2019年JAF中部地方選手権モータースポーツ表彰式が今年も鈴鹿で開催!
2020年1月30日
2019年のJAF・JMRC中部選手権等で活躍した選手の栄誉を称える、中部モータースポーツ表彰式が、今年も1月11日に三重県鈴鹿市で開催された。今年は近畿地区と合同のシリーズ、JAF中部・近畿ラリー選手権の表彰も行われ、一層、華やいだ雰囲気に包まれた。
2019年JAF・JMRC中部モータースポーツ表彰式
開催日: 2020年1月11日
開催地: 鈴鹿サーキットホテル(三重県鈴鹿市)
主催: JAF中部本部、JMRC中部
2019年のJAF・JMRC中部モータースポーツ表彰式は1月11日の土曜日に三重県の鈴鹿サーキットホテルで開催された。
昨今、中部地区では1月の第2週の土曜日に表彰式を行い、翌日曜に同サーキットでJMRC中部主催による『MotorSports DAY』と称するフリー走行会が行われるという形が恒例となっているが、今年もその例に倣った形となった。表彰式と走行会がセットになったプログラムは特に北陸地区など遠方の参加者には好評を博している。
午後4時から始まった表彰式では冒頭、まず増尾努JAF中部本部事務局長が開会の辞を述べ、続いて嶽下宗男JMRC中部運営委員長が主催者を代表して挨拶した。そして1987年のJMRC中部の創設時から中心的なメンバーとして関わり、中部モータースポーツ界の発展に尽力した鈴木隆史氏に、その長年の功績を労う感謝状が贈呈された。
賞の授与はJAFジュニアカート選手権から始まり、FP-Jr部門で入賞した中部地区在住の2選手が表彰を受けた。そして今年は中部地区での授与となったJAF中部・近畿ラリー選手権の上位入賞者への授与が、JMRC中部ラリーチャンピオンシリーズの表彰とともに行われた。
引き続き、JAF/JMRC中部ジムカーナ選手権、JAF/JMRC中部ダートトライアル選手権の授与が行われ、レース部門ではJAF地方選手権のタイトルがかけられた鈴鹿スーパーFJ、鈴鹿・岡山ツーリングカー選手権の表彰が行われた。上記のJAF地方選手権についてはシリーズ6位までの入賞者が表彰式を受けた。
続いて行われたJMRCシリーズの表彰では、中部ラリーチャレンジシリーズの上位5位までに入賞したドライバー/ナビゲーターがはじめに表彰された。そしてJMRC中部のミドルシリーズとして定着している、ジムカーナ東海シリーズ、同北陸シリーズ、ダートトライアル東海シリーズ、同北陸シリーズの4シリーズの各クラスのチャンピオンが、シリーズごとに一堂に会して表彰を受けた。
休憩の後、第二部として懇親会が開かれ、各選手、関係者が一年間の健闘を互いに称えあいながら、歓談に興じた。そして昨年、全日本選手権でチャンピオンを獲得した中部地区在住の選手達が壇上で紹介され、チャンピオンのみが手にすることができる高級シャンパンが今年も贈呈された。
JAF中部地方選手権チャンピオンインタビュー
40歳を過ぎてからジムカーナを始めた柏木選手。7年目の昨年、一戦を残す第7戦で早々にタイトルを決めた。
「開幕4連勝とスタートダッシュを決められたのですが、第5戦、第6戦はコースに合わし切れず、失速してしまって、宿命のライバルでもある磯村選手に詰め寄られてしまいました。第7戦のIOX AROSAもゴール前の設定に悩みましたが、何とか優勝して決めることができました。昨年は、コースレイアウトもこれまでとは違った設定が多くて難しかったですけど、AZURの川村(徹)さんにセッティングをガラッと変えてもらって乗りやすいクルマになったお陰で、そうした難コースにも対応できたのだと思います」
全日本ジムカーナ選手権では通算12勝をマークし、トップスラローマーの地位を確立している野中選手だが、意外なことに地区戦は初タイトルだ。
「年間10戦の全日本を追うのは厳しくて、でも走ることはやめたくなかったので、有効戦数に絞って地区戦にチャレンジしました。台数は少ないんですが、その分、ライバルの走りが見れないのでプレッシャーがかからずリラックスして走れました(笑)。苦手なウェットがなくてDRYで走れたので、運にも恵まれましたね。継続は力なり、を実感できた1年でした」
26歳の時に、ザウルスジュニアに出会って以来、D車両ひと筋でジムカーナを続けてきたという佐藤選手。
「長い間、地区戦や全日本は自分にとっては別世界の出来事でしたけど、やっぱり勝てば嬉しいし、負ければ悔しいから来年も頑張ろう、とやっている内に20年が経ってしまいました。自分が若い頃、ザウルスで全日本を走っていた五十嵐(豊光)さんや、若い頃から本当によくしてもらった村上(仁)さんという、いま同じクラスで走っている偉大な先輩達に、ようやく追いつけたかなと思う反面、まだまだ甘いよな、とも思ってます。でも今回は、他の方のマシンが壊れたりといった、自分以外の理由で獲れたチャンピオンだと思っているので、今年、連覇できたら、初めて自慢したいと思ってます(笑)」
リア掻きのスペシャリストが揃うこのクラスは第5戦まで毎回ウィナーが入れ替わる接戦となったが、FFのセリカで全日本も制したことのある寺田選手がMR2で初のタイトルを獲得した。
「元々、速い人が居並ぶところに、昨年はAE86で速かった加藤(尚之)選手が18年ぶりに復活してくれたので、激戦に拍車がかかった感じでしたね。自分がミスで沈んだ時に、一番のライバルと思っていた山口(順平)選手もミスしてくれたり、タイトル争いには絡まなかった横内(由充)選手が勝ったりと、周りの方々にも助けてもらいました。でもダートラ歴23年にして念願の地区戦チャンピオンが取れたんですから、最高の気分です」
トップ3台が三つ巴でチャンピオン争いを展開したN1クラスは、復帰組の村瀬選手が初のタイトルを獲得した。
「昨年は8年ぶりに復帰したんですよ。また走れるっていうだけで嬉しくて仕方なかったんですけど、初戦でいきなり2位に入れたもんで、目の色が変わってしまいました(笑)。結果、15年ぶりにフル参戦してしまったという次第です。クルマはチーム員からインテグラを買ったんですけど、休む前もインテに乗ってたので基本的なセッティングを8年前と同じにしたら、全く変わらない動きをしてくれたんで、違和感なく乗れましたね。やっぱり地元の池之平で勝てたことが大きかったと思います」
15年前、初めて観戦したダートトライアルで、『土の上を、えらい勢いで走る競技車に感激して自分もやりたくなった』という上角選手。激戦区S1クラスを制して初のチャンピオンに輝いた。
「昨年は、しっかりアクセルを踏むことと、ライン取りを意識して走ることを心掛けました。今まであまり練習してこなかったので、走る機会を増やしたこともタイトルに繋がったと思います。ただ門前は昨年もしっかり走り切れず、苦手意識を払拭することはできませんでした。結果的にはその門前で北陸の速い方々が星を分け合ってくれたお陰で獲れたので、運が良かったと思っています。今年こそ門前を攻略したいですね」
『昭和の時代から走っています』と笑う豊田選手は、54歳にして念願の地区戦チャンピオンの座を手繰り寄せた。5戦5勝という満点チャンピオン。ライバルの追撃を最後まで許さなかった。
「地区戦で全勝チャンピオンというのはそうはないと思うので、納得できる一年でしたね。去年はメンテナンスもしっかりして頂いたし、大きく変えた足回りもバッチリ決まってくれたので、どのラリーでも、狙ったラインをトレースできる、きれいな走りができたことが勝因だと思います。実は2017年に、病気を患って休んだんですが、休んだ間に、速く走るためのクルマ作りやセッティングの方向性を、じっくり見直すことができたことも大きかったですね。本当は土系ドライバーなので(笑)、グラベルラリーにも挑戦していきたいですね」
DE-1クラスのナビゲーター部門は、チャンピオンの豊田選手と競い合った林正嗣選手のナビ、白崎選手がタイトルを手にした。
「若い頃はドライバーやってましたが、20年以上のブランクを経て復活した5年前からは幼馴染みの林君のナビを務めてます。まずはTCラリーに順応することから始めましたが(笑)、今はペースノートが決まると林君もちゃんとタイムを出してくれるので、やり甲斐があります。クルマのセッティングを始め、まだまだ速くなれると思うので、今年こそ二人でチャンピオンを獲りたいですね」
昨年からZC33Sスイフトに乗る鮫島選手は、シーズン3勝をあげる速さを見せて初のチャンピオンに輝いた。
「昨年は、地区戦に出る前に、全日本の久万高原ラリーにスポット参戦してスイフトの走り込みができたことが、クルマの特性を掴んである程度のセッティングの方向性を見つけることができたので良かったと思います。ただスイフトは、現行車なんですけど、それまで乗っていたミラージュとフィーリングもそんなに変わらなかったので、最初から違和感なく乗れました。結果は割と早く出せましたが、それでもセッティングはかなり苦労してしまって。でも第4戦で4位だったことが、ひとつ上のセッティングを見つけることに繋がったのも大きかったですね。ラリー始めて19年目で、やっとそれなりのレベルのドライバーになれたかな、と(笑)。今年はスポットで全日本も戦いたいと思ってます」
ドライバーの鮫島選手とは2016年からコンビを組んでいるという船木選手。2004年、ラリージャパンの観戦をきっかけにラリーに興味を持ち、2008年からナビゲーターとしてラリーに参加している。
「2017年にあと一歩のところでチャンピオンを逃したので、今年は何とかリベンジしたい、というのは二人ともあったと思いますね。具体的に何を変えたかというのは特にないんですけど、課題だった『SS1からしっかりベストを獲れる走りをする』というのを昨年はできるようになったんです。その辺はやっぱり気持ちの入り方が違ってたからかな、とは思いますね。ドライバーが凄く成長した一年だったと思うので、それに負けないように自分も成長して、これからもチャレンジしていきたいと思います」
昨年、中部・近畿ラリー選手権で新設されたAT車等を対象とするDE6クラスは、ラリーデビューイヤーだった田中裕二選手が終盤の2連勝が効いてチャンピオンを勝ち取った。
「仕事で付き合いのあったオサムファクトリーの福永(修)さんに勧められてラリーを始めました。初めはTGRラリーチャレンジに出ていたんですが、試しに地区戦に出てみたら2位に入れたので、『これはチャンピオンを獲れるかもしれない』、と本人も周りもその気になってしまいました(笑)。ただヴィッツのような非力で、かつCVT車というラリーカーで速く走るというのは思ったよりも難しくて、走らせ方については、やはり福永さんはじめ周りの方々のアドバイスがとても参考になりました。このタイトルは、そうした方々のご支援の賜物だと思っています」
DE6クラスのナビゲーターチャンピオンを獲得したのは、全日本ラリーで福永修選手のサイドシートを務める齊田美早子選手。ドライバーの太田智子選手との女子コンビでシリーズ3戦に参戦した。
「ペースノートは、自分がドライバーで出た時のための練習や、と思って真面目に作ってるつもりですが、地区戦は普段の全日本より、速度的にも語彙数的にも、だいぶ余裕があるので、一回のレッキで、使えるノートができるよう、真剣に凄くドライバー目線で作成しました。でも、ドライバーさんに楽しく真面目に勝負してもらえるよう、できるだけメリハリをつけてSS以外は全くラリーに関係ない、女子トークもちゃんとしてましたよ(笑)。中部近畿戦も、ラリー人口が増えて、楽しく厳しく勝負することで皆のレベルが上がって、ギャラリーや住民の皆様にも楽しんでもらえるラリーが継続できるようになって段々、大きな渦になったらいいなぁ、と思いました」
フォト/谷内寿隆、安達正男 レポート/JAFスポーツ編集部
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