クロスカントリーカーやSUVのラリー、XCRスプリントカップ北海道が表彰式を開催!
2023年10月16日

10月8日、2023年XCRスプリントカップ北海道のシリーズ表彰式が2022シーズンと同じく、北海道帯広市内に建つ北海道ホテルで開催された。2季目を迎えたこのシリーズは、2月5日に行われた2023年JAF北海道ラリー選手権の第1戦と同時開催のかたちで、2023シーズンが開幕した。その後は、この初戦を含めたスノー2戦、グラベル3戦を経て、表彰式当日に行われたグラベルの北海道ラリー第6戦との併催で、シリーズを締めくくる最終戦を開催した。今季は北海道ラリー4戦、北海道で開催された2023年JAF全日本ラリー選手権2戦の計6戦で同時開催された。
XCRスプリントカップ北海道
2023年シリーズ表彰式
開催日:2023年10月8日
開催場所:北海道ホテル(北海道帯広市)
主催:XCRスプリントカップ北海道事務局
クロスカントリーカーやSUVによるスプリントラリーという、これまで国内ラリーではなかった新たなコンセプトのもとに始まったXCRスプリントカップ北海道は、2季目を迎えた今季も様々なラリーカーが集い、賑わいを見せた。
まずXC-2クラスでは、地元・北海道を代表するクロスカントリーカーのスペシャリストであるドライバーの惣田政樹選手がトヨタ・キャミを第1戦に持ち込み、昨季までJAF中部・近畿ラリー選手権を追っていたドライバー、揚村悠選手が駆る三菱・エクリプスクロスPHEVも、今季はこのシリーズに戦いの場を移して開幕から参戦した。
グラベルラウンドに突入した第3戦からは、ドライバー部門で二連覇を狙うCUSCO Racingの番場彬選手がチャンピオンマシンのトヨタ・ハイラックスで復帰。また第4戦からは、昨季も全日本と併催したRALLY HOKKAIDOに参戦した、哀川翔氏率いるFLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESが2台体制で参戦。第5戦のRALLY HOKKAIDOではトヨタ・ランドクルーザープラドを駆ったD1ドライバーの川畑真人選手が優勝し、リタイアに終わった昨季のリベンジを果たした。
またXC-3クラスではアジアクロスカントリーラリーをはじめ、海外のラリーレイドで数々の実績を誇るドライバーの塙郁夫選手が、トヨタ・ライズでこのシリーズに初参戦し、大きな話題を呼んだ。スズキ・ジムニーをドライブした織戸茉彩/槻島もも組も、シリーズに本格的に参戦した初の女性クルーとして注目を集めた。
表彰式では、つい数時間前まで陸別町で第6戦のグラベルバトルを演じた選手、関係者が北海道ホテルで一堂に会した。XCRスプリントカップ北海道事務局の小池治郎事務局長の開会の挨拶で始まった式では、冒頭で来賓を代表して株式会社トヨタカスタマイジング&ディペロップメントTRD本部の水野陽一本部長が挨拶。続いて株式会社オートバックスセブン北海道営業部の武泰広部長の音頭による乾杯が行われた。



しばしの歓談の後、行われた表彰では、まずXC-3クラスに今季5戦参戦し、そのすべてのラリーで優勝を果たした塙郁夫選手と、そのうちの4戦でコ・ドライバーを務めた佐竹尚子選手にチャンピオントロフィーが授与された。またシリーズ2位に入賞した織戸茉彩/槻島もも組にもトロフィーが手渡された。
続いて行われたXC-2クラスの表彰では、まず最終戦で勝利を飾って今季もドライバー部門タイトルを守った番場彬選手にチャンピオントロフィーが贈呈された。コ・ドライバー部門は、揚村選手のコ・ドライバーとして6戦すべてで完走を果たした笠井開生選手が、初のチャンピオントロフィーを手にした。さらに、シリーズ3位までに入賞を果たした選手達にもトロフィーが授与された。
式の最後はオーガナイザーを代表して、AG.メンバーズスポーツクラブ北海道(AG.MSC北海道)の米澤章理事が閉会の挨拶を述べたが、その場で2024シーズンのカレンダー(予定)が発表されるというサプライズがあり、来たる新たなシーズンに向けた期待感が高まる中、盛況の内に表彰式は閉会した。
<2024年XCRスプリントカップ北海道カレンダー(予定)> | ||
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第1戦 | 1月28日 | 第38回 EZO ENDLESS RALLY |
第2戦 | 2月18日 | 北海道ブリザードラリー |
第3戦 | 7月5-7日 | 2024 ARK ラリー・カムイ |
第4戦 | 9月6-8日 | RALLY HOKKAIDO |
第5戦 | 9月21-22日 | RALLY EAST-EBURI 2024 |
第6戦 | 10月12-13日 | とかち2024 |
※2023年10月現在 |




「今年は強敵が常にいるという状況で、特にRALLY HOKKAIDOでは“モンスター”の川畑真人選手が出てきて(笑)、どんなに攻めても届かない、自分の力だけではどうにもできない、というラリーを久しぶりに経験しました。負けてしまいましたが、川畑選手に“最初は楽に勝てると思っていたけど、そうはならなかった”と言われたので、いいバトルができて楽しめましたね。今年は4戦しか出られなかったので、運が色々と重ならないと(王座防衛は)無理かな、と思ってましたが、勝負しつつもミスなく完走できたRALLY HOKKAIDOがそうだったように、いろんなライバルや様々なコンディションの中でも、コンスタントに上位を走り続けられるようなマインドコントロールが安定してできたので、“冷静に熱く走る”という大人のラリーができた一年だったと思います。でも、陸別などは2007年からほぼ毎年のように走っているのですが、今年も全然、去年とは違った道になっていて、ラリーって同じ道でも毎回、同じじゃない、何年ラリーをやっていても新しい発見があるんだな、と改めて感じました。結果的には、こうしてチャンピオンが獲れたので、今年も“持ってたんだな”と、感じています(笑)。できれば来年も参加して、もっともっと賑やかなシリーズにしていきたいですね」。

「2015年からラリーを始めて、エクリプスクロスには去年から乗っていますが、やはりPHEVゆえに車体下の配管が異なっていることなどもあって、普通のラリーカーではまず起こらないようなトラブルにも気を使わなければいけないので、色々と大変な一年でした。ただ開幕戦では人生初のスノーラリーを体験できて、本州にはない環境の中で走れて楽しかったですし、一方でRALLY HOKKAIDOは距離が長くて道の難易度も高かったので、厳しいラリーでした。今までのペースノートの読み方が通用しない所もあったので、その辺を修正しつつ何とか最後まで走り切れたので、達成感がありました。実はエクリプスクロスって、インカムが壊れても会話できるくらい車内は静かなので普段は快適なんですけど、バッテリーの残量が怪しくなりそうな時は、エアコンも切らなくてはいけないので、夏場は特につらかったですね(笑)。今度はぜひドライバーと一緒にチャンピオンを獲れれば、と思っています」。

「もう45年以上もドライバーをやっていますが、実は国内ラリーって一回も走ったことがなかったんです。でも北海道の素晴らしいロケーションの中を走ることができて、本当に楽しかったですね。海外のラリーを沢山走ってきたけど、この北海道のラリーの環境は、世界的に見ても貴重だと思いますよ。僕は海外では、SSが200kmって言われると、“何だ、短けぇな” って思うようなラリーを続けてきて(笑)、ナビゲーターと一緒にGPSを頼りにルートを探るというかたちでやってきたので、5km、10kmのステージで勝負するというラリーは簡単か難しいかという前に、何よりもまず新鮮でしたね。ただペースノートについては、僕は、コーナーを抜けたら象がいたり(笑)、トラクターが横切っていくようなラリーばかり続けてきたので、自分で確認したものしか絶対、信じないというクセがついているものだから、難しかった。先が見えない所でも、ノートを信じて全開で突っ込んでいくという、スプリントラリーの凄さを実感したシリーズでもありましたね。ただ幸い、ライズというクルマは老眼気味の僕でも目が追いつくくらいのスピードしか出ないし(笑)、ノーメンテでも一年走れる丈夫なクルマなので、年輩の方にもぜひお勧めしたい。モータースポーツやってきた人って、歳を取っても、なかなかあきらめられないじゃないですか。そういう人でも長く楽しくクルマと遊びながら続けていく、というモータースポーツのスタイルをこれからも提案していきたいと思っています」。

「クロスカントリーカータイプのラリーカーに乗るのは初めてでしたが、コ・ドライバーとしては、どんなクルマでもやることは一緒なので、ドライバーさんが頑張ってくれるのを助けるだけ、という気持ちでやっていました。もちろん、海外で凄い実績を持っている方なんで、最初は、ちゃんと務めることができるのか、という不安がありましたが、実際はとても気さくな方だったので、むしろ私の方が助けられたのかもしれませんね(笑)。このシリーズは、ホントに雰囲気が良くて、SSのスタート待ちの時間でも、お互いのクルマの作り方についてアドバイスし合ったりして、皆で楽しみましょう、という雰囲気があるのがいいな、と思いました。本当に楽しい一年でした。ちゃんとドライバーさんにチャンピオンを獲っていただいたので、肩の荷が下りてホッとしていますが、自分自身も、これまでラリーをやってきた中で、初めて大きなタイトルを頂けたので、大変嬉しく思っています」。
フォト/田代康、小坂和生 レポート/田代康、JAFスポーツ編集部
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