東北は86あまりいなくて(ZC33S型)スイフトがライバルなんですけど、パワーを活かした走りが求められる感じがしていて、意識しました。“あ、これイケるな”と思いましたね」と、初優勝を振り返った。「(パワーを活かせる)SUGOは獲っておかないと。最後のMSP(モーターランドSP)は直線長くて、稼げました」と、愛車の特長を発揮できる一戦は逃さない強さも見せた。「SUGOも全日本に向けて練習していて、第9戦の2本目は出し切れた、と思ってます」と、結果はふるわなかったそうだが(8位入賞)、それ以上の手応えを得たようだ。「来年(2025シーズン)は2連覇です。全日本も、赤門(自動車テストコース)出ようと思ってます、走ったことないけど(笑)。東北は地区戦にパイロンコース無いんで練習します」と目を輝かせて語った。明るく前向きに挑み続ける熊谷選手の新シーズンも楽しみだ。
フォト/宇留野潤 レポート/JAFスポーツ編集部