JAF近畿地方選手権・JMRC近畿シリーズの2019年度モータースポーツ表彰式が開催!
2020年2月6日
近畿地方で行われた2019年度のモータースポーツを総括する表彰式が開催された。ダートトライアル、ラリー、ジムカーナ等で上位の成績を修めた選手たちが一堂に会し、晴れの舞台に誇らしげに立った。
JAF近畿地方選手権/JMRC近畿シリーズ
2019年モータースポーツ表彰式
開催日:2020年2月2日(日)
開催地:ホテル阪急エキスポパーク(大阪府吹田市)
主催:JAF関西本部、JMRC近畿
2月2日(日)、表彰対象者待望のJAF近畿地方選手権ならびにJMRC近畿シリーズのモータースポーツ表彰式が、大阪府吹田市の「ホテル阪急エキスポパーク」本館地下1階のオービットホールで行われた。
まずJAFモータースポーツ部・業務課課長の田川員誉氏の主催者挨拶に始まり、「関西地区から日本のモータースポーツに元気を届けていただけたらと思います」と語った。続いてJAF近畿地域クラブ協議会・運営委員長の武地満喜氏が「胸を張ってモータースポーツをやってもらいたい」と述べた。
その後は会場内が暗転、中央のレッドカーペットとステージにスポットライトが灯り、FIA Electric & New Energy Championship、ジュニアカート選手権と、関西地区に在籍するチームおよび選手の表彰が始まった。プレゼンターはJAFモータースポーツ部業務課課長の田川氏。
そしてJAF近畿地方選手権とJMRC近畿シリーズの同時表彰へと移行。JAF近畿ダートトライアル選手権(プレゼンターはJAF関西本部事務局長の渡辺敬一郎氏)、JMRC近畿ダートトライアル部門チャンピオンシリーズ/ジュニアシリーズ(プレゼンターはダートトライアル部会長の今井健文氏)の表彰対象者が次々と登壇。
またJMRC近畿ラリー部門SSラリーシリーズ/アベレージラリーシリーズ(プレゼンターはラリー部会長の梅津祐実氏)、JAF近畿ジムカーナ選手権(プレゼンターはJAF関西本部事務局長の渡辺氏)JMRC近畿ジムカーナ部門チャンピオンシリーズ(プレゼンターはJAF近畿地域クラブ協議会運営委員長の武地氏)と、名前が呼ばれた選手たちが賞典を受け取った。
スペシャル企画として最後に登壇したのは、全日本ダートトライアル選手権PN1クラスでシリーズチャンピオンの上野倫広選手。「全日本チャンピオンのベースは近畿地区戦。このベースがあったおかげでチャンピオンが獲れたと思います」と語った。
第二部は本館2階の星雲の間に会場を移して懇親会が行われた。冒頭ではJAF近畿地域クラブ協議会・相談役の淀野泰弘氏が「ただ勝つためだけではなく、みなさんひとりひとりが走る意義を持っていただきながらモータースポーツに参加していただけたらなと思います」と挨拶。
この懇親会では恒例となっている抽選会。各社からチャリティーの協賛を受け、この抽選会の売上金等を交通遺児の支援に充ててもらうというものだ。JAF関西本部とJMRC近畿から、読売光と愛の事業団へ目録が手渡された。
宴は元JAF関西本部事務局長・中西寛治氏の乾杯の音頭でスタート。立食形式の中、表彰対象者たちは飲食を楽しみつつ、同時進行で行われたチャリティー抽選会の景品に一喜一憂しながらひと時を過ごした。
懇親会の最後はJAF近畿地域クラブ協議会運営委員長の武地氏による一本締めで閉会した。
なおこの表彰式が執り行われる直前には、第40回JAF近畿地域クラブ協議会代表者会議が同会場で行われた。運営委員会、各専門部会から2019年の活動報告、2020年の計画説明があった。また各競技カテゴリーに分かれてのディスカッションタイムでは多くの関係者が参加し、意見や要望を交わした。
2019年JAF近畿地方選手権チャンピオンインタビュー
モータースポーツ歴は1986年にラリーから始まり、2009年からダートトライアルを本格的に始めたという藤嶋義孝選手。資金や時間の面で家族に迷惑をかけつつも、入賞の商品を持ち帰ってフォローし、喜んでもらっているようだ。 「クルマはほぼイコールコンディション、あとはタイヤの選択だけでした。それまでウェットが苦手だったのですが、一昨年からウェットを中心に走ってみようと考えたんです。というのも小型四駆の場合、ウェットタイヤの方がミスをしてもリカバリーできるので。そこで2019年は全戦ウェットタイヤだけで走ってみたら、うまく結果に繋がったというわけです。得意としている今庄でいつも負けてしまう辰巳(浩一郎)選手に、2勝できたというのが一番の勝因と思います。……昨年の西フェスでクルマをひっくり返してしまって、やっと直ったところなので、今年はぼちぼちの活動になることでしょう。ラリーのナビゲーターなど楽しみながら頑張ろうかなという感じです」
石田祐輝選手は現在32歳。年齢にそぐわず1980年代に活躍したハンヌ・ミッコラ選手やスティグ・ブロンクビスト選手が好きとのこと。WRCのグラベルでドリフトしているシーンに憧れて、モータースポーツを始めたそうだ。 「学生時代にラリーやダートトライアルにスポットで出ていましたが、実はダートトライアルに真剣に取り組んだのは5年前くらいです。これまでクルマを壊したりといろいろな経験をしてきましたが、ダメだった時のことはなるべく振り返らず“済んだことはしゃーない”と思って、2019年は常に前だけを向いて戦い抜いてきました。結果、チャンピオンを獲れたわけですが、嬉しさよりも安堵しているというのが正直な気持ちです。中でも今庄で1本目にトップを獲って、そのまま勝てたというのが印象に強く残っています。今シーズンは予算の都合で地区戦にはほとんど出られないと思いますが、全日本選手権にスポットで何戦か出てみようと考えています」
今年60歳を迎えるという小川浩幸選手は、ダートトライアルをメインに据えて競技歴20年にも及ぶベテラン選手。これまでさまざまな苦労もしてきた様子だが、ようやく掴めた初のチャンピオンに表情を緩ませながら語った。 「近畿シリーズは以前までスポットで参戦していた程度で、実は中部地区に所属する人間なんですよ。近畿地区にはDクラスがあるというのに惹かれ、真剣に出てみようかと思い立ったのが2019年の初め。参戦して1戦目で優勝してしまって“行けるかな?”と思って、そこからひたすら頑張ってみました。慣れていないコースについては、S2クラスの石田(祐輝)選手や矢本(裕之)選手らと情報交換しながら、走り方を教えてもらって攻略に徹しました。で、終わってみれば7戦中6勝で、できすぎじゃないかというくらいの結果でしたね。2020年は中部と近畿のダブルタイトル獲得が目標です。また全日本にもスポット参戦する予定で、できればポイントを獲りたいです」
東毅選手はこの表彰で登壇した際、何を喋るか事前に家族と打ち合わせをしてきたそうだ。そんな過程を経てOKをもらったのだが、いざ本番ではすべて忘れてしまったという。だが今の心境については“めっちゃ嬉しいです”と喜びを露わにした。 「20数年前でしょうか、深夜のテレビでたまたまパリダカを見てラリーに興味を持ったのがきっかけでした。知り合いのクラブの人にラリーを始めたいんですって聞いたら、ダートトライアルを勧められて。ダートトライアルに始まり、ラリーを経て、30歳過ぎからジムカーナにたどり着きました。過去4年を振り返るとシリーズ4位3位2位と順に来て、2019年はようやく1位を獲得できました。日々コツコツと違ったことをしながら、並行して車両もつくり上げ、いろいろ積み重ねていったことがチャンピオンになれた要因だと思います。2020年はまだ模索中ですが、違うクラスで出ようかなと考えています。これからもっと上を目指していきたいので……頑張ります」
元々、クルマが好きで走ることが好き。先輩に誘ってもらって出会ったのがジムカーナだったという間瀬戸勇樹選手。決められたレギュレーションの中、イコールコンディションで人と競い合うことに魅力を感じてからハマったという。 「2018年はタイヤとセッティングの相性が噛み合わず、クルマが思い通りに動かせなかったんです。そこで2019年は思い切ってタイヤメーカーを変えてみたら、自在にクルマを動かせられるようになり、ようやく相性の良いタイヤに巡り会えたって感じでした。自分の出したタイムが通用したっていうのが何より嬉しかったですね。シーズンを振り返って特に印象に残っているのは第2戦。1本目にパイロンタッチを喫して下位に沈んでしまって、その後に雨が降ってもう終わったなと思っていたんですけど、晴れ間が見えてコースがドライ気味になったところで逆転優勝! ここまで指導いただいた諸先輩方、全日本の久保(真吾)選手や、近畿PN2クラスの抱(博高)選手には感謝しています」
フォト/谷内寿隆、山口貴利、JAFスポーツ編集部 レポート/JAFスポーツ編集部
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