大盛況の近畿ジムカーナ第5戦でBPN大田健太郎選手が優勝で王座奪還確定!
2026年7月22日
2026シーズンは全7戦で争われているJAF近畿ジムカーナ選手権は、終盤戦となる第5戦を迎えた。全長850mでフラットなABコースとカートコースであるEコース、そして数々の名勝負が生まれてきたJAF全日本ジムカーナ選手権の舞台としても馴染み深いCコースなど、多彩なコースを持つ名阪スポーツランド。ここを主戦場とする近畿地区戦は今回の一戦から最終第7戦まで全て、Cコースでの開催となる。そのため、第5戦は王座争いでも重要な一戦となることが予想された。
2026年JAF近畿ジムカーナ選手権 第5戦
2026年JMRC近畿ジムカーナ チャンピオンシリーズ第5戦
2026年JMRC全国オールスター選抜 第5戦
2026年JMRC近畿ジムカーナ ミドルシリーズ第5戦
ORCCジムカーナ
開催日:2026年7月5日
開催地:名阪スポーツランドCコース (奈良県山添村)
主催:ORCC
第5戦は大阪府のJAF加盟クラブ、大阪レーシングカークラブ(ORCC)が主催し、184もの選手がエントリーした。更にBC3クラスには、前戦第4戦で復帰した西川佳廣選手とダブルエントリーで元全日本王者の川脇一晃選手が参戦。現役ドライバーとの直接対決に注目が集まる。そして、有効戦数である5戦目となることで、王座争いに終止符が打たれるクラスが出る可能性もある。
川脇選手は朝の慣熟歩行後、今回の一戦のレイアウトについて「非常にシンプルなコースですが、名阪の勝負どころをしっかり抑えたコース設定ですね。また、ターンセクションは180度ターンが中心で左右ありますが、その進入のアプローチ、脱出、コースの勾配が非常にバラエティに富んでいて、同じ入り方、同じ脱出の仕方がない。パイロンによって使い分けなくてはいけません。ここら辺がしっかり理解できるかが、タイム差に出てくると思います」と分析した。
この日は九州地方から関東地方にかけて梅雨前線が広がり、一部では線状降水帯が発生するなど荒れた空模様。数日前の天気予報は終日雨だったのだが、前日の夕方から降ったり止んだりが続いた。朝、慣熟歩行の時点で雨は止んでいるものの、路面は完全にウェット。そのまま雨は降らず、路面は徐々にドライアップしていく。雨雲レーダーは第2ヒートの時間帯に強い雨が降ることを示していることから、多くの選手は第1ヒート勝負と腹をくくって慣熟歩行に勤しんだ。
第5戦はアジアから2選手が参戦、国際色ある一戦に!
今回の一戦では奈良県のJAF加盟クラブ、モータースポーツクラブ奈良(RC NARA)の小西俊嗣代表が中心となり、かつて国際交流も行われたジムカーナを今一度、国外で再燃させようと企画。韓国人ドライバーのPARK JONGKYEONG選手とシンガポールからやってきたLIM BOON SENG CHASE選手が参戦した。
小西代表は、「日本のジムカーナを東南アジアに広めたいと思い、以前からアジアゾーンのジムカーナに携わってきたこともあり、今回の海外選手参加のお手伝いをさせていただきました。台湾では、我々が主催しているオートテストの拡大版を開催していますしね。日本のジムカーナをもっと広げていきたいです」と経緯を語った。
続けて「もっとジムカーナも街中で開催するなど、色んなことにも挑戦したいですし、ラリーやドリフトが先行しているように、ジムカーナももっと自分たちがアピールしていく必要があると思っています。この交流をきっかけに、いい方向に動いてくれるといいですね」と、これからのジムカーナの展望も語った。
2026年JAF近畿ジムカーナ選手権 第5戦
2026年JMRC近畿ジムカーナ チャンピオンシリーズ第5戦
2PDクラス
第4戦は2PDクラスを牽引してきた段上泰之選手が開幕第1戦以来の参戦を果たして優勝。ここからチャンピオン確定を狙う。迎え撃つのは2勝を挙げている谷英幸選手と、安定してトップ3に入り続けているMOTOHIRO選手。特に、MOTOHIRO選手はDATを積むGRヤリスに乗り換えて徐々にセットアップを煮詰めてきているだけに、ダークホース的な存在となっている。路面がドライアップしていく難しい状況の中、戦いの幕があがった。
第1ヒートでは、段上選手がまずターゲットタイムを樹立。しかし、持ち味の繊細かつメリハリあるアクセルワークが影を潜ませ、らしくないテールスライドでタイムを落とす場面も。波にのり切れなかった段上選手の隙を突くように、MOTOHIRO選手のアタックが冴え渡る。4WDだから小回りが効かない、とのイメージを覆すかのようにリアを積極的に動かして、車両を前へ前へと進ませた。MOTOHIRO選手は1分10秒53をマークして、段上選手を0.292秒上回ることに成功する。
クラスラストゼッケンの谷英幸選手も果敢な走りでタイムを削りにいくが、一瞬コースを見失ってしまい3番手に留まる。出走順の早いこのクラスならば、もしかすると第2ヒートもドライで…… と淡い期待もあったが、昼の慣熟歩行の最中に名阪を襲った大粒の雨がその期待を打ち砕いた。
完全にウェットとなり、水溜りができるほどになった路面ではタイムアップすることは難しく、第1ヒートのタイムで順位が決した。今季初優勝を獲得し、チャンピオン確定の権利を僅かに繋いだMOTOHIRO選手は、「2年ぶりくらいの優勝です! GRヤリスに乗り替えて初めて勝てて本当に嬉しいです!!」と喜んだ。
更に、「今日はあまりいいところはありませんでしたが、この優勝でタイトルも三つ巴になったので残り2戦、なんとか勝ってシリーズチャンピオン獲りたいです」と苦しい時期を乗り越え、ようやく結果に繋がった心情を吐露した。
BR1クラス
軽自動車乗りを中心にしのぎを削るBR1クラスでは、シリーズトップ2の大原秀樹選手とよこ山弘之選手が今回の一戦をスキップ。有効ポイントも十分なことから、残る2戦で覇権を争うことになりそうだ。
シリーズトップ2を欠いた第5戦で俄然優勝が欲しいのは、ダイハツ・コペンセロでここまでトップ3に入り続けながらも、2人の後塵を拝んでいる廣瀬成章選手だろう。第1ヒートはいわゆる“チョイ濡れ”のような路面だったが、広瀬選手は1秒近い差をつけて、しっかりトップを保持する。
第2ヒートは前述の通りウェット。路面温度が上がった分、タイムアップに期待するドライバーもいたが、水しぶきが上がるCコースでのタイムアップは難しかった。広瀬選手が第1ヒートのタイムで逃げ切り、今季初優勝を手にした。
「鬼の居ぬ間に……。本当に勝てて良かったです。ドライ寄りのウェットと思ってセットアップを変えていったのが、ハマった感じですね。クルマが小さい分、小回りで勝てたのかな? とも思っています」と勝利に胸をなでおろす廣瀬選手。残り2戦でトップ2との差をいかに詰めるかも注目したい。
BR2クラス
BR2クラスはツワモノたちがひしめく近畿地区戦でも、最激戦区のひとつ。第5戦も全クラス最多の19選手が挑むアツさを見せた。NB型マツダ・ロードスターを操るディフェンシングチャンピオン、朝原崇選手とトヨタMR2にいわゆる“PNタイヤ”を装着して転向してきたBC2クラス王者、岩崎玲生選手、そしてホンダCR-Xを駆り、常に2人と優勝を争うBC1クラス王者、中山務選手の三つ巴となっている。
緊張感漂う第1ヒート早々に1分11秒の壁をブレイクしたのは、百谷泰正選手。このターゲットタイムを目指し、後続のドライバーがアタックするも更新ならず。しかし、ラスト3の岩崎選手が一気にターゲットタイムを押し上げる、1分8秒622をマークする。コンパクトにMR2のアタマを積極的に曲げていき、方向をしっかり変えてからのアクセルオン。基本に忠実と言えば忠実だが、第5戦のシンプルなレイアウトでは基本の差が強く影響する。
勝負あったかと思われたが、続く中山選手がズバッと抜き去る1分7秒746を叩き出した。後輪駆動の岩崎選手がターンで僅かに失っていたタイムをすべて回収していくかのような、前輪駆動ならではのラインどり。ボトムスピードを上げてコーナーのクリッピングポイントを手前手前にとっていく走りで、驚愕のタイムを叩き出した。
俄然、ラストの朝原選手に注目が集まるが気負いもあったのか、積極的にインを攻める攻撃的な走りに僅かな狂いが生じ、タイヤが縁石に弾かれてトラクションが抜けてしまう。これからストレート、というポイントで片輪走行となりタイムロス……。トップタイムには約1秒5及ばず3番手に留まった。
第2ヒートはヘビーウェットとなって上位陣はタイムアップできず。中山選手が今季2勝目を挙げ、王座争いは更に混沌となった。「コースセクションでの2速区間がキマりました! BC1クラスと比較してもボクが一番速かったんで、そこが良かったんだと思います。最後2つ、勝ち切っていきたいと思います」と中山選手は振り返った。
一方、3位の朝原選手は「自分の中では頑張ったつもりだったんですが、フロントの手応えを探りながら走ってしまったのが悔やまれますね。ラインどり、定常円……。あとコンマ5秒は詰めれるところがあったはずです」と、悔しさを滲ませた。
Lクラス
各地区の女性ドライバー対象クラスの中でも、近畿地区戦のLクラスはトップレベルの戦いが繰り広げられ、第5戦は9選手が集った。開幕二連勝した辰己知佳選手を筆頭に、鈴鹿サーキット南コースでの第3戦で優勝している武田とも子選手、今季は未勝利ながらトップ3常連の定松舞子選手を中心に王座争いを展開。そして、第5戦では中部地区から木村真生選手と渡邉千尋選手が参戦。更なる激戦の様相を呈して第1ヒートがスタートした。
第1ヒートでいきなりターゲットタイムを樹立したのは、中部からやってきた2人。ファーストゼッケンの木村選手が1分14秒台を記録すると、続く渡邉選手がそれをブレイク。以降はラスト3まで渡邉選手がトップに立ち続ける。
そして、地元勢の意地と言わんばかりにトップタイムを塗り替えたのは、定松選手だった。走り慣れたCコースへの習熟度の差が如実に表れ、1分12秒465まで押し上げる。武田選手と辰巳知佳選手も続くかと思われたが、両者ともにまさかのパイロンペナルティ。もちろんLも第1ヒート勝負となり、定松選手が2022シーズン最終第7戦以来となる、このクラスでの勝利を挙げた。
優勝に喜ぶ定松選手は、「スタート前にみんなが来てくれて、緊張をほぐしてくれたのが良かったです。もう無理しない、いつも通り走ることだけを意識できました」と、勝因を分析。2戦を残してシリーズ首位に躍り出た。
一方、中部勢トップの2位を獲得した渡邉選手は、「初めて走るコースだったので、頑張り過ぎちゃったのがダメだったみたいですね」と語った。
PN1クラス
ZN6型トヨタ86/ZC6型スバルBRZと、トヨタ・ヤリスなどのコンパクトカーが競うPN1クラスでは、胸元貴大選手が今季3勝。前戦をスキップした胸元選手だが今回の一戦で優勝すれば、2026年JAF中部ジムカーナ選手権PN3クラスとの二冠確定に大きく近づく。
シリーズ2番手につける菱田真也選手はじめライバルたちとしては、是が非でも胸元選手を勝たせるわけにはいかない。しかし、第1ヒートで強さを示したのは、やはり胸元選手だった。ターンの回転速度では大差ないが、立ち上がりの姿勢とそのトラクション、蹴り出しで他を圧倒。ターンから長い直線がある今回の一戦のような設定では、そこの差が大きくタイムに反映される。
菱田選手は遅れをとって3位となり、胸元選手は今季負けなしの4勝目を挙げた。「しっかりタイムを残せて本当に良かったです。2本目は気が抜けてしまいミスコースしかけてしまったのは反省ですね」と語った胸元選手は、中部での王座争いにも勢いがつきそうだ。
PN2クラス
PN2クラスは、山村一真選手が開幕二連勝を含む今季3勝で王座争いをリードし、第5戦で優勝することができればチャンピオンが確定する。今回の一戦も多田安男選手の“永遠のライバル”鰐部光二選手が中部から参戦。鰐部選手は今季、第3戦で勝利を挙げていることから注目の存在だ。
激戦の第1ヒートは、開幕戦3位の池野谷響選手が1分9秒台に突入するも、すぐに鰐部選手がブレイクして1分8秒7と頭一つ抜け出す。鰐部選手の驚異のタイムを前に、名手・奥浩明選手をもってしても1分9秒362、ラストの山村選手が挑むがやはり1分9秒の壁は厚く2番手止まりで折り返した。
勝負の2本目……、とはならず他のクラスと同じく第1ヒートで勝負は決し、鰐部選手が今季2勝目を挙げた。「今日は2本目が雨予報だったこと、コースが低速寄りだったこともあり、1速と2速で速度をのせていくことを心がけました。ターンも深めで、いつもの名阪とはちょっと違うレイアウトが良かったのかもしれません」と、勝因を分析した。
更に「残り2戦ですが、基本中部なんで中部地区戦を大切にしていきたいと思っています。でも、多田さんが中部まで来てくれるんで(近畿地区戦も)残り2戦出場して、表彰式で大阪に行けるといいですね」と鰐部選手は語った。
第2戦で3位を獲得した鰐部選手だったがこの時点ではJMRC近畿に所属していなかったため、2026年JMRC近畿ジムカーナ チャンピオンシリーズではポイントが加算されず、今回の一戦で2位の山村選手が王者に輝いた。「今年本番で1本もパイロンタッチなく、安定して走れたことがJMRCチャンピオンを獲れた要因だと思っています。次は妻と生まれたばかりの子どものために休みます」と明かした。
続けて「最終戦は生まれた子どもと一緒に参戦したいと思います。最後に、参戦することを許してくれた妻に『ありがとう』と伝えたいです!」と、2022シーズンBR1以来となるJAF近畿ジムカーナ選手権のチャンピオン確定を懸ける、最終第7戦に向けて意気込んだ。
PN3クラス
PN3クラスではここまで3人のウィナーが誕生しているが、2勝を挙げている辻野眞人選手と、開幕戦で勝利した福永隆一選手がシリーズのトップ2。第3戦を制した田北一賀選手は前戦をスキップしたため、王座争いに残るためには今回の一戦で優勝したいところだ。
BR2に次ぐ17選手が集った中、白尾泰選手が指標となる1分10秒台を記録。そして赤沢雄太選手が1分10秒038をマークし、このクラスも1分9秒台の争いになるかと思われた。注目の田北選手はプレッシャーからかまさかの脱輪ペナルティ。そんな中、立ち上がりで優位に立つ、距離よりも旋回速度を重視したターンでいち早く1分9秒台に突入したのはトップ3の常連、本山正悟選手だった。
更にトップタイムを更新したのは辻野選手。本山選手が落としていったターンセクションの精度を更に上げ、1分8秒618を記録して他の追随を許さずに今季3勝目を手にした。「ロスなく走れたことが良かったです。ここ数戦パイロンペナルティでタイムを失っていたんですが、それでも全体的にアクセルを踏んでいけたのが良かったです。あと1勝すればシリーズチャンピオンが決まるので、次戦以降も勝つことを目標に頑張ります」と、辻野選手はチャンピオン確定に王手をかけて残り2戦に挑む。
BPNクラス
四駆勢が競うBPNクラスでは第2戦こそ取りこぼしたものの、大田健太郎選手が3勝を挙げてチャンピオン確定に王手をかけて第5戦を迎えた。
開幕戦で2位を掴んだ田中岳志選手が1分8秒の壁に迫るターゲットタイムを樹立する。しかし、ラストの大田選手はターン手前のハードブレーキングで圧倒的なコントロールを披露し、1分7秒419をマーク。多くのドライバーが、スピードがのりGのかかった状態でのブレーキングを強要される苦しむポイントでしっかり車両を操り、パイロンへのシビアさで一歩抜け出た。
大田選手は今季4勝目を挙げて、2024シーズンにBR4クラスを二連覇して以来となるチャンピオンを確定させた。「外周から入ってきてのターンなど2カ所も大きなミスをしてしまったんですが、他でしっかり攻め切れたのが良かったです。(Cコースは)走り慣れている部分も多かったんでね。残り2戦も頑張れる限り頑張っていきます!」と、満点チャンピオンを目指す。
「去年は毎戦“勝ちたい気持ち”ばかりが先走ってしまい良い走りができなかったんで、今年は『勝とう!』って気持ちを捨てて自分の走りに集中して走りました。脱力できたことが今年の良かったところですね。来年も軽い感じで1本1本いいタイムを残していきたいです。それで結果がついてきたら万々歳ですね!」
BC1クラス
第5戦のBC1は、3勝を挙げて王座争いをリードする山本貴嗣選手がチャンピオン確定に王手をかけて臨んだ。しかし、全日本ドライバーの東毅選手が急遽参戦を決め、勝ってチャンピオンを確定させたい山本選手にとって脅威となった。午後に向けてどんどん空は暗くなり、今にも雨が降ってきそうな空気が名阪を包む中、戦いの幕が開けた。
PARK選手とLIM選手の間でスタートを切った東選手は、第1ヒートでBPNの四駆勢に並ぶ1分7秒台をマークする強烈な一発を見せる。後続のドライバーは誰ひとりとして東選手の圧倒的なトップタイムを抜けぬまま、ラスト山本選手の出番となった。
東選手と2番手の中嶋俊博選手の差は0.251秒、決してひっくり返せない差ではない。しかし、山本選手はチャンピオン確定が懸かり気負いが生じたのか、最初のターンセクションで僅かにパイロンを捕らえきれない。インフィールドでも持ち味の積極的な動きは見られず、操作はやや後手に…… 中嶋選手に0.006秒届かず3番手となった。
やはり、第2ヒートでは上位陣はタイムアップできず東選手が優勝、3位入賞で山本選手はチャンピオンを確定させた。東選手は、「冷静に走れてタイムを残せました。ちょっと守りに入り過ぎてしまったかと思っていたんですが、抜かれずに良かったです。足回りを変えて不安はあったんですが、メンタル的に落ち着いて走れたのも良かったかもしれませんね。優勝できて良かったです」と振り返った。
「ABコース(第2戦)でまさかの5位と残念でしたが、チャンピオンを獲れて良かったです。昨シーズンはマシンの状態が非常に悪くて低迷してしまったんですが(シリーズ5位)、昨年末にショップで駆動系のオーバーホールをしたのが良かったですね」
BC2クラス
今季は第3戦のみ成立していたBC2だが、今回の一戦は中部から若手ドライバーが参戦して成立となった。中部地区戦B・SC3クラスでは、近畿BR2に参戦中の岩崎選手を迎え撃つ塚越貴也選手と藤本隆志選手、藤原広紫選手が遠征、第3戦を制した宮里佳明選手が迎え撃った。
やはり第1ヒート勝負となり、藤本選手を0.224秒差で下して優勝したのは、中部B・SC3でシリーズ2番手と好調の塚越選手だった。「タイヤなりの走りだったんですが、タイヤの状態がライバル2人より良かったのが勝因ですね。あとはターンの立ち上がりを意識できたことも良かったです。中部に戻ったら中田(博信)さんをやっつけないといけないので!」と見事な走りの要因を分析した。
BC3クラス
開幕三連勝で一気に王座を手繰り寄せた辰己浩之選手がリードするBC3クラス。地元中部B・SC4クラスとのダブルチャンピオン確定を目論む鳥居孝成選手が第4戦で勝利を挙げて首の皮一枚、王者確定の可能性を残す。辰巳浩之選手は勝てばチャンピオン確定、優勝がマストの鳥居選手は非常に厳しい状況であることは間違いない。更に今回の一戦は川脇選手久々となる三菱・ランサーエボリューションXでの走りにも注目が集まった。
第1ヒート、クラスで最初にスタートを切った川脇選手だったが、なんとスタートパイロンでいきなりペナルティ! しかし、そのブレーキングは現役さながらで、生タイムでは余裕の総合トップとなったであろう1分5秒台だった。
西川選手がターゲットタイムを樹立すると、続く石田忠義選手が1分6秒台で更新、更に鳥居選手がCコースの高い縁石をものともしない走りで0.188秒更新する、1分6秒572でトップを奪取する。ラストの辰巳浩之選手がスタートするも、パイロンペナルティで沈む。他クラス同様、第2ヒートでは順位が変わらず、辰巳浩之選手はチャンピオンを確定できず、優勝した鳥居選手がグッとポイント差を詰めることに成功した。
鳥居選手は「天気が最初雨だと思っていたんですが、日頃の行いのおかげかドライで走れて良かったです。川脇さんが参戦してきたのでチャンピオンは厳しいかと思ったんですが、パイロンタッチしてくれたおかげで首の皮一枚つながりました。この流れで最終戦までなんとか引っ張りたいですね」と喜んだ。王座争いはますます白熱、鳥居選手が自力で王者を確定するには、二連勝を決めることが必要だ。
2026年JMRC近畿ジムカーナ ミドルシリーズ第5戦
M-2PDクラス
併催された2026年JMRC近畿ジムカーナ ミドルシリーズ第5戦のM-2PDクラスの王座争いは、谷久仁恵選手と藤塚伊織選手が2勝を分け合う一騎討ち。第5戦で先手を獲ったのは、トラクションに勝るGRヤリスDATを駆る藤塚選手だった。ZC33S型スイフトのAT車両を操り、ターンセクションを丁寧に回しこむ谷久仁恵選手とは対照的に、藤塚選手は豪快なラインをとる。蹴り出しに集中した藤塚選手の走りはシンプルなレイアウトのコースにジャストフィット、2位の谷久仁恵選手に2秒以上の差をつけて今季3勝目を挙げた。
「前日にタイヤを換えて、ドライとウェットの両方を走れたのが良かったですね。最終戦は勝った方がチャンピオンなんで、勝って終わりたいです!」と藤塚選手が語れば、「1本目、頑張りが足りませんでした! いつもより違う感じになってしまって。2本目の走りが最初からできてれば良かったんですが……。最終戦までチャンピオン争いを持ち込めたので、楽しく走りたいですね」と谷選手も意気込む。王座を懸ける最終第6戦での決戦に期待が高まる。
M-BR1クラス
M-BR1クラスでは、第2戦から三連勝でチャンピオンを獲った伊藤淳郎選手は地区戦BR1に参戦。今季はトップ3常連だが未勝利のランキング2番手、田中元史選手を中心に優勝が争われると思われた。
しかし、第1ヒートでトップタイムをマークしたのは、王者のマツダ・デミオでWエントリーした石井元紀選手。第1ヒート勝負の厳しい戦いに動じることなく、冷静な走りを見せた石井選手がクラス唯一の1分13秒台で優勝を果たした。「3年ぶりの大会でしたが優勝できて良かったです。いつもは鈴鹿のミニサーキットとか走っているんですが、今日はクルマが速かったってことで(笑)」と語った。
M-BR2クラス
開幕戦から堤丈裕選手、田中耕太郎選手、藤井雄介選手と毎戦のように勝者が変わってきたM-BR2クラス。第4戦で田中耕太郎選手が今季2勝目一番乗りを果たしたが、2つの欠場が響いてシリーズ3番手に甘んじ、開幕から3戦連続で2位の松村直人選手が首位に立っている。
第5戦では新たな勝者が生まれることになった。第4戦で2位を獲得した三浦茂選手が、同じZC33S型スイフト勢の大石恵美選手と藤井選手の追撃を抑えて逃げ切り優勝。尻上がりに調子を上げてきている三浦選手は「ミスなく走れたのが良かったですね。レインのセットで来たんですが、ドライでのアタックになってしまって不安はありました。勝てたのは本当に運が良かっただけですね」と、冷静に勝利を分析した。
M-BR3クラス
M-BR3クラスでは、小泉彰吾選手がBMW・M4を武器に今季2勝を挙げ、迫力ある走りで王座争いをリードしている。しかし、第5戦で小泉選手をターンセクションで抑えて勝利を挙げたのは関西学院大学出身の新社会人、ND型ロードスターを駆る栗野雅征選手だった。
喜びを露わにした栗野選手は「(トヨタ・)アルテッツァで走っているときは3位が最高位だったのですが、社会人になって少し落ち着いてきたので参戦しました。今日の走りはあまり良いところはなかったんです、ターンでも止まってしまって……。シケイン抜けてからは名阪の走り方も思い出してきて、これならイケるかと思いました。最終戦はPN2クラスに参戦してみようかと思っています」と、今後の目標も語った。
M-PN2クラス
M-PN2クラスでは、みさき選手が第3戦こそ2位に甘んじたものの、今季3勝でチャンピオンを決めている。地区戦のLでも勝利を挙げ、質の高い走りで今季のM-PN2を牽引している。もちろん第5戦もみさき選手を中心に展開、シリーズ2番手につける阿波俊之選手が記録したターゲットタイムを0.271秒上回る1分11秒512でトップを奪い、今季4勝目を手にした。
有効4戦の近畿ミドルで、満点チャンピオンを確定させたみさき選手は「ハイスピードというよりは1速のコーナーが多かったので、しっかり止めて意識して走れたのが良かったです。チャンピオンも決まったので残りは地区戦のLクラスに参戦したいと思います。去年、一昨年とチャンピオンを獲り落としているので、今年は獲れて嬉しいです」と、今日の走りを分析した。
M-BPNクラス
第4戦までは毎戦勝者が変わり、王座争いが混沌としているM-BPNクラス。ディフェンディングチャンピオンの宮原俊人選手はシリーズ規則によりポイントが半減するため、二連覇は厳しい状況だ。そんな中、第5戦は村田寛選手が開幕戦以来となる今季2勝目一番乗り。
この優勝で一気にポイントを伸ばした村田選手は、最終戦を待たずチャンピオンを決めた。「みんながミスしてくれて助かりました。2速で回らなくちゃいけないところを1速で曲がってしまったり、ミスが多い大会でした。天気のおかげで勝てたのは良かったですね」と、喜びを露わにした。
第5戦の競技長を務め、全日本PN5クラスにも参戦するドライバーでもある亀山伸一氏は「名阪史上最多台数ということもあり、大会運営を円滑に行えるか不安もありましたが無事に終えることができて良かったです。開催にあたり吉川寛志組織委員と4つのコースを試作して、シミュレーションもしっかり行い万全の体制で臨めました。まぁ、午後は土砂降りの中の走行になってしまったことが残念でしたが、こんなにスムーズに終えることができてホッとしています」と、安堵した様子を見せた。
PHOTO/鈴木あつし[Atsushi SUZUKI] REPORT/鈴木あつし[Atsushi SUZUKI]、JAFスポーツ編集部[JAFSPORTS]



