名古屋でF4協会による、2024シーズンのFormula Beatシリーズ表彰式が催される!

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2025年1月23日

2024シーズンも全国各地のJAF公認サーキットを転戦しながら激戦を繰り広げたJAF Formula Beat地方選手権(F-Be)。全15戦のシリーズを戦い抜いたドライバー、エントラントや主催する日本フォーミュラ・フォー協会をはじめとした関係者たちが一堂に集い、「2024年度Formula Beat地方選手権シリーズF4協会表彰式」が開かれた。

2024年度Formula Beat地方選手権シリーズF4協会表彰式
開催日:2025年1月18日
開催地:AP名古屋 Kルーム(愛知県名古屋市)
主催:日本フォーミュラ・フォー協会

 会場は2023シーズン表彰式と同じく愛知県名古屋市のAP名古屋。近鉄名古屋駅から徒歩で約2分、交通の便が良い地にある会場で開催された。

 F-Beの公式アナウンサーであり、FM791熊本シティエフエムのラジオパーソナリティや、オートポリスのレースアナウンサーなども務めるカーリー氏の司会によって幕を開けた式典は、F4協会の理事を代表して株式会社戸田レーシングの戸田幸男代表取締役会長による、開会の挨拶が行われた。

 続いて来賓を代表して、シリーズにダンロップタイヤをワンメイク供給している、株式会社住友ゴム工業モータースポーツ部の安岡生人氏が壇上に上がり、挨拶を述べた。そして、開幕第1戦の鈴鹿サーキット、第3戦のモビリティリゾートもてぎを運営する、ホンダモビリティランド株式会社の上野和俊氏が乾杯の音頭をとった。ビュッフェ形式の料理もふるまわれる中、シーズン中は0.001秒をも巡り競いあうドライバーやエントラントたちが、笑顔で歓談していた。

開式にあたり、日本フォーミュラ・フォー協会の理事を務める、株式会社戸田レーシングの戸田幸男代表取締役会長が登壇、受賞者たちへの祝辞と、2024シーズンもシリーズ開催に奔走された関係者のみなさまへの感謝を述べて、式典は始まった。
戸田理事に続いて壇上には、ワンメイクでシリーズにダンロップタイヤを供給する、住友ゴム工業株式会社モータースポーツ部の安岡生人氏が上がった。2024シーズンの受賞者へのお祝いの言葉と、供給を続ける2025シーズンでの参戦者たちの活躍を期して、挨拶を述べた。
更にモビリティリゾートもてぎと鈴鹿サーキットを運営する、ホンダモビリティランド株式会社モータースポーツ部モータースポーツ課の上野和俊課長により乾杯の音頭がとられ、ビュッフェ形式の食事がふるまわれた。出席者たちは料理を味わいながら、厳しいレースの現場での真剣な表情とは違う笑顔も見せながら、歓談の時を楽しんだ。
Formula Beat公式アナウンサー、オートポリスのレースアナウンサーである、カーリー氏が式典を進行した。FM791熊本シティエフエムのラジオパーソナリティも務め、担当する番組のひとつ、毎週日曜16~18:00放送の「KSC46」では、F-Beを全力応援する「Formula Beat Race Information」を16時台に聴くことができる。

 暫しの歓談の後、受賞者たちへの賞典の授与が始まった。40歳以上で、クラスにエントリーしたドライバーが対象の「ジェントルマンクラス」、全ての参戦ドライバーが対象となる「グランドチャンピオンシップ」、シーズン最多勝利を挙げた車両のエントラントを称える「国土交通大臣賞」、そして、独自の計算方法によって算出したポイントにより、最も活躍した若手ドライバーに贈られる「NVP Next Generation CUP」の4つが、2024シーズンのF-Beで活躍したドライバー・エントラントたちに授与された。

グランドチャンピオンシップとジェントルマンクラスのトップ3ドライバーには、受賞者がドライブする車両の写真でできた、シリーズオリジナルの盾が、そしてグランドチャンピオンにはダンロップのチャンピオンキャップが授与された(左)。国土交通大臣賞はトロフィーと賞状、国土交通省のロゴをかたどった賞典が贈られた(右)。
ジェントルマンクラス受賞者とプレゼンターのみなさま。中央右がチャンピオンのKAMIKAZE選手、中央左が2位の舩井俊仁選手、左端は3位の吉田宣弘選手(代理)。プレゼンターは右端の、スポーツランドSUGOを運営する株式会社菅生のモータースポーツ部モータースポーツ1課の桑谷伸課長が務めた。
2020シーズンのグランドチャンピオンシップSクラス以来となる戴冠を果たしたKAMIKAZE選手。「なんとかジェントルマンクラス優勝を飾ることができました。最後の最後まで、チームメイトの舩井選手には苦しめられましたけど、今年(2025シーズン)も新たに戦っていきたいと思います」と、語った。
グランドチャンピオンシップ受賞者とプレゼンターのみなさま。中央右がグランドチャンピオンの酒井翔太選手、中央左が2位のハンマー伊澤選手、左端は3位の宇髙希選手(代理)。右端の、株式会社オートポリス営業部副部長兼モータースポーツグループ長の山﨑智成氏がプレゼンターを務めた。
2024シーズンはハンマー選手が「疾風」を駆って6連勝を含む9勝を挙げ、国土交通大臣賞を受賞したハンマーレーシングのみなさま。
プレゼンターを務めた株式会社富士スピードウェイ プロジェクト統括部兼モータースポーツ部の関敦子主幹からずっしりと重い賞典を受け取ったハンマー選手は、「国土交通大臣賞の受賞、大変光栄に思っています。7年くらい前はミストさんのKK-ZSがすごい速くて、国土交通省を受賞するのを見て遠い世界のことのように感じていたんですけど、夫婦でやってきて、去年(2024シーズン)は“最強の疾風”がつくれました」と、念願の受賞までの苦労を思い返している様子だった。
NVP Next Generation CUPは、グランドチャンピオンも獲った酒井選手がダブル受賞。株式会社岡山国際サーキットモータースポーツ部モータースポーツ課の西村有加課長から賞典が贈られた。酒井選手は、「去年一年は楽しいシーズンだったんですけど、チャンピオンにもなれてうれしいです。今年(2025シーズン)一年もFormula Beatに出るので、また獲れるように頑張ります」と、喜びと意気込みを語ってくれた。

 賞典の授与が終わると、カーリー氏のラジオ番組のコーナー「Formula Beat Race Information」の公開収録を敢行。F-Beのアドバイザーを務める、レーシングドライバーの谷川達也氏をMCに、2024年JAF Formula Beat地方選手権チャンピオンも確定させているハンマー選手、グランドチャンピオンの酒井選手、そしてジェントルマンクラス王者のKAMIKAZE選手による座談会が開催された。

 その中でハンマー選手が「酒井翔太選手、実は前に“フォーミュラ練習会”という走行会に参加してくれまして、その時はすごい初々しい感じで。去年一緒に戦ったんですけど、あそこまで強くなるとは、バトルするとは思っていませんでした。成長っていうのはすごいものですね」と、意外な事実を明かすなど、座談会は盛り上がった。

 収録が終わり、ひき続き行われた抽選会でも谷川アドバイザーがくじ引きを担当。シリーズを協賛する企業が提供した様々な賞品が、出席者たちに贈られた。

 F4協会の理事、そして自らもF-Beに参戦するドライバーである、学校法人日栄学園日本自動車大学校モータースポーツ科の金井亮忠科長が一本締めで式典を締めると、富士スピードウェイで12月21日決勝の最終第15戦までの長丁場となる、2025シーズンのカレンダーが紹介された。続けてF4協会の福永亜希子会長が登壇、若いチカラを加えたF-Be事務局メンバーを紹介した。

 2月半ば、鈴鹿サーキットでの開幕第1戦を控え、新たなシーズンに向けての決意を胸にドライバー、エントラントたちは家路へとついた。

Formula Beat Race Informationの公開収録としてシリーズのアドバイザーである、レーシングドライバーの谷川達也氏による“達也の部屋”を敢行。2024シーズン、トップに立った3選手を迎えて、様々な話を伺った。手前からグランドチャンピオンの酒井選手と2024年JAF Formula Beat地方選手権王者を確定させたハンマー選手、ジェントルマンクラスチャンピオンのKAMIKAZE選手と谷川氏。
式典後半は谷川アドバイザーが大活躍となった。シリーズを協賛する各企業から提供された、数多の賞品を巡る抽選会では、谷川アドバイザーが抽選を担当。パドックではもちろん、日々の生活でも役立てられそうな商品の数々を、出席者たちが獲得した。
F4協会の理事、そして、学校法人日栄学園日本自動車大学校モータースポーツ科の科長として学生たちを指導し、更には学生たちと仕立てた車両のステアリングを握り、F-BeやENEOSスーパー耐久シリーズEmpowered by BRIDGESTONEのST-2クラスなどに参戦する、金井亮忠選手が一本締めて式典を締めた。
全15戦で争われる2025シーズンのF-Beカレンダーが紹介された後、F4協会の福永亜希子会長が登壇し、F-Be事務局のメンバーを紹介した。初々しい若いチカラが加わった、F-Be事務局の溌溂としたシリーズ運営に期待したい。左からテクニカルサポーターの太郎浦零氏、事務局アシスタントの岸本薫氏、事務局の野原楓氏と福永会長。
表彰式を終えて2024シーズンのF-Beを締めくくった福永会長に、お話を伺った。まず2023シーズンは反省点があった、と語っていた開催日程については「2023年と2024年の(一戦あたりの)平均参加台数は同じだったんです。大会数が増えても(2024シーズンは3戦増)出てくださったことを考えれば、2024年の日程は良かったのかな、って自己評価しています」と、振り返った。そして、「今までも『人材育成共同研究』という名前で宇都宮工業高校さん、青森工業高校さん、勝間田高校さん3校と取り組んでいましたが、2024年は青森工業さんと宇都宮工業さん、2校一緒にできたんです。学校は違うけれど同じ思いで来てる、普段会うことがないだろう学生さん同士が、エントラントさんも含めて一緒にレースウィークを過ごせたのが、すごく良かったと思っています」とのこと。「学校に働きかけて来てもらえるか、ってところまでなかなかハードルが高いので、先生側からも是非、アプローチいただきたいと思っています」と、募集中だそうだ。2025シーズンは「志が低く聞こえるかも分からないですけど“現状維持”。それはすごく難しいな、って思う中、2023年、2024年と平均参加台数をキープできました。私なりにキープできるように頑張った中で現状維持だったことを考えると最低限、自分に課された今年のミッションと思ってます」と、目標を語った。更に「Beatを面白い、と思って集まる若者が少なからずいる手応えは感じるのでSDGsじゃないですけど、持続可能なカテゴリーとしてFormula Beatも成長していけたらいいな、と思ってます」と、シリーズの展望を語ってくれた。

2024年JAF地方選手権「初」チャンピオンインタビュー

JAF Formula Beat地方選手権 ハンマー伊澤選手
58歳になるハンマー選手は、シリーズ全ての獲得ポイントが有効なグランドチャンピオンは高校生ドライバーの酒井選手に譲ったが全15戦のうち80%、高得点を獲得した12戦のポイントが有効となるJAF地方選手権では酒井選手に6点差をつけて、念願のチャンピオンを確定させた。「本当に念願で。(表彰式は)素晴らしいところで開催していただいていて“チャンピオンを獲って行こう!”と、わがままな目標がやっと叶って気合い入れていたんですけど……」とのことだったが、2024年JAF関東モータースポーツ表彰式が開催される日は、2025シーズンのF-Be開幕第1戦の決勝日。「また来年も! という目標ができたので」と、2連覇での表彰式出席にロックオンしている。「身内に不幸があって、開幕戦と富士(第2戦)は出なかったんです。重要なことだったんですけど、逆に頑張ろう、って気になりました」と、不利な状況での2024シーズンスタートでも、心は燃えていたようだ。「本当に速さで証明することができたので、非常に満足感の高いシーズンになりました。気持ちの持っていき方で結構パフォーマンスって変わるなって、この年になってやっと分かってきました」と、チャンピオン以外にも、得た収穫は大きかったようだ。2025シーズンは、「連覇は一番の目標ですけど、年いっちゃうと進歩しないよ、って考えちゃうことが一般的だと思うんですけど違うんだ、って証明したいです。単純に身体能力を競うスポーツでは当然、(年齢には)勝てないですけど、モータースポーツは“道具をいかにうまく扱うか”ってスポーツですから。自分は経験まだまだこれからですけど、それらも含めて、まだまだ上がっていく可能性があると思っています。やりがいを感じますね!」と、思いを語ってくれた。強さに更なる磨きをかけていく、2025シーズンのハンマー選手にも注目だ。

フォト/遠藤樹弥 レポート/JAFスポーツ編集部

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